チェカ、レイ、第1レースでそろって表彰台に立つ
- 2009年7月26日(日)
決勝
- 会場:ブルノ・サーキット
天候:晴れ
気温:20℃(第1レース)/23℃(第2レース)
コースコンディション:ドライ
第10戦チェコ大会の決勝は、青空が広がる絶好のコンディションの中で行われ、28台が出場し、両レースともに完走20台という厳しい戦いとなった。今大会、CBR1000RRは、フリー、予選、スーパーポールと全体的に厳しい戦いを強いられた。しかし、第1レースでは、カルロス・チェカ(HANNspree Ten Kate Honda)が2位、ジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)が3位とすばらしい走りを見せ、第2レースは表彰台を逃すも、レイ4位、チェカ5位と好走を見せた。以下、レオン・ハスラム(Stiggy Motorsport AB)が7位/12位、清成龍一(Ten Kate Honda Racing)は両レースで13位。ジョン・ホプキンス(Stiggy Motorsport AB)は両レースともにリタイアだった。
第1レースで優勝したのはマックス・ビアッジ(アプリリア)。第2レースはベン・スピーズ(ヤマハ)が優勝。ビアッジが2位、ミッシェル・ファブリッツォ(ドゥカティ)が3位だった。
今大会、CBR1000RRで最上位につけたチェカは、スーパーポールのアタックが不完全燃焼に終わり、3列目10番手から決勝に挑んだ。第1レースは好スタートからオープニングラップ6番手につけると、5周目に首位争いをするスピーズとファブリッツォが転倒、前を走るレイをかわし2番手に浮上。首位に立ったビアッジを追う展開となったが、約3秒差のまま届かず、2位でチェッカーを受けた。第2レースもオープニグラップ6番手から第1レースと同じ顔ぶれがトップグループを形成。第1レースより気温が上がったことでチャタリングが出るようになったチェカは、思うようにペースを上げられず5位だった。
そのチェカと第1レース、第2レースともにバトルを繰り広げたレイが、第1レースで3位。第2レースで4位と好走を見せた。フリー、予選では、バイクのセットアップに苦しみ思うようにペースを上げられなかったレイだが、本番での巻き返しに明るい表情だった。
その後方では、予選、スーパーポールで苦戦したハスラムが、第1レースでは17番グリッドから7番手まで追い上げる好走を見せたが、第2レースは12位。ハスラム同様、予選18位と苦戦の清成も両レースで13位と悔しい結果に終わった。今大会は、第1レースから第2レースにかけて気温が上昇、セッティングに苦しんだ選手が多く、ホプキンスは第1レースで転倒リタイア。第2レースはトラブルでリタイアとなった。
スーパースポーツは、ファビアン・フォーレ(ヤマハ)、アンソニー・ウェスト(Stiggy Motorsport AB )、ホアン・ラスコルツ(カワサキ)、藤原克昭(カワサキ)の4選手によるし烈な優勝争いとなり、フォーレが優勝、ウェストが2位になり、第3戦スペイン大会以来、7戦ぶり今季3回目の表彰台に立った。3位にラスコルツ、4位に藤原という結果だった。この日は、この4台のし烈な優勝争いとなり、トップから藤原までが、わずか0.400秒差。その4台からやや遅れてユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)が5位。マッシモ・ロッコリ(Honda)7位。ケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)9位。アンドリュー・ピット(HANNspree Ten Kate Honda)10位と、CBR600RR勢がトップ10に5台名前を連ねた。今大会優勝を逃したCBR600RR勢だが、総合首位でPPスタートのカル・クロッチロー(ヤマハ)がリタイアに終わったことで、総合2位で今大会5位のラバティが、その差を17点と詰めた。今大会9位のソフォーグルが総合3位をキープ。シーズンは残り4戦。逆転チャンピオンに期待が膨らむ。
決勝リザルト
スーパーバイク(レース1)
順位 |
ライダー |
マシン |
周回数 |
タイム/差 |
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1 | M.ビアッジ | アプリリア | 20 | 40:18.306 |
2 | カルロス・チェカ | Honda | 20 | +3.631 |
3 | ジョナサン・レイ | Honda | 20 | +9.948 |
4 | S.バーン | ドゥカティ | 20 | +12.952 |
5 | T.コルサー | BMW | 20 | +14.599 |
6 | J.シュムルツ | ドゥカティ | 20 | +19.359 |
| | | | |
7 | レオン・ハスラム | Honda | 20 | +19.680 |
