第10戦チェコ大会は、金曜日、土曜日ともに青空が広がった。しかし気温の変化が激しく、セットアップの難しい2日間となった。その中で、PPを獲得したのはベン・スピーズ(ヤマハ)。2番手にミッシェル・ファブリッツォ(ドゥカティ)、3番手にマックス・ビアッジ(アプリリア)と続き、ジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)が4番手に入り、2戦ぶり今季3回目のフロントローを獲得した。今大会、CBR1000RR勢は、フロントローを獲得したレイを筆頭に5選手がスーパーポールに進出したが、カルロス・チェカ(HANNspree Ten Kate Honda)10番手、レオン・ハスラム(Stiggy Motorsport AB)17番手、清成龍一(Ten Kate Honda Racing)18番手、ジョン・ホプキンス(Stiggy Motorsport AB)20番手と、厳しい戦いを強いられた。
CBR1000RR勢で最高位につけたレイは、初日のフリー走行で11番手、1回目の予選で13番手、2日目の予選でも12番手とセットアップに苦しむも、セッティングが決まったスーパーポールでは、一気に順位を上げた。予選上位20番手までが出場したSP1では12番手、SP2で6番手に浮上、SP3ではさらにポジションを上げて4番手に入った。今季3回目のフロントローから、第8戦サンマリノ大会以来の今季2勝目に期待が膨らむ。
対照的に、フリー走行と予選で順調にセットアップを進めたチェカが、スーパーポールでポジションを落とした。チェカは、初日のフリー走行で7番手。1回目の予選で3番手に浮上、2日目2回目の予選で5番手。スーパーポール直前のフリー走行でも4番手と好調をキープ、快調にラップを刻んだが、このセッションで転倒を喫し、マシンのセッティングが完ぺきにならなかったことでSP3進出を逃して10番手に終わった。しかし、決勝に向けてバイクの仕上がりはよく、3列目から追い上げのレースに挑む。
以下、予選15番手のハスラム、16番手のホプキンス、17番手の清成は、2日間を通じてセットアップが決まらず苦戦。SP2進出を逃し、ハスラム17番手、清成18番手、ホプキンス20番手でグリッドが確定した。
スーパースポーツ(SS)は、カル・クロッチロー(ヤマハ)がPPを獲得。9戦を終えてランキング2位につけるユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)が2番手につけた。ラバティは、前戦ドニントンパークで表彰台を逃す5位に終わっているだけに、今大会は4戦ぶり今季4勝目に闘志を燃やす。以下、CBR600RR勢は、マッシモ・ロッコリ(Honda)9番手、アンソニー・ウェスト(Stiggy Motorsport AB)10番手でトップ10入り。ランキング3位のケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)は、初日のフリー走行で3番手と好調なスタートを切ったが、予選ではセッティングが決まらず14番手と大きくポジションを落とした。ランキング5位のアンドリュー・ピット(HANNspree Ten Kate Honda)も2日間を通じてセットアップが決まらず24番手だった。
順位 | ライダー | マシン | タイム |
1 | B.スピーズ | ヤマハ | 1:58.868 |
2 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 1:58.950 |
3 | M.ビアッジ | アプリリア | 1:59.055 |
4 | ジョナサン・レイ | Honda | 1:59.740 |
5 | S.バーン | ドゥカティ | 1:59.787 |
6 | T.コルサー | BMW | 2:00.046 |
10 | カルロス・チェカ | Honda | 1:59.748 |
16 | マシュー・ラグリブ | Honda | 2:00.498 |
17 | レオン・ハスラム | Honda | 2:00.718 |
18 | 清成龍一 | Honda | 2:00.811 |
20 | ジョン・ポプキンス | Honda | 2:14.727 |
24 | V.イアンヌッツォ | Honda | 2:02.346 |
順位 | ライダー | マシン | タイム/差 |
1 | C.クロッチロー | ヤマハ | 2:02.060 |
2 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | +0.848 |
3 | J.ラスコルツ | カワサキ | +1.157 |
4 | 藤原克昭 | カワサキ | +1.160 |
5 | G.ナンネッリ | トライアンフ | +1.368 |
6 | G.マッコイ | トライアンフ | +1.602 |
9 | M.ロッコリ | Honda | +2.075 |
10 | アンソニー・ウェスト | Honda | +2.132 |
11 | マーク・エイチソン | Honda | +2.219 |
12 | ミゲル・プライア | Honda | +2.243 |
14 | ケナン・ソフォーグル | Honda | +2.403 |
15 | D.デロモ | Honda | +2.443 |
16 | R.ハームス | Honda | +2.548 |
17 | B.ヴェネマン | Honda | +3.158 |
18 | J.ギュンター | Honda | +3.196 |
19 | A.ボス | Honda | +3.213 |
20 | M.ラバティ | Honda | +3.327 |
21 | ジャンルカ・ビジエロ | Honda | +3.335 |
22 | P.ボスタレク | Honda | +3.441 |
24 | A.ピット | Honda | +3.607 |
25 | J.オハロラン | Honda | +3.939 |
27 | S.ロウズ | Honda | +5.244 |
29 | J.ブロズ | Honda | +6.991 |
コメント
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 4番手)
「スーパーポールの前に行われたフリー走行で試したセッティングがよくて、それがスーパーポールの結果につながった。昨日、今日と、タイヤとのマッチングに苦しんできたが、それをギリギリで解決できてうれしい。全力を尽くしてくれたチームに感謝したい。ブルノは、スーパーバイクで走るのは初めて。コースに慣れるまでは戸惑ったが、スーパーポールでやっと自分の走りができるようになった。明日のレースが楽しみだ」
カルロス・チェカ(スーパーバイク 10番手)
「2列目までに並びたかったが、うまくいかなかった。通常、スーパーポールになれば1秒はタイムを上げることができるのだが、コーナーの立ち上がりでバイクの動きが激しく、タイムをロスしてしまった。しかし、バイクの仕上がりはいいし、レースタイヤでのアベレージも悪くない。今日はフリー走行で転倒したのがスーパーポールに影響したが、明日はもっとタイムを上げることができるはず。明日はいいレースにしたい」
清成龍一(スーパーバイク 18番手)
「前回のドニントンパークで一度試した新しいサスペンションを、先週のイモラテストから使っている。いいポイントはあるのだが、まだセッティングが完ぺきではない。昨日から今日にかけてあまりセットアップが進まず、気持ちよく走れなかった。5列目というグリッドは厳しいが、決勝では追い上げのレースをしたい。明日はウオームアップでもう一度セッティングにトライして、1つでも上のポジションでフィニッシュしたい」
ユージェーヌ・ラバティ(スーパースポーツ 2番手)
「PPは取れなかったが、今日の結果には満足している。バイクの状態はよくて攻める走りができた。今日はフィーリングもよく、リズムある走りができた。明日はタイヤに厳しいレースになると思うが、ベストを尽くしたい」
ケナン・ソフォーグルル(スーパースポーツ 14番手)
「昨日から大きくセッティングを変更したが、方向性を間違えてタイムを落としてしまった。明日のウオームアップでさらにセットアップを見直し、決勝に向けてできるだけベストな状態に近づけたい。明日までデータを徹底的にチェックして対策したい。先週のイモラテストは順調だったし、本当に残念なグリッドになってしまった」
アンドリュー・ピット(スーパースポーツ 24番手)
「厳しい一日だった。何て言っていいのかよく分からない。昨日から今日にかけて、2台のバイクを使っていろいろトライしたが、2台ともにうまく走ってくれなかった。明日のウオームアップでもう一度セットアップにトライしたい」