スーパーバイク世界選手権第4戦、オランダ大会決勝は、今季初のフロントロー3番グリッドを獲得したレオン・ハスラム(Stiggy Motorsport AB)が、第1レースで3位、第2レースで2位とすばらしい走りを見せた。優勝したのは第1レースがベン・スピーズ(ヤマハ)。第2レースは芳賀紀行(ドゥカティ)だった。
以下、CBR1000RR勢は、ジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)が7位/5位。カルロス・チェカ(HANNspree Ten Kate Honda)はリタイア/7位。清成龍一(Ten Kate Honda Racing)は15位/リタイアと悔しい結果に終わった。
今大会は、両レースともにフロントローからスタートしたスピーズと芳賀、そしてハスラムの3人による優勝争いとなった。第1レースは終盤トップに立った芳賀を、最終ラップにスピーズが逆転して優勝。序盤で5番手と出遅れたハスラムは、中盤で3番手に浮上し、スピーズと芳賀を追撃する形でチェッカーを受けた。第2レースでも序盤にやや出遅れたハスラムだが、スピーズが転倒し、トップを快走する芳賀を追って2位でチェッカーを受けた。
開幕戦オーストラリア大会に続き、今季2回目、3回目の表彰台を獲得したハスラムは、これで総合3位に浮上した。
そのほかのCBR1000RR勢は今大会、厳しい戦いを強いられた。Ten Kate Hondaから参戦する3選手は、チームのホーム大会で表彰台に立てなかった。予選11番手のレイは、序盤の混戦から抜け出すのにやや時間がかかり7位/5位。チェカは第1レースで転倒を喫しリタイア。雪辱に燃えた第2レースもチャターに苦しんで7位だった。清成は第1レース15位。第2レースはすばらしい追い上げを見せたが、トラブルのためにリタイアと不完全燃焼の一日となった。
スーパースポーツは、今季2回目のフロントローとなる4番グリッドからスタートしたユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)が、カル・クロッチロー(ヤマハ)、ホアン・ラスコルツ(カワサキ)とのし烈な戦いを制し、今季2勝目を達成した。表彰台に立った3選手の差はわずか0.178秒。壮絶な優勝争いは、アッセンに集まったファンを喜ばせた。予選3番手のケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)は5位。ディフェンディングチャンピオンのアンドリュー・ピット(HANNspree Ten Kate Honda)は転倒リタイアに終わった。
4戦を終えて、総合首位はクロッチロー。今季2勝目を挙げたラバティが6点差で2位に浮上。ソフォーグルが9点差で3位。以下、アンソニー・ウェスト(Stiggy Motorsports AB)が4位、ピット5位とCBR600RR勢が上位につけている。
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
1 | B.スピーズ | ヤマハ | 22 | 36:31.338 |
2 | 芳賀紀行 | ドゥカティ | 22 | +0.154 |
3 | レオン・ハスラム | Honda | 22 | +0.779 |
4 | T.サイクス | ヤマハ | 22 | +8.775 |
5 | M.ビアッジ | アプリリア | 22 | +11.275 |
6 | J.シュムルツ | ドゥカティ | 22 | +16.126 |
7 | ジョナサン・レイ | Honda | 22 | +19.555 |
15 | 清成龍一 | Honda | 22 | +41.505 |
RT | V.イアンヌッツォ | Honda | 13 | +9Laps |
RT | カルロス・チェカ | Honda | 4 | +18Laps |
RT | トミー・ヒル | Honda | 0 | - |
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
1 | 芳賀紀行 | ドゥカティ | 22 | 36:31.712 |
2 | レオン・ハスラム | Honda | 22 | +2.678 |
3 | J.シュムルツ | ドゥカティ | 22 | +4.603 |
4 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 22 | +8.981 |
5 | ジョナサン・レイ | Honda | 22 | +12.104 |
6 | T.サイクス | ヤマハ | 22 | +14.575 |
7 | カルロス・チェカ | Honda | 22 | +17.449 |
RT | トミー・ヒル | Honda | 20 | +2Laps |
RT | 清成龍一 | Honda | 7 | +15Laps |
RT | V.イアンヌッツォ | Honda | 1 | +21Laps |
順位 | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
1 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | 21 | 35:45.160 |
2 | C.クロッチロー | ヤマハ | 21 | +0.107 |
3 | J.ラスコルツ | カワサキ | 21 | +0.178 |
4 | F.フォーレ | ヤマハ | 21 | +1.777 |
5 | ケナン・ソフォーグル | Honda | 21 | +1.901 |
6 | マーク・エイチソン | Honda | 21 | +5.492 |
