スーパーバイク世界選手権第4戦オランダ大会は、前戦までと同様に大接戦となった。予選では、トップタイムをマークしたレジス・ラコーニ(ドゥカティ)から1秒以内に14台。スーパーポールに進出するトップと20番手との差が1.333秒という厳しさだった。
その中で、チームの地元大会に闘志を燃やす3選手がまずまずの走りを見せた。清成龍一(Ten Kate Honda Racing)6番手、カルロス・チェカ(HANNspree Ten Kate Honda)9番手、ジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)11番手。以下、レオン・ハスラム(Stiggy Motorsport AB)12番手、トミー・ヒル(HANNspree Honda Althea)20番手と、5台のCBR1000RRがスーパーポール進出を果たした。
初日9番手、2日目6番手と順調にタイムを刻んできた清成。今大会は、スーパーポールで最終ステージへの進出に闘志を燃やした。しかし、スーパーポールの直前に行われたフリー走行で痛恨の転倒を喫し、スペアバイクで挑まねばならず、今大会も最終ステージ進出を逃し、16番手に終わった。
レイも予選の転倒の影響で最終ステージ進出を逃し11番手。開幕から3戦連続で最終ステージに残ってきたチェカが今大会も最終ステージ進出を果たし7番グリッドを獲得した。予選12番手のハスラムが、予選12番手からスーパーポールでも快調にラップを刻み、今季初フロントローとなる3番手を獲得した。PPを獲得したのはベン・スピーズ(ヤマハ)で、開幕から4戦連続。芳賀紀行(ドゥカティ)が4番手だった。
スーパースポーツは、カル・クロッチロー(ヤマハ)が2戦連続PPを獲得。2番手にホアン・ラスコルツ(カワサキ)。3番手にはチームの地元大会に闘志満々のケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)が今季3回目のフロントロー獲得となる3番手。4番手にユージェーヌ・ラバティ(Parkalgar Honda)と2台のCBR600RR勢が並んだ。以下、8番手にアンソニー・ウェスト(Stiggy Motorsport AB)。9番手にロビン・ハームス(Honda)。ディフェンディングチャンピオンで、ソフォーグル同様、チームの地元大会に気合を入れるアンドリュー・ピット(HANNspree Ten Kate Honda)が10番手とトップ10に5台のCBR600RR勢が名を連ねた。
順位 | ライダー | マシン | タイム | |
1 | B.スピーズ | ヤマハ | 1:37.626 | |
2 | J.シュムルツ | ドゥカティ | 1:37.765 | |
3 | レオン・ハスラム | Honda | 1:38.072 | |
4 | 芳賀紀行 | ドゥカティ | 1:38.202 | |
5 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 1:38.215 | |
6 | M.ノイキルヒナー | スズキ | 1:38.353 | |
7 | カルロス・チェカ | Honda | 1:38.640 | |
11 | ジョナサン・レイ | Honda | 1:38.510 | |
16 | 清成龍一 | Honda | 1:39.079 | |
17 | トミー・ヒル | Honda | 1:39.387 | |
24 | V.イアンヌッツォ | Honda | 1:41.014 |
順位 | ライダー | マシン | タイム/差 | |
1 | C.クロッチロー | ヤマハ | 1:40.313 | |
2 | J.ラスコルツ | カワサキ | +0.535 | |
3 | ケナン・ソフォーグル | Honda | +0.685 | |
4 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | +0.689 | |
5 | F.フォーレ | ヤマハ | +0.817 | |
6 | G.マッコイ | トライアンフ | +1.099 | |
8 | アンソニー・ウェスト | Honda | +1.183 | |
9 | R.ハームス | Honda | +1.253 | |
10 | アンドリュー・ピット | Honda | +1.340 | |
12 | マーク・エイチソン | Honda | +1.481 | |
13 | M.ロッコリ | Honda | +1.545 | |
14 | マシュー・ラグリブ | Honda | +1.585 | |
16 | ミゲル・プライア | Honda | +1.739 | |
17 | P.ボスタレク | Honda | +1.780 | |
18 | ジャンルカ・ビジエロ | Honda | +2.041 | |
20 | A.ボス | Honda | +2.240 | |
21 | R.ホーランド | Honda | +2.292 | |
22 | D.デロモ | Honda | +2.350 | |
23 | J.ギュンター | Honda | +2.479 | |
25 | F.ライ | Honda | +3.001 |
コメント
レオン・ハスラム(スーパーバイク 3番手)
「今季初のフロントロー。Hondaチームでトップ。自分にとってもチームにとっても最高の結果だった。決勝は2レースともに表彰台を狙いたい。今年はスーパーポールで満足のいくアタックができなかった。でも、決勝では必ず、グリッドの数字より前でフィニッシュできていたからね。今回もグリッドより小さな数字でチェッカーを受けられたら最高だ」
カルロス・チェカ(スーパーバイク 7番手)
「ベースのセッティングがよいので、セットアップも順調に進んだ。レースに向けてのロングランでも、去年の自分のタイムより0.6〜0.7秒速く走ることができた。開幕戦から抱えているチャターの問題、コーナーの進入の安定性、リアのトラクション不足など、いくつかの課題はあるけれど、セッティングの範囲でよくできると思う。2列目からよいスタートを切って、いいレースにしたい」
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 11番手)
「オイルなのか、それとも路面が汚れていたのか分からないが、午前中の予選で転倒した。その影響で午後のフリー走行にバイクを間に合わせるのがやっとだった。それでもフリー走行では2番手タイム。スーパーポールに向けて自信はあったのだが、SP2で電気系のトラブルが出てSP3への進出を逃した。トラブルはあったがバイクの状態は悪くない。グリッドは3列目と決してよくないが、追い上げのレースにしたい」
清成龍一(スーパーバイク 16番手)
「スーパーポール直前のフリー走行で転倒したのがいけなかった。最終コーナーのシケインで、いつもより進入が速すぎて転んでしまった。スーパーポールまでに完全に修復できず、完ぺきな走りができなかった。そのためにスペアバイクでスーパーポールに挑んだが、同じセッティングになっていないので、自分の走りができなかった。なんとかSP1はクリアできたが、SP2ではアタックでミスをして16番手に終わってしまった。厳しいグリッドになったが追い上げのレースをしたい」
ケナン・ソフォーグル(スーパースポーツ 3番手)
「バックストレート以降の中速、高速コーナーでタイムをロスしている。それがそのまま前の2人との差になっている。今回もクロッチローと厳しい戦いになりそうだが、フロントローに並べたし、チームの地元なのでベストを尽くしたい」