スーパーバイク世界選手権第5戦、イタリア大会決勝は、両レースともに厳しい戦いとなった。第1レースはミッシェル・ファブリッツォ(ドゥカティ)が優勝、2位に芳賀紀行(ドゥカティ)、予選3番手から決勝に挑んだ清成龍一(Ten Kate Honda Racing)が今季初表彰台となる3位になった。第2レースはベン・スピーズ(ヤマハ)が優勝。ファブリッツォ2位。このレースでも清成が3位になり、2レース連続で表彰台に立った。
以下、CBR1000RR勢は、ジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)が5位/4位。カルロス・チェカ(HANNspree Ten Kate Honda)が9位/10位。レオン・ハスラム(Stiggy Motorsport AB)はリタイア/7位と、それぞれポイントを獲得した。
今季初のフロントローとなる3番手から決勝に挑んだ清成は、2レース連続で3位表彰台に立った。第1レースは、1コーナーの混戦で大きく順位を落としオープニングラップ16番手と苦しい出だしとなったが、周回を重ねるごとにぐいぐいとポジションを上げるすばらしい快走で、最終ラップ4番手でチェッカーを受けた。その後、3位でフィニッシュしたマックス・ビアッジ(アプリリア)が、シケイン不通過のために20秒のペナルティを科され、清成が3位に昇格。今季初の表彰台に立った。
第2レースは、フロントローからまずまずのスタートを切ってオープニングラップ5番手につける。その後、ファブリッツォ、レイとセカンドグループを形成。終盤はファブリッツォとし烈な2位争いを繰り広げたが、惜しくも3位に終わった。しかし、2レース連続で表彰台に立ち、総合ランキングでも15位から10位へと一気に順位を上げた。
6番グリッドから決勝に挑んだレイは、両レースともに表彰台まであと一歩と迫る5位/4位でチェッカーを受けた。第1レースは、オープニングラップ11番手と混戦にもまれたが、5位までばん回。第2レースは清成、ファブリッツォと2位争いに加わる好走をみせたが、終盤ペースが上がらず4位だった。
予選9番手のチェカは、今大会を通じてチャターに苦しみ、両レースともに不完全燃焼の走りとなり、9位/10位に終わった。前戦オランダ大会で、両レースで表彰台に立ったハスラムも、今大会は不完全燃焼の大会となった。予選では思うようにタイムを上げられず17番グリッド。厳しいポジションから挑んだ第1レースは、9番手までポジションを上げたが、トラブルのためにリタイア。第2レースでは後方の集団を抜け出し、しぶとく順位を上げて7位でチェッカーを受けた。
今大会は、第1レースのスタート直後に、1コーナーで5台による多重クラッシュが発生。およそ1時間遅れで再スタートが切られた。この多重クラッシュで、マックス・ノイキルヒナー(スズキ)と玉田誠(カワサキ)、ブレンダン・ロバーツ(ドゥカティ)の3選手が負傷し、レースを欠場した。
スーパースポーツは、カル・クロッチロー(ヤマハ)が優勝。ホアン・ラスコルツ(カワサキ)2位。ファビアン・フォーレ(ヤマハ)3位という結果だった。ユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)は、この3台とトップグループを形成。終盤に、ラスコルツ、フォーレとし烈な2位争いを繰り広げたが、わずかに届かず4位に終わった。以下、CBR600RR勢は、アンドリュー・ピット(HANNspree Ten Kate Honda)5位、ケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)9位と厳しい戦いを強いられた。
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
1 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 18 | 31:50.758 |
2 | 芳賀紀行 | ドゥカティ | 18 | +0.239 |
3 | 清成龍一 | Honda | 18 | +8.175 |
4 | 加賀山就臣 | スズキ | 18 | +11.001 |
5 | ジョナサン・レイ | Honda | 18 | +12.447 |
6 | T.サイクス | ヤマハ | 18 | +13.693 |
9 | カルロス・チェカ | Honda | 18 | +26.930 |
18 | J.ゼンケ | Honda | 18 | +48.888 |
20 | トミー・ヒル | Honda | 18 | +51.706 |
21 | V.イアンヌッツォ | Honda | 18 | +55.510 |
RT | レオン・ハスラム | Honda | 17 | +1Lap |
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
1 | B.スピーズ | ヤマハ | 18 | 31:49.252 |
2 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 18 | +2.665 |
3 | 清成龍一 | Honda | 18 | +2.810 |
4 | ジョナサン・レイ | Honda | 18 | +7.706 |
5 | M.ビアッジ | アプリリア | 18 | +7.863 |
6 | T.サイクス | ヤマハ | 18 | +10.383 |
7 | レオン・ハスラム | Honda | 18 | +11.586 |
10 | カルロス・チェカ | Honda | 18 | +22.261 |
16 | トミー・ヒル | Honda | 18 | +43.825 |
20 | J.ゼンケ | Honda | 18 | +1:28.545 |
RT | V.イアンヌッツォ | Honda | 5 | +13Laps |
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
1 | C.クロッチロー | ヤマハ | 16 | 29:34.605 |
2 | J.ラスコルツ | カワサキ | 16 | +2.660 |
3 | F.フォーレ | ヤマハ | 16 | +2.716 |
4 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | 16 | +2.780 |
