フル参戦デビュー戦となるレイが3番手
CBR1000RR勢は4台がトップ10入り

2009年2月27日(金)、28日(土)
予選
会場:フィリップアイランド
天候:曇り/晴れ
コースコンディション:ドライ

スーパーバイク世界選手権(SB)の開幕戦オーストラリア大会が、メルボルン近郊のフィリップアイランドで開催された。初日は33℃の猛暑となり厳しいコンディション。2日目は最高気温が23℃、雲が多かったため路面温度もそれほど上がらず、白熱したアタック合戦が繰り広げられた。

今年から予選方式が変更になった。昨年までは2日間で2回の予選を行い、上位16台がスーパーポールに進出、1台ずつのタイムアタックでグリッドを決めていた。今年は予選上位20番手までがスーパーポールに進出し、1回目のステージで20台から16台へ、2回目のステージで8人の選手が振り落とされるというノックダウン方式が採用された。

初の試みとなったスーパーポール。1セッション12分でインターバル7分というリズミカルなテンポでスケジュールは進行する。失敗の許されない緊張した12分間の戦い。CBR1000RR勢は6選手が出場、3選手が第3ステージに進出し、ジョナサン・レイ(HANNspree Ten Kate Honda)が3番手でフロントロー。レオン・ハスラム(Stiggy Motorsport AB)が6番手、カルロス・チェカ(HANNspree Ten Kate Honda)7番手で2列目を獲得した。清成龍一(Ten Kate Honda Racing)は第2ステージで10番手、最終ステージに進出を果たせずグリッドが確定。ロベルト・ロルフォ(Stiggy Motorsport AB)18番手、トミー・ヒル(HANNspree Honda Althea)は20番手だった。

予選第2セッションまでで総合首位と好調な走りを見せたレイは、スーパーポール第1ステージをトップで通過、第2ステージ4番手、第3ステージで3番手のタイムをマークしてフロントローを獲得した。新方式のスーパーポールは、3セッションで予選タイヤを2本使えるというルール。選手とチームにとっては、すべてが試行錯誤となったが、レイは好調をキープして手堅く乗りきった。昨年はスーパースポーツ世界選手権に出場して総合2位。昨シーズンの最終戦からSBにスイッチしたが、フル参戦のデビュー戦でフロントロー獲得と順調なスタートとなった。

予選12番手のハスラムは、第1ステージ12番手、第2ステージで3番手に浮上、第3ステージで最終的に6番グリッドへとポジションを上げた。開幕前にフィリップアイランドで行われた合同テストで転倒、肩を痛めているチェカは、予選で17番手と厳しい走りを強いられたが、短期決戦のスーパーポールでは7番手まで浮上することに成功した。

フル参戦2年目となる清成は、予選11番手から第1ステージ4番手と好調なスタートを切るも、第2ステージでは予選タイヤでのアタックに失敗して惜しくも10番手。ファイナルステージへの進出を逃した。しかし、予選、フリー走行と、決勝に向けてのロングランを入念に行っており仕上がりは上々。得意とする追い上げのレースで上位を狙う意気込みだ。

今回の予選は、2日間2回の総合タイムで、トップのレイからスーパーポール進出となる20番手までが1秒差以内という大接戦。スーパーポールでも、1分31秒台の好タイムを14人の選手がマークするレベルの高い戦いとなった。

ほかの日本人勢は、中野真矢(アプリリア)が9番手、加賀山就臣(スズキ)11番手、芳賀紀行(ドゥカティ)13番手、玉田誠(カワサキ)22番手だった。

スーパースポーツ(SS)は、一昨年のチャンピオンで2年ぶりに同クラスに復帰のケナン・ソフォーグル(HANNspree Ten Kate Honda)がPPを獲得。2番手にホアン・ラスコルツ(カワサキ)。昨年のチャンピオンで地元のアンドリュー・ピット(HANNspree Ten Kate Honda)は3番手と、2年連続地元Vに向けて好グリッドを獲得した。藤原克昭(カワサキ)は16番手だった。

コメント

ジョナサン・レイ(スーパーバイク 3番手)

「PPを取れなくて残念だった。でも、シーズン最初のレースでフロントローに並べてうれしい。新しいスタイルのスーパーポールは、かなりエキサイティングだった。31秒台に入った選手が多いことにも驚いた。本当にレベルの高い予選だった。正直、レースも厳しい戦いになると思う。おそらく、タイヤが消耗してくる終盤の戦いが、カギを握ることになる。そのときにペースをなるべく落とさず逃げられるようにしなければいけない」

清成龍一(スーパーバイク 10番手)

「最初のセッションはうまくいった。2回目は予選タイヤのアタックに失敗したが、レース用タイヤで31秒台が出せたので大丈夫だろうと思った。終わってみたら10番手。悔しかった。予選タイヤのアタックに失敗したのがすべてだった。新しい方式のスーパーポールは、何回もアタックできるのはうれしいが、セッションが細切れに続く感じで、集中するのが難しいように感じた。今回は3列目からのスタートになってしまったが