第8戦サンマリノ大会予選は、快晴となった金曜日は最高気温が34℃を記録、時折り雨が降った土曜日は20℃と気温差の激しい2日間となった。スーパーバイクは初日の予選がドライ。2日目午前中に行われた2回目の予選がウエット。スーパーポールはドライコンディションとなった。
気温差が激しく、路面コンディションも目まぐるしく変わった2日間。PPを獲得したのはヤコブ・シュムルツ(ドゥカティ)。2番手にジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)。3番手にベン・スピーズ(ヤマハ)。4番手にミッシェル・ファブリッツォ(ドゥカティ)と続き、カルロス・チェカ(HANNspree Ten Kate Honda)7番手、清成龍一(Ten Kate Honda Racing)8番手、レオン・ハスラム(Stiggy Motorsport AB)10番手とトップ10に4台のCBR1000RRが名を連ねた。
今季ベストグリッドとなる2番手につけたレイは、初日から好調な走りを見せた。最高気温が30℃を超える猛暑となった初日のフリー走行で3番手。予選で4番手。ウエットになった2日目2回目の予選で4番手。ドライになった2回目のフリー走行でトップタイム。予選で上位20位までが進出するスーパーポールではSP1、SP2でトップタイム。最終ステージでもシュムルツから0.174秒差の2番手と、全セッションで快調な走りを見せた。
今大会からレイは、サスペンションを変更。これまで課題になっていた旋回性が向上し、好結果につながった。第6戦南アフリカ、第7戦アメリカと2戦連続で表彰台に立ち、上り調子のレイ。今大会はWSB初優勝の期待が膨らむ。
レイと同様にサスペンションを変更したチェカも、セットアップが順調に進み、全セッションで好調な走りを見せた。レイの仕上がりのよさに比べればまだまだセットアップが必要な状態だが、これまで課題になっていたチャターが解消された。前戦アメリカ大会では今季初表彰台を獲得。気分も乗っているだけに、今大会は今季初優勝をかけての、レイとの勝負にも注目だ。
従来通りのサスペンションで戦う清成も、順調な2日間だった。初日のフリー走行では5番手。1回目の予選で6番手。2日目のフリー走行でも6番手。ベストタイムではどのセッションでもチームメートのレイにわずかに遅れたが、決勝に向けてハイペースでラップを刻み、よい仕上がりとなっている。スーパーポールでは最終ステージに進出。最初のアタックで痛恨の転倒を喫し8番手に終わるも、第5戦イタリア大会(モンツァ)以来の表彰台を目指す。
こうしてスーパーポールで最終ステージに進んだCBR1000RRの3選手。ともに今季最高の仕上がりとなっているだけに、決勝ではチームメート同士の熱いバトルが予想される。
予選ではトップから1秒差以内に19台という大接戦。予選9番手のハスラムは、スーパーポールでSP3進出を逃し10番手。ケガのために5戦ぶりの復帰となったジョン・ホプキンス(Stiggy Motorsport AB)が26番手、ビットリオ・イアンヌッツォ(Honda)27番手だった。
土曜日の午後に予選が行われたスーパースポーツは、セッション前半を終えた段階で雨になったことで、序盤にタイムを出した選手が上位に名を連ねた。PPを獲得したのはミケーレ・ピロ(ヤマハ)。CBR600RR勢は、マッシモ・ロッコリ(Honda)が3番手。総合6位のアンソニー・ウェスト(Stiggy Motorsport AB)は6番手。マーク・エイチソン(HANNspree Honda Althea)7番手。総合2位のユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)は、フリー走行で3番手と好調だったが、不安定な天候に翻弄された予選では8番手。アンドリュー・ピット(HANNspree Ten Kate Honda)9番手。総合3位でフリー走行で5番手のケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)は11番手だった。
順位 | ライダー | マシン | タイム |
1 | J.シュムルツ | ドゥカティ | 1:35.435 |
2 | ジョナサン・レイ | Honda | 1:35.609 |
3 | B.スピーズ | ヤマハ | 1:35.631 |
4 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 1:35.811 |
5 | S.バーン | ドゥカティ | 1:36.224 |
6 | 芳賀紀行 | ドゥカティ | 1:36.277 |
7 | カルロス・チェカ | Honda | 1:36.537 |
8 | 清成龍一 | Honda | 1:36.884 |
10 | レオン・ハスラム | Honda | 1:36.510 |
22 | マシュー・ラグリブ | Honda | 1:38.671 |
26 | ジョン・ホプキンス | Honda | 1:38.856 |
27 | V.イアンヌッツォ | Honda | 1:39.067 |
順位 | ライダー | マシン | タイム/差 |
1 | M.ピロ | ヤマハ | 1:40.498 |
2 | C.クロッチロー | ヤマハ | +0.010 |
3 | M.ロッコリ | Honda | +0.011 |
4 | 藤原克昭 | カワサキ | +0.496 |
5 | G.ナンネッリ | トライアンフ | +0.611 |
6 | アンソニー・ウェスト | Honda | +0.927 |
7 | マーク・エイチソン | Honda | +0.960 |
8 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | +0.961 |
9 | アンドリュー・ピット | Honda | +1.168 |
11 | ケナン・ソフォーグル | Honda | +1.514 |
12 | D.デロモ | Honda | +2.065 |
14 | ジャンルカ・ビジエロ | Honda | +2.742 |
15 | J.ギュンター | Honda | +3.167 |
16 | ミゲル・プライア | Honda | +3.209 |
17 | R.ハームス | Honda | +3.644 |
19 | A.ボス | Honda | +4.084 |
20 | B.ベネマン | Honda | +4.455 |
21 | F.ジェンティーレ | Honda | +4.569 |
23 | M.ラバティ | Honda | +4.781 |
25 | P.ボスタレク | Honda | +6.753 |
コメント
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 2番手)
「今大会の前にマニクールで行ったテストで新しいハードウエアを手にいれた。今大会は、そのセットアップに集中した。この2日間で、よいフィーリングを見つけることができたし、よいグリッドも獲得できた。今回は確実に前進することができた。気分も乗っている。この2日間がんばってくれたチームスタッフに感謝したい。明日のレースが本当に楽しみ。ファンのためにも、ドライでレースを戦いたい」
カルロス・チェカ(スーパーバイク 7番手)
「今回はほとんどのセッションで7番手になった。今回はフィーリングもよく、バイクのセットアップも順調だった。スーパーポールでは、SP2でQFタイヤを2本とも使ってしまったので、SP3ではレースタイヤでアタックしなければならなかった。それで7番手に終わったが、自分としては納得のグリッドだ。2列目というのは悪くない。レースタイヤのペースもまずまず。決勝では7位以上でフィニッシュしたい」
清成龍一(スーパーバイク 8番手)
「前戦アメリカの後、フランスのマニクールでテストをした。そのテストでいいセットアップができたので、いいスタートが切れた。初日に問題点がクリアになり、2日目もセッティングがいい方向に向かった。スーパーポールは、SP1はギリギリだったが、SP2はいいタイムを出せた。SP3は最初のアタックで力が入りすぎて1コーナーで転んでしまった。今日はフロントローに並べると思っていたし、2列目に終わって残念だった。でも、レースラップは悪くない。いいレースができると思う」
アンソニー・ウエスト(スーパースポーツ 6番手)
「この数戦、調子が悪かったが、今大会はバイクのセットアップも進み、フィーリングもよくなった。予選では転倒したことでスペアのバイクでアタックしなければならず、思うようにタイムが出せなかった。決勝は、自分の好みに仕上がったメインのバイクで挑み優勝を狙いたい。今回はいいレースができると思っている」