7 | アンソニー・ウェスト | Honda | 21 | +12.551 |
9 | R.ハームス | Honda | 21 | +13.567 |
11 | P.ボスタレク | Honda | 21 | +24.316 |
13 | M.ロッコリ | Honda | 21 | +26.255 |
16 | A.ボス | Honda | 21 | +52.814 |
17 | R.ホーランド | Honda | 21 | +52.959 |
18 | D.デロモ | Honda | 21 | +58.793 |
21 | F.ライ | Honda | 21 | +1:08.111 |
RT | ミゲル・プライア | Honda | 16 | +5Laps |
RT | アンドリュー・ピット | Honda | 15 | +6Laps |
RT | ジャンルカ・ビジエロ | Honda | 14 | +7Laps |
RT | J.ギュンター | Honda | 10 | +11Laps |
RT | マシュー・ラグリブ | Honda | 4 | +17Laps |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
1 | 芳賀紀行 | ドゥカティ | 180 |
2 | B.スピーズ | ヤマハ | 120 |
3 | レオン・ハスラム | Honda | 94 |
4 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 80 |
5 | M.ノイキルヒナー | スズキ | 75 |
6 | T.サイクス | ヤマハ | 70 |
9 | ジョナサン・レイ | Honda | 53 |
11 | カルロス・チェカ | Honda | 40 |
15 | 清成龍一 | Honda | 33 |
18 | ジョン・ホプキンス | Honda | 9 |
20 | トミー・ヒル | Honda | 6 |
23 | ロベルト・ロルフォ | Honda | 3 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
1 | ドゥカティ | 180 |
2 | ヤマハ | 145 |
3 | Honda | 109 |
4 | スズキ | 76 |
5 | アプリリア | 68 |
6 | BMW | 43 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
1 | C.クロッチロー | ヤマハ | 74 |
2 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | 68 |
3 | ケナン・ソフォーグル | Honda | 65 |
4 | アンソニー・ウェスト | Honda | 52 |
5 | アンドリュー・ピット | Honda | 43 |
6 | マーク・エイチソン | Honda | 34 |
9 | マシュー・ラグリブ | Honda | 25 |
12 | R.ハームス | Honda | 23 |
13 | M.ロッコリ | Honda | 20 |
17 | ジャンルカ・ビジエロ | Honda | 7 |
18 | P.ボスタレク | Honda | 5 |
19 | ミゲル・プライア | Honda | 4 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
1 | Honda | 95 |
2 | ヤマハ | 74 |
3 | カワサキ | 38 |
4 | スズキ | 25 |
5 | トライアンフ | 19 |
コメント
レオン・ハスラム(スーパーバイク 3位/2位)
「両レースともにオープニングラップでやや遅れてしまったが、その後は順調だった。第1レースは芳賀を追いかけた。第2レースはファブリッツォ(ドゥカティ)を抜いてから芳賀を追った。開幕戦オーストラリアの表彰台に比べると、今回は優勝が見えていたし内容もよかった。すばらしいバイクに仕上げてくれたチームに感謝したい」
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 7位/5位)
「前回のバレンシアよりリザルトはよかったが、決して満足のいくものではない。開幕戦からいくつかの課題を抱えているが、今回もそれを解消できなかった。それでも今回は、確実にいい方向に向かっていることを感じた。今日はスタートがあまりよくなかったことから、厳しいレースにしてしまった。レオン(ハスラム)が2レースともに優勝争いに加わった。次のイタリアでは自分も優勝争いに加わりたい」
清成龍一(スーパーバイク 15位/リタイア)
「金曜日、土曜日といい感じで走れていたのだが、土曜日のフリー走行で転倒してからリズムが崩れた。特にフロントのセッティングが決まらず、攻めの走りができなかった。それでも第2レースはいい走りができた。どんどん追い上げることができたのだが、トラブルが出てしまった。アッセンは苦手なサーキットだが、その苦手意識を払拭することができた。しかし、前回のスペインと同じで、初日の好調を2日目、決勝につなげられなかったのは残念だった」
ユージェーヌ・ラバティ(スーパースポーツ 優勝)
「これまでのレースの中で最高の優勝だった。厳しいレースだったが、最初にチェッカーを受けることができた。チャンピオンシップでも2位になれて、点差も縮まった。とにかく、最後までどうなるかわかならなかった。そんな厳しいレースで勝てたことが本当にうれしい。チームに感謝したい」