9 | マシュー・ラグリブ | Honda | 20 | +21.923 |
13 | 清成龍一 | Honda | 20 | +38.586 |
15 | V.イアンヌッツォ | Honda | 20 | +40.280 |
RT | ジョン・ホプキンス | Honda | 10 | +10Laps |
スーパーバイク(レース2)
順位 |
ライダー |
マシン |
周回数 |
タイム/差 |
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1 | B.スピーズ | ヤマハ | 20 | 40:15.420 |
2 | M.ビアッジ | アプリリア | 20 | +0.213 |
3 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 20 | +0.657 |
4 | ジョナサン・レイ | Honda | 20 | +8.311 |
5 | カルロス・チェカ | Honda | 20 | +8.915 |
6 | 芳賀紀行 | ドゥカティ | 20 | +21.175 |
| | | | |
12 | レオン・ハスラム | Honda | 20 | +25.622 |
13 | 清成龍一 | Honda | 20 | +26.246 |
14 | マシュー・ラグリブ | Honda | 20 | +31.098 |
18 | V.イアンヌッツォ | Honda | 20 | +57.751 |
RT | ジョン・ホプキンス | Honda | 6 | +14Laps |
スーパースポーツ
順位 |
ライダー |
マシン |
周回数 |
タイム/差 |
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1 | F.フォーレ | ヤマハ | 18 | 37:14.367 |
2 | アンソニー・ウェスト | Honda | 18 | +0.148 |
3 | J.ラスコルツ | カワサキ | 18 | +0.289 |
4 | 藤原克昭 | カワサキ | 18 | +0.400 |
5 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | 18 | +6.823 |
6 | S.モライス | ヤマハ | 18 | +14.896 |
| | | | |
7 | M.ロッコリ | Honda | 18 | +15.092 |
9 | ケナン・ソフォーグル | Honda | 18 | +18.592 |
10 | アンドリュー・ピット | Honda | 18 | +29.679 |
11 | B.ヴェネマン | Honda | 18 | +29.803 |
12 | D.デロモ | Honda | 18 | +30.215 |
13 | M.ラバティ | Honda | 18 | +30.517 |
14 | ジャンルカ・ビジエロ | Honda | 18 | +40.163 |
15 | J.ギュンター | Honda | 18 | +46.026 |
17 | A.ボス | Honda | 18 | +54.285 |
18 | S.ロウズ | Honda | 18 | +1:26.735 |
20 | J.ブロズ | Honda | 18 | +1:57.684 |
RT | J.オハロラン | Honda | 15 | +3Laps |
RT | P.ボスタレク | Honda | 9 | +9Laps |
RT | ミゲル・プライア | Honda | 8 | +10Laps |
RT | R.ハームス | Honda | 6 | +12Laps |
RT | マーク・エイチソン | Honda | 6 | +12Laps |
ポイントスタンディング
ライダー | スーパーバイク
順位 |
ライダー |
マシン |
総合ポイント |
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1 | 芳賀紀行 | ドゥカティ | 326 |
2 | B.スピーズ | ヤマハ | 319 |
3 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 273 |
4 | ジョナサン・レイ | Honda | 206 |
5 | M.ビアッジ | アプリリア | 200 |
6 | レオン・ハスラム | Honda | 180 |
|
8 | カルロス・チェカ | Honda | 145 |
11 | 清成龍一 | Honda | 119 |
19 | マシュー・ラグリブ | Honda | 19 |
20 | ジョン・ホプキンス | Honda | 17 |
30 | トミー・ヒル | Honda | 6 |
