サンマリノ大会からの2連戦となった第9戦イギリス大会は、予選上位20位までの選手で競われるスーパーポールに、5台のCBR1000RRが進出。カルロス・チェカ(HANNspree Ten Kate Honda)7番手、レオン・ハスラム(Stiggy Motorsport AB)9番手、ジョン・ホプキンス(Stiggy Motorsport AB)11番手、ジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)12番手、清成龍一(Ten Kate Honda Racing)20番手という結果だった。
PPを獲得したのはベン・スピーズ(ヤマハ)。以下、マックス・ビアッジ(アプリリア)、シェーン・バーン(ドゥカティ)、中野真矢(アプリリア)と続き、この4選手がフロントローを獲得した。
前戦サンマリノ大会で好調だったCBR1000RR勢。今大会は、スーパーポールで苦戦することになった。初日にニューサスペンションを試した清成は、思うようにセッティングが決まらなかったため、2日目に従来のサスペンションに戻した。しかし、車体のセッティングに多くの時間を費やしたことで攻めの走りができず、SP2に進出できなかった。レイとハスラムは、レース用タイヤで順調な走りを見せるも、スーパーポールではSP2止まり。最終ステージに進んだチェカも、時折り降った雨に翻弄されて7番手に終わった。しかし、決勝に向けてのロングランでは、セッションをこなすごとにタイムを上げているだけに、決勝での巻き返しに注目される。
その中でも、前戦サンマリノ大会でニューサスペンションを使い初優勝を達成したレイは、トップから1秒差以内に16台という大接戦となった予選で、4番手とまずまずの仕上がり。今季3回の表彰台に立っているハスラムも5番手と順調だったが、スーパーポールではアタックが決まらずポジションを落とした。しかし、レイ、ハスラムともに地元大会だけに決勝では渾身の走りで優勝を狙う。また、予選で20番手と苦戦したチェカも、SP2で7番手に浮上して上り調子をアピール。予選17番手、SP1で20番手に沈んだ清成龍一も、昨年の大会で優勝しているだけに本番での追い上げに期待したい。
スーパースポーツは、カル・クロッチロー(ヤマハ)がPPを獲得。2番手には地元大会に闘志を燃やすユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)。8戦を終えて3勝を含む5回、過去3戦連続で表彰台に立ち、調子を上げているだけに、地元大会での4勝目を狙っている。以下、CBR600RR勢は、総合3位のケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)4番手、今季安定した速さを見せるマーク・エイチソン(HANNspree Honda Althea)5番手、前戦サンマリノ大会で今季初表彰台の3位を獲得し勢いに乗るマッシモ・ロッコリ(Honda)7番手、アンソニー・ウェスト(Stiggy Motorsport AB)9番手と、トップ10に5台のCBR600RR勢が名前を連ねているだけに、決勝では優勝争いに注目だ。
順位 | ライダー | マシン | タイム |
1 | B.スピーズ | ヤマハ | 1:29.846 |
2 | M.ビアッジ | アプリリア | 1:30.080 |
3 | S.バーン | ドゥカティ | 1:30.535 |
4 | 中野真矢 | アプリリア | 1:30.671 |
5 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 1:30.734 |
6 | 芳賀紀行 | ドゥカティ | 1:31.023 |
7 | カルロス・チェカ | Honda | 1:31.342 |
9 | レオン・ハスラム | Honda | 1:30.159 |
11 | ジョン・ホプキンス | Honda | 1:30.272 |
12 | ジョナサン・レイ | Honda | 1:30.387 |
20 | 清成龍一 | Honda | 1:31.260 |
24 | マシュー・ラグリブ | Honda | 1:32.243 |
31 | V.イアンヌッツォ | Honda | 1:33.408 |
順位 | ライダー | マシン | タイム/差 |
1 | C.クロッチロー | ヤマハ | 1:31.701 |
2 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | +0.521 |
3 | J.ラスコルツ | カワサキ | +0.780 |
4 | ケナン・ソフォーグル | Honda | +1.117 |
5 | マーク・エイチソン | Honda | +1.145 |
6 | G.マッコイ | トライアンフ | +1.178 |
7 | M.ロッコリ | Honda | +1.361 |
9 | アンソニー・ウェスト | Honda | +1.442 |
13 | ミゲル・プライア | Honda | +1.754 |
14 | D.デロモ | Honda | +1.775 |
15 | アンドリュー・ピット | Honda | +2.843 |
17 | B.ヴェネマン | Honda | +2.132 |
18 | M.ラバティ | Honda | +2.308 |
19 | A.ボス | Honda | +2.319 |
21 | R.ハームス | Honda | +2.519 |
22 | ジャンルカ・ビジエロ | Honda | +2.600 |
25 | J.ギュンター | Honda | +3.150 |
27 | P.ボスタレク | Honda | +3.908 |
コメント
カルロス・チェカ(スーパーバイク 7番手)
「ドニントンは難しいサーキットなので、前回から使用しているニューサスペンションのセッティングが、思うように決まらなかった。スーパーポールは、SP1は順調だったが、SP2はギリギリだった。SP3は小雨が降り出したことで完ぺきなアタックができなかった。しかし、昨日から今日にかけてセットアップは進んだし、明日の決勝はセッティングを変えずに挑む。レースタイヤのアベレージは、それほど悪くない。グリッドが2列目というのも悪くない。できることなら明日の決勝はドライで戦いたい」
レオン・ハスラム(スーパーバイク 9番手)
「今日は電子制御のセッティングに取り組んだが、あまりいい方向にいかなかった。結局、元の状態に戻してスーパーポールに挑んだが、SP3に進出できなかったのが残念。しかし、アベレージは悪くないし、今日の結果には満足している。今大会もタイムは接近しているので、3列目からいいスタートを切ってトップグループに絡みたい」
ジョン・ホプキンス(スーパーバイク 11番手)
「ケガをした腰の状態は、先週のミサノよりはかなりよくなったが、まだ完ぺきではない。今回は、金曜日の予選からセッティングをほとんど変えずに走りこんでいる。これまでの中では、バイクはかなりいい状態に仕上がったと思う。今日の順位は現状ではベストを尽くせたと思う。まだまだやらなければいけないことはたくさんあるが、決勝はいいスタートを切って、いいポジションでバトルしたい」
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 12番手)
「リアのセッティングが決まらず、コース終盤のスローセクションで苦労した。コーナーの進入がうまくいかず、アクセルもなかなか開けられない。今の状態では、ベストタイムをキープするのは難しいので、明日の決勝に向けてさらにいい状態を見つけたい。3列目からの決勝というのは、想像もしていなかった。厳しいグリッドだが、スタートをきめていいレースをしたい」
清成龍一(スーパーバイク 20番手)
「正直、なにが問題なのか自分でもわからない2日間だった。車体のセッティングが決まらず、自信を持って攻められなかった。2回目の予選で走り出してすぐに転倒したのも影響した。それでセッティングをいろいろ変えることになるのだが、本来のフィーリングに戻らなかった。シーズンを通して一番得意とするサーキットだけに残念な結果だった。しかし、決勝前のウオームアップで最後の調整をして、追い上げのレースをしたい」
ユージェーヌ・ラバティ(スーパースポーツ 2番手)
「2日間を通じて順調だったし、予選でもベストは尽くせたと思う。限界まで攻めることができたし、アベレージも悪くない。PPは取れなかったが、決勝に向けて不安はない。できることなら、決勝はドライコンディションで戦いたい」