し烈な戦いを制したレイが、第2レースで初優勝

2009年6月21日(日)
決勝
会場:ミサノ・サーキット
天候:雨/晴れ
コースコンディション:ウエット/ドライ
気温:16℃(第1レース)/26℃(第2レース)

第8戦サンマリノ大会決勝は、午前中は雨、午後になって青空が広がる天候となった。ウエットコンディションでスタートが切られた第1レースは、レース中盤からドライコンディションへ。MotoGPクラス同様、今年からスーパーバイク世界選手権も“フラッグ・トゥ・フラッグ”が採用されているため、スーパーバイクでは初めてレース中にバイクチェンジをする戦いとなった。ドライコンディションでスタートした第2レースも、序盤に小雨が降り“フラッグ・トゥ・フラッグ”が適用されたが、バイクチェンジを必要とするコンディションにはならなかった。

第1レースはバイク交換でめまぐるしく順位が入れ代わる中、ベン・スピーズ(ヤマハ)が優勝。2位にシェーン・バーン(ドゥカティ)。3位にミッシェル・ファブリッツォ(ドゥカティ)という結果だった。CBR1000RR勢は、予選2番手から決勝に挑んだジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)が、サイティングラップ中にバイクがコース上でストップ。そのためペナルティで、最後尾からスタートすることになるも、すばらしい追い上げを見せ7位でフィニッシュ。予選22番手のマシュー・ラグリブ(HANNspree Honda Althea)が10位。

バイク交換するまでのウエットコンディションで2位までポジションを上げたカルロス・チェカ(HANNspree Ten Kate Honda)は、スリックタイヤを装着したバイクにチェンジする際、エンジンがかからずタイムロス。11位に終わった。以下、レオン・ハスラム(Stiggy Motorsport AB)12位、予選8番手から決勝に挑んだ清成龍一(Ten Kate Honda Racing)は、オープニングラップにレイと接触、シフトペダルにトラブルが発生し、リタイアとなった。

第2レースは、小雨がぱらついたことで、レース序盤に“フラッグ・トゥ・フラッグ”ルールが適用、スタートからフィニッシュまで厳しい戦いが繰り広げられた。トップグループを形成したのは、レイにファブリッツォと芳賀紀行のドゥカティ勢2人を加えた3人。最終ラップまで何度もポジションを入れ代える厳しい戦いの中で、最終ラップでトップに浮上したレイが、スーパーバイク世界選手権初優勝を達成した。2位はファブリッツォ、3位には芳賀が入った。

この3台を最後まで追ったチェカが5位でフィニッシュ。第1レースはバイクチェンジの際のミスで表彰台を逃したが、第2レースはその悔しさを晴らすかのような快走を見せた。ラスト2周までトップの3人を僅差で追い、4番手を走行。最終ラップにヤコブ・シュムルツ(ドゥカティ)にかわされ、5位へポジションを落としたが、トップ3台を追い詰めた走りにファンから大きな拍手が送られた。

その後方では、ハスラムがスピーズとの戦いを制して8位。清成はペースが上がらず14位。今大会復帰のジョン・ホプキンス(Stiggy Motorsport AB)は、ケガの回復状態が完全ではないために決勝をキャンセルした。

スーパースポーツは、ユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)が、カル・クロッチロー(ヤマハ)と優勝を争い、惜しくも2位。今季ベストグリッドの3番手から好スタートを切ったマッシモ・ロッコリ(Honda)は、ホアン・ラスコルツ(カワサキ)を抑えて、今季初表彰台となる3位でチェッカーを受けた。

以下、CBR600RR勢は、マーク・エイチソン(HANNspree Honda Althea)5位、アンソニー・ウェスト(Stiggy Motorsport AB)7位。今大会は、レース中盤の転倒事故のために赤旗中断となり、2ヒートの合算タイムで順位が確定した。ユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)は、赤旗中断までの第1ヒートでトップ。第2ヒートでクロッチローにわずかに後れたことで惜しくも優勝を逃した。HANNspree Ten Kate Hondaのアンドリュー・ピットとケナン・ソフォーグルは、第1ヒートで転倒リタイアに終わった。

コメント

ジョナサン・レイ(スーパーバイク 7位/優勝)

「今大会は初日から順調で、いいレースができると思っていた。ウエットからドライになった第1レースは、グリッドにつく際のサイティングラップでエンジンが止まり、最後尾からスタートしなければならなかった。最後尾にグリッドを下げられたペナルティと、新品のタイヤでスタートしなければならなかったことで、序盤は厳しかった。最終的に7位でフィニッシュできて本当によかった。第2レースは最高だった。言葉にできないほどうれしい。ドゥカティの2人と最終ラップまで激しいバトルとなったが、とても楽しかった。最終ラップは、それまでのラップと違うラインを走った。ファブリッツォを抜いたときも、思ったより簡単だった。ドゥカティのホームで勝てたことがうれしい。これから後半戦に向けて大きな自信になった」

カルロス・チェカ(スーパーバイク 11位/5位)

「第2レースは、トップの3台を追いかけたが、その差を縮めることができなかった。今回、ジョナサン(レイ)ほどセッティングが決まらず、リアに少し問題を抱えていた。しかし、これからのことを思えば、かなりポジティブなレースだった。今大会は新しいサスペンションを使い、そのセッティングに追われた。ウオームアップで試したいことがあったのだが、それができなかったことが第2レースに影響した。第1レースは残念な結果だったが、いい状態になってきたので、次のドニントンがすごく楽しみだ」

清成龍一(スーパーバイク リタイア/14位)

「第1レースはスタート直後のヘアピンで、ハイサイドを喫してバランスを崩した。そのために後ろにいたジョニー(レイ)と接触してしまった。その際にシフトペダルのパーツが破損し、チェンジができなくなったので、リタイアすることを決めた。第2レースは、完全にドライになったことで、サスペンションのセッティングを変えた。結局それが悪い方向にいき、ブレーキのフィーリングにも違和感があって、進入でタイムロスすることになった。タイヤの選択もベストとは言えなかった。フリー、予選といい感じで走れていただけにフラストレーションのたまるレースになった。次のドニントンでは、その雪辱を果たしたい」

ユージェーヌ・ラバティ(スーパースポーツ 2位)

「第1ヒートはスタートが決まらず、序盤にペースも上がらず13番手までポジションを落とした。それから追い上げることができたのだが、トップに立ったときに赤旗中断になった。第2ヒートに向けてセッティングを変更することにした。それが結果的によかった。第2ヒートはカル(クロッチロー)を追いかける展開となった。終盤にトップに立ったが引き離すことができなかった。最終ラップの最終コーナーで勝負しようと思ったが、リアをスライドさせて失敗してしまった。勝てなかったが、難しいレースで2位になれてよかった。次のドニントンはホーム大会なのですごく楽しみだ」

決勝リザルト

スーパーバイク(レース1)

順位 ライダー マシン 周回数 タイム/差
1B.スピーズヤマハ2445:02.773
2S.バーンドゥカティ24+7.931
3M.ファブリッツォドゥカティ24+11.836
4J.シュムルツドゥカティ24+11.886
5芳賀紀行ドゥカティ24+31.670
6加賀山就臣スズキ24+33.241
7ジョナサン・レイHonda24+35.772
10マシュー・ラグリブHonda24+59.921
11カルロス・チェカHonda24+1:04.285
12レオン・ハスラムHonda24+1:04.313
20V.イアンヌッツォHonda23+1Lap
RT清成龍一Honda0 -
DNSジョン・ホプキンスHonda0 -

スーパーバイク(レース2)

順位 ライダー マシン 周回数 タイム/差
1ジョナサン・レイHonda2439:11.204
2M.ファブリッツォドゥカティ24+0.063
3芳賀紀行ドゥカティ24+0.457
4J.シュムルツドゥカティ24+3.635
5カルロス・チェカHonda24+4.460
6S.バーンドゥカティ24+4.538
8レオン・ハスラムHonda24+12.763
14清成龍一Honda24+24.547
21マシュー・ラグリブHonda24+48.973
24V.イアンヌッツォHonda24+57.589

スーパースポーツ

順位 ライダー マシン 周回数 タイム/差
1C.クロッチローヤマハ2236:51.032
2ユージェーヌ・ラバティHonda22+0.263
3M.ロッコリHonda22+16.289
4J.ラスコルツカワサキ22+20.894
5マーク・エイチソンHonda22+21.615
6藤原克昭カワサキ22+22.272
7アンソニー・ウェストHonda22+25.099
10ミゲル・プライアHonda22+49.578
11ジャンルカ・ビジエロHonda22+51.446
12 F.ジェンティーレ Honda 22 +54.391
13D.デロモHonda22+1:00.324
14A.ボスHonda22+1:11.594
RTケナン・ソフォーグルHonda8+14Laps
RT B.ヴェネマン Honda 8 +14Laps
RT M.ラバティ Honda 8 +14Laps
RTP.ボスタレクHonda5+17Laps
RTR.ハームスHonda4+18Laps
RTJ.ギュンターHonda3+19Laps
RTアンドリュー・ピットHonda2+20Laps

ポイントスタンディング

ライダー | スーパーバイク

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 芳賀紀行ドゥカティ292
2 B.スピーズヤマハ244
3 M.ファブリッツォドゥカティ237
4 ジョナサン・レイHonda167
5 M.ビアッジアプリリア135
6 レオン・ハスラムHonda134
8 カルロス・チェカHonda109
10 清成龍一Honda98
21 ジョン・ホプキンスHonda9
24 マシュー・ラグリブHonda6
25 トミー・ヒルHonda6
28 ロベルト・ロルフォHonda3
34 J.ゼンケ Honda 1

マニュファクチャラー | スーパーバイク

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1ドゥカティ351
2ヤマハ287
3Honda240
4アプリリア142
5スズキ128
6BMW62

ライダー | スーパースポーツ

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 C.クロッチローヤマハ160
2 ユージェーヌ・ラバティHonda146
3 ケナン・ソフォーグルHonda108
4 J.ラスコルツカワサキ86
5 アンソニー・ウェストHonda75
6 アンドリュー・ピットHonda73
8 マーク・エイチソンHonda61
10 M.ロッコリHonda40
13 マシュー・ラグリブHonda38
14 B.ヴェネマンHonda30
15 R.ハームスHonda23
17 ミゲル・プライアHonda18
18 ジャンルカ・ビジエロHonda15
20 M.ラバティ Honda5
22 P.ボスタレクHonda5
23 F.ジェンティーレ Honda 4
24 D.デロモHonda4
25 A.ボスHonda2

マニュファクチャラー | スーパースポーツ

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1Honda178
2ヤマハ160
3カワサキ97
4トライアンフ53
5スズキ30