5 | アンドリュー・ピット | Honda | 16 | +9.270 |
6 | 藤原克昭 | カワサキ | 16 | +9.332 |
9 | ケナン・ソフォーグル | Honda | 16 | +22.681 |
12 | ミゲル・プライア | Honda | 16 | +32.236 |
14 | ジャンルカ・ビジエロ | Honda | 16 | +33.216 |
16 | マシュー・ラグリブ | Honda | 16 | +37.937 |
18 | J.ギュンター | Honda | 16 | +44.860 |
19 | D.デロモ | Honda | 16 | +56.772 |
20 | A.ボス | Honda | 16 | +1:13.876 |
21 | F.ライ | Honda | 16 | +1:14.344 |
RT | M.ロッコリ | Honda | 15 | +1Lap |
RT | R.ホーランド | Honda | 13 | +3Laps |
RT | マーク・エイチソン | Honda | 10 | +6Laps |
RT | アンソニー・ウェスト | Honda | 2 | +14Laps |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
1 | 芳賀紀行 | ドゥカティ | 200 |
2 | B.スピーズ | ヤマハ | 146 |
3 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 125 |
4 | レオン・ハスラム | Honda | 103 |
5 | T.サイクス | ヤマハ | 90 |
6 | M.ビアッジ | アプリリア | 81 |
8 | ジョナサン・レイ | Honda | 77 |
10 | 清成龍一 | Honda | 65 |
12 | カルロス・チェカ | Honda | 53 |
19 | ジョン・ホプキンス | Honda | 9 |
20 | トミー・ヒル | Honda | 6 |
23 | ロベルト・ロルフォ | Honda | 3 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
1 | ドゥカティ | 225 |
2 | ヤマハ | 180 |
3 | Honda | 141 |
4 | スズキ | 89 |
5 | アプリリア | 84 |
6 | BMW | 59 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
1 | C.クロッチロー | ヤマハ | 99 |
2 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | 81 |
3 | ケナン・ソフォーグル | Honda | 72 |
4 | アンドリュー・ピット | Honda | 54 |
5 | アンソニー・ウェスト | Honda | 52 |
6 | J.ラスコルツ | カワサキ | 47 |
8 | マーク・エイチソン | Honda | 34 |
11 | マシュー・ラグリブ | Honda | 25 |
13 | R.ハームス | Honda | 23 |
15 | M.ロッコリ | Honda | 20 |
17 | ジャンルカ・ビジエロ | Honda | 9 |
18 | ミゲル・プライア | Honda | 8 |
20 | P.ボスタレク | Honda | 5 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
1 | Honda | 108 |
2 | ヤマハ | 99 |
3 | カワサキ | 58 |
4 | スズキ | 28 |
5 | トライアンフ | 27 |
コメント
清成龍一(スーパーバイク 3位/3位)
「第1レースは1コーナーの混戦の中で大きく順位を落とした。1周目で16番手だったので、全力で追い上げた。最終的に4番手でチェッカーを受けたが、その後、3位だといわれてビックリした。第2レースはスタートはよかったのだが、スピーズに離されてしまった。それからはファブリッツォと2位争いになったのだが、ブレーキングで離される苦しい戦いだった。今回はエンジンが速かったのでついていけたが、もう少しブレーキで突っ込めたら2位になれたと思う。優勝はできなかったが、今年になって初めての表彰台なのでうれしかった」
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 5位/4位)
「第1レースは序盤にラコーニ(ドゥカティ)にひっかかり、その間に前のグループに離されてしまった。そして燃料が軽くなったレース終盤は、チャターが出てペースを上げられなかった。第2レースは、いいスタートが切れた。キヨ(清成)とファブリッツォについていこうと思ったが、終盤にペースが上げられず離されてしまった。しかし、2レース総合では今年になって一番いいリザルトだったし、トップグループが見えるところで走れたのはよかった。表彰台には届かなかったが、チームががんばってくれたおかげ。次のレースではさらにいいリザルトを目指したい」
カルロス・チェカ(スーパーバイク 9位/10位)
「今日は2レースともに、同じ問題に苦しんでしまった。コーナーの入口と出口でチャターがひどく、とくに進入で苦しかった。第2レースでは少し改善されたが、ペースを上げられなかった。スタートは悪くなかった。トップグループ、セカンドグループからじりじり遅れた。原因が何なのかチェックして、次の南アフリカではいいレースをしたい」
ユージェーヌ・ラバティ(スーパースポーツ 4位)
「最終ラップで前の2人を抜けると思っていたので、 4位に終わり残念だった。今日は厳しいレースだった。フロントタイヤのフィーリングが完全ではなく、ブレーキングが甘かった。特に最終コーナーではイン側にラインが取れず苦しかった。しかし、予選より速いペースで走れたことはうれしい。セッティングの変更がうまくいった。トップグループの中で、フォーレはどこでも前に出たがるので、カル(クロッチロー)を逃がしてしまった。カルとのポイント差が開いてしまったので、次のレースでは差を縮めたい」