スーパーバイク世界選手権第3戦スペイン大会は、予選トップのベン・スピーズ(ヤマハ)から1秒差以内に20台という大接戦となった。その厳しい戦いの中で、CBR1000RR勢5台が、上位20台で争われるスーパーポール進出を果たした。スピーズがPPを獲得。CBR1000RR勢は、第3ステージ進出を果たしたジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)が7番手、カルロス・チェカ(HANNspree Ten Kate Honda)8番手、第2ステージに残った清成龍一(Ten Kate Honda Racing)が9番手、レオン・ハスラム(Stiggy Motorsport AB)10番手、そして今大会からスーパーバイクに参戦のジョン・ホプキンス(Stiggy Motorsport AB)が16番手だった。
バレンシアは、金曜日、土曜日ともに快晴に恵まれた。路面コンディションもよく、初日から好タイムが続出、セッションごとに大きくポジションが入れ替わった。
初日のフリー走行でトップタイムをマークし、地元スペインで絶好のスタートを切ったチェカは、1回目15番手、2日目に行われた2回目の予選で14番手につけて、スーパーポールに進出。上位20台で行われる第1ステージではトップタイムをマーク。上位16台で繰り広げられた第2ステージで8番手、第3ステージで8番手だった。
初日のフリー走行で14番手のレイは、初日の予選で9番手。2日目2回目の予選で13番手にポジションを落とすも、スーパーポールでは、第1ステージ、第2ステージで着実にポジションを上げ、第3ステージで7番手と、CBR1000RR勢最上位で2列目を獲得した。
清成は、初日のフリー走行で4番手とまずまずのスタートを切った。そして、初日の予選で10番手。2日目2回目の予選で8番手に浮上と、ロングランでは高いアベレージを刻んだが、スーパーポール第1ステージは16番手、第2ステージは9番手と、惜しくも第3ステージ進出を逃して3列目グリッドが確定した。
以下、予選19番手から決勝に挑んだハスラムが、第1ステージで10番手、第2ステージ10番手で、清成とともに3列目から決勝に挑む。今大会からスーパーバイク世界選手権に参戦するホプキンスは、予選20番手から、スーパーポール第1ステージをクリア、第2ステージで16番手。デビュー戦を4列目から挑むことになった。
今大会からスーパーバイク世界選手権は、世界同時不況による経費削減のために、金曜日午前中のスケジュールが廃止された。午後にフリー走行と予選を行い、これまで通りの走行時間枠はキープされた。
スーパースポーツは、金曜日の走行がフリー走行のみの1回。土曜日に2回目のフリー走行と予選を行う方式に変更となった。
初日のフリー走行でトップタイムをマークしたのは地元スペインのホアン・ラスコルツ(カワサキ)。以下、カル・クラッチロー(ヤマハ)、藤原克昭(カワサキ)と続き、CBR600RR勢は、ケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)4番手、マシュー・ラグリブ(HANNspree Honda Althea)6番手、アンソニー・ウェスト(Stiggy Motorsport AB)8番手、ディフェンディングチャンピオンのアンドリュー・ピット(HANNspree Ten Kate Honda)10番手。2日目2回目のフリー走行では、ウェストが3番手と好調な走りを見せ、ラグリブ4番手、ソフォーグル8番手、ピット12番手。今大会からソフォーグルとピット、ウェストには、ニューモデルとなったCBR600RRが投入された。
予選では、クロッチロー(ヤマハ)がPPを獲得。CBR600RR勢は、ウェストが3番手でフロントローを獲得するも、新型CBR600RRに乗るピット9番手、ソフォーグル11番手と思うようにタイムを伸ばせなかった。しかし、セッションをこなすごとにセットアップが進んでいるだけに、決勝での巻き返しのレースに期待が集まる。
順位 | ライダー | マシン | タイム | |
1 | B.スピーズ | ヤマハ | 1:33.270 | |
2 | R.ラコーニ | ドゥカティ | 1:33.955 | |
3 | 芳賀紀行 | ドゥカティ | 1:34.082 | |
4 | M.ファブリッツォ | ドゥカティ | 1:34.259 | |
5 | 加賀山就臣 | スズキ | 1:34.755 | |
6 | M.ノイキルヒナー | スズキ | 1:34.903 | |
7 | ジョナサン・レイ | Honda | 1:35.056 | |
8 | カルロス・チェカ | Honda | 1:35.346 | |
