第7戦アメリカ大会予選は、地元大会に闘志を燃やすベン・スピーズ(ヤマハ)が開幕から7戦連続のPP。スピーズとし烈なPP争いを繰り広げたカルロス・チェカ(HANNspree Ten Kate Honda)が今季ベストグリッドとなる2番手。さらに清成龍一(Ten Kate Honda Racing)が3番手に続き、2台のCBR1000RRがフロントローを獲得した。チェカ、清成とともにフリー走行、予選と好調だったジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)は、SP3進出を逃し11番手。レオン・ハスラム(Stiggy Motorsport AB)は12番手だった。
今季ベストグリッドとなる予選2番手につけたチェカは、今大会、好調なスタートを切った。初日はフリー走行、予選ともに3番手。2日目の予選では6番手へとややポジションを落としたが、スーパーポールでは快調にラップを刻んだ。SP1は5番手。SP2でも5番手と難なく最終ステージへ駒を進めたチェカは、上位8台で繰り広げられたSP3で2番手に浮上した。惜しくもPP獲得はならなかったが、昨年の大会で2レース完全Vを達成しているチェカ。2年連続優勝に向けて最高の状態で決勝に挑む。
清成も順調だった。初日はフリー走行6番手。予選9番手だったが、2日目の予選ではCBR1000RR勢トップの5番手に浮上。2回目のフリー走行では快調にラップを刻んで3番手。スーパーポールではSP1で8番手。SP2では3番手と快速ラップを刻み、最終ステージでは、チェカに続いての3番手タイムをマークした。第5戦イタリア大会以来、2戦ぶりのフロントローから決勝に挑む。2戦ぶりの表彰台と今季初優勝の期待が高まる。
前戦、南アフリカ大会で今季初表彰台に立ったレイは、1回目の予選で10番手、2回目に7番手へと確実に調子を上げたが、スーパーポールの前に行われたフリー走行で転倒、これでリズムを崩し最終ステージへの進出を果たせなかった。しかし、2戦連続表彰台に向けてチェカ、清成に負けず劣らず調子は上向きだ。6戦を終えて総合4位のハスラムも予選12番手から追い上げのレースに挑む。
連日、猛暑が続くソルトレーク。金曜日は30℃を越える暑さ。土曜日には雨雲が出て、にわか雨を降らせるなど選手たちにとっては厳しい条件となったが、2年連続制覇に向けてCBR1000RR勢は順調にセットアップを進めた。
スーパースポーツは、ホアン・ラスコルツ(カワサキ)がPPを獲得。今季3勝を挙げて絶好調のユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)が予選2番手。以下、CBR1000RR勢は、ケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)6番手、マーク・エイチソン(HANNspree Honda Althea)9番手。ディフェンディングチャンピオンのアンドリュー・ピット(HANNspree Ten Kate Honda)は予選で転倒を喫し30番手ながらも、フリー走行では順調にセットアップを進めた。
順位 | ライダー | マシン | タイム |
1 | B.スピーズ | ヤマハ | 1:48.344 |
2 | カルロス・チェカ | Honda | 1:48.908 |
3 | 清成龍一 | Honda | 1:49.243 |
4 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 1:49.434 |
5 | J.シュムルツ | ドゥカティ | 1:49.658 |
6 | S.バーン | ドゥカティ | 1:49.982 |
11 | ジョナサン・レイ | Honda | 1:49.541 |
12 | レオン・ハスラム | Honda | 1:49.765 |
23 | J.ゼンケ | Honda | 1:51.072 |
25 | トミー・ヒル | Honda | 1:51.451 |
順位 | ライダー | マシン | タイム/差 |
1 | J.ラスコルツ | カワサキ | 1:51.749 |
2 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | +0.080 |
3 | C.クロッチロー | ヤマハ | +0.302 |
4 | G.ナンネッリ | トライアンフ | +0.910 |
5 | M.ロッコリ | Honda | +0.977 |
6 | ケナン・ソフォーグル | Honda | +1.006 |
9 | マーク・エイチソン | Honda | +1.202 |
11 | R.ハームス | Honda | +1.767 |
13 | マシュー・ラグリブ | Honda | +2.050 |
14 | ミゲル・プライア | Honda | +2.170 |
17 | P.ボスタレク | Honda | +2.872 |
18 | ジャンルカ・ビジエロ | Honda | +2.903 |
19 | A.ボス | Honda | +3.035 |
20 | R.ホーランド | Honda | +3.075 |
22 | アンソニー・ウェスト | Honda | +3.430 |
23 | F.ペロッティ | Honda | +3.660 |
24 | J.ギュンター | Honda | +3.909 |
30 | M.バウチャー | Honda | +8.947 |
31 | R.テイラー | Honda | +14.390 |
コメント
カルロス・チェカ(スーパーバイク 2番手)
「今年は厳しいレースが続いていたが、確実にバイクのセットアップは進んでいたし、こうしてフロントローを獲得できてうれしい。全体のバランスがよくなり、この数戦、サイドグリップがよくなってきたことがタイム短縮の要因だと思うし、気持ちよく乗れた。今回はPPを獲得したベン(スピーズ)を筆頭に3、4人が優勝争いに絡んでくるはず。厳しい戦いになることは間違いないが、トップグループで戦える自信はあるし、いいリザルトを残したい」
清成龍一(スーパーバイク 3番手)
「昨日から今日にかけて、リアサスのセッティングをいろいろ試した。さらに、これまで違うライン取りにトライして、ブレーキングと立ち上がりがわずかによくなった。それで0.3から0.4秒はタイムを短縮することができたと思う。カルロス(チェカ)とケナン(ソフォーグル)と初日の走行を終えた後、いろいろ情報交換したのがよかった。今日はタイヤのグリップもよく、アベレージもよかった。天気が不安定だが、決勝がすごく楽しみだ」
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 11番手)
「スーパーポールの前に行われたフリー走行で転倒して、すべての予定が狂ってしまった。それまでのいいリズムで乗れなかったし、本当に残念だった。SP2のアタックでミスをしてしまった。それをリカバリーしようと思ったときには小雨が降って集中力が切れた。ほんのわずかの差でSP3に出られず悔しかった。しかし、レースに向けてバイクの状態は悪くないので、決勝ではいいスタートを切って追い上げたい」