33 | ロベルト・ロルフォ | Honda | 3 |
36 | V.イアンヌッツォ | Honda | 1 |
38 | J.ゼンケ | Honda | 1 |
マニュファクチャラー | スーパーバイク
順位 |
マニュファクチャラー |
総合ポイント |
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1 | ドゥカティ | 412 |
2 | ヤマハ | 362 |
3 | Honda | 306 |
4 | アプリリア | 207 |
5 | スズキ | 133 |
6 | BMW | 87 |
ライダー | スーパースポーツ
マニュファクチャラー | スーパースポーツ
順位 |
マニュファクチャラー |
総合ポイント |
|
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|
1 | Honda | 211 |
2 | ヤマハ | 210 |
3 | カワサキ | 133 |
4 | トライアンフ | 77 |
5 | スズキ | 30 |
コメント
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 3位/4位)
「昨日のスーパーポールでいいセッティングを見つけたが、第1レースは、そのいいフィーリングでキープすることができた。金曜日のスタートを思えば、こうして表彰台に立てたことに自分でも驚いている。チームには心から感謝したい。表彰台に立てたのはトップグループで戦っていた2人のライダーが転んだこともあるが、彼らが転ばなくても表彰台に立てる戦いができていたと思う。第2レースは表彰台に立てなかったが、こうしていい気分で夏休みを迎えられることがうれしい。次のレースが本当に楽しみだ」
カルロス・チェカ(スーパーバイク 2位/5位)
「第1レースはスタートもよく、リズムある走りができた。ジョナサンとのリードもキープできたし、第1レースはベストを尽くせたと思う。しかし、第2レースはチャタリングが出るようになって第1レースのようなペースでは走れなかった。しかし、今日のレースは全体的に見て、大きな手応えを感じた。これから1カ月の休暇を楽しみ、9月のドイツではいいレースをしたい」
レオン・ハスラム(スーパーバイク 7位/12位)
「今大会は、レースウイークを通じてあまりいい結果ではなかった。ただ、第1レースはペースもよく、7位になれてよかった。第2レースはチャタリングに苦しみ、ラップタイムもあまりよくなかった。トップグループからはるかに遅れてしまうレースになり、悔しかった」
清成龍一(スーパーバイク 13位/13位)
「今日の結果には本当にがっかりしている。昨年の大会に比べても一周で1秒もタイムが遅かった。3日間を通じて、最後まで自分の走りができなかった。コーナーの進入が決まらないのが最大の問題なのだが、その対策をしなければならない。今回は何をやっても解決することができなかった。ただ、第1レースに比べて第2レースはラップタイムが少しだけよくなった。次のドイツでは、楽しくバイクに乗れるような状態に仕上げたい」
アンソニー・ウェスト(スーパースポーツ 2位)
「2位になれて本当にうれしい。僕にとってもチームにとっても、今日のリザルトはとても重要なものになった。モチベーションを上げることになるし、トップグループで戦う喜びを再び味わうことができた。夏休みを前に、こうした結果を残せてよかった。この調子を後半戦につなげたい」
ユージェーヌ・ラバティ(スーパースポーツ 5位)
「5位というのは自分が望んでいたリザルトではないが、今日はカル(クロッチロー)がリタイアしてポイント差を詰められたことはよかった。今日はウオームアップで転倒したために、決勝に向けてやらなければいけないことをたくさん作ってしまった。結局、転倒する前と同じフィーリングにならず、苦しいレースになった。しかし、ベストを尽くしてくれたチームに心から感謝したい」
ケナン・ソフォーグル(スーパースポーツ 9位)
「昨日の予選が終わった後に、今日の決勝に向けてセットアップをやり直した。絶対によくなるだろうと思っていたのだが、9位に終わり本当にがっかりした。スタートして4周目くらいからは、昨日と同じバイク、同じタイヤとは思えないほどフィーリングが悪くなった。次のドイツでは巻き返したいし、全力を尽くさなければならない」
アンドリュー・ピット(スーパースポーツ 10位)
「スタート前は、今日は少しでも多くのポイントを獲得しようと思っていた。しかし、思っていたようなポイントを得ることができなかった。とにかく今日はペースを上げられず、昨年型のバイクに乗っているヴェネマン(Honda)とバトルしなければならなかった。もう一度バイクのセットアップを見直さなければならない。次のドイツまで1カ月あるので、レースまでにきっちりと仕上げたい」