9 | 清成龍一 | Honda | 1:34.536 | |
10 | レオン・ハスラム | Honda | 1:34.655 | |
16 | ジョン・ホプキンス | Honda | 1:35.251 | |
22 | トミー・ヒル | Honda | 1:35.890 | |
28 | V.イアンヌッツォ | Honda | 1:36.813 |
順位 | ライダー | マシン | タイム | |
1 | C.クロッチロー | ヤマハ | 1:35.865 | |
2 | J.ラスコルツ | カワサキ | 1:36.033 | |
3 | アンソニー・ウェスト | Honda | 1:36.664 | |
4 | 藤原克昭 | カワサキ | 1:36.754 | |
5 | M.ピロ | ヤマハ | 1:36.812 | |
6 | マーク・エイチソン | Honda | 1:36.910 | |
7 | マシュー・ラグリブ | Honda | 1:36.918 | |
9 | アンドリュー・ピット | Honda | 1:37.063 | |
10 | R.ハームス | Honda | 1:37.188 | |
11 | ケナン・ソフォーグル | Honda | 1:37.220 | |
13 | ユージェーヌ・ラバティ | Honda | 1:37.403 | |
14 | M.ロッコリ | Honda | 1:37.457 | |
16 | ジャンルカ・ビジエロ | Honda | 1:37.702 | |
19 | ミゲル・プライア | Honda | 1:37.984 | |
20 | R.ホーランド | Honda | 1:38.244 | |
21 | J.ギュンター | Honda | 1:38.245 | |
22 | D.デロモ | Honda | 1:38.334 | |
23 | P.ボスタレク | Honda | 1:38.512 | |
24 | A.ボス | Honda | 1:38.581 | |
26 | F.ライ | Honda | 1:38.935 |
コメント
ジョナサン・レイ(スーパーバイク 7番手)
「7位という結果に満足していないが、セッションを追うごとに確実にセットアップが進んだ。今日は第3ステージに進出するために第1ステージと第2ステージでは予選タイヤを使った。レースタイヤで挑んだ第3ステージでは、レースタイヤのベストを刻めてよかった。まだまだ完ぺきではないが、前回のカタールよりセットアップは決まっている。明日のレースでは、今年のベストリザルトを狙っていく」
カルロス・チェカ(スーパーバイク 8番手)
「第2ステージで転んでしまったが、それでも運よく第3ステージに進出することができてよかった。今回はベスト8に残り、2列目までを確保する作戦だった。その結果、第3ステージはレースタイヤで挑まなければならず8番手に終わったが、狙っていた通り、2列目から決勝に挑むことができてうれしい。昨年もここでいいレースができたし、地元のファンの前で表彰台に立てた。今年もファンの期待に応えたい。レースタイヤでは信じられないくらいの接戦。決勝は厳しいレースになると思う」
清成龍一(スーパーバイク 9番手)
「今回は、走り出しのフィーリングがすごくよかったのだが、その後、思うようにタイムを伸ばせなかった。レースタイヤのアベレージも悪くないのだが、トップグループについていくには、もう少しアベレージを上げなくてはいけない。スーパーポールは、第1ステージで危うく落ちるところだった。今回は大接戦で、第1ステージから予選タイヤを使う選手が多く、危なかった。第2ステージでは予選タイヤでアタックしたとき、最終コーナーでミスをした。あれがなければ第3ステージに進めた。昨年も追い上げのレースをしたので、今年もいい走りを見せたい」
アンドリュー・ピット(スーパースポーツ 9番手)
「ニューバイクのデビュー戦ということで、セッティングに多くの時間が必要だ。エンジンのパフォーマンスには満足しているが、車体のセッティングがまだ完全ではなく、試行錯誤の状態のまま予選を終えてしまった。この2日間、いままで乗っていたバイクと同じような車体のフィーリングを出すために全力を尽くした。9番手というグリッドには満足していないが、走るごとにセッティングが出てきているので、決勝では追い上げたい」
ケナン・ソフォーグル(スーパースポーツ 11番手)
「今日の結果にはがっかりしている。しかし、ニューバイクの初レース、しかも走行時間が十分にない状態なのだから、この結果は仕方がない。まだまだ完全な状態ではないが、ポテンシャルの高さは十分に感じている。決勝では表彰台を目指し全力を尽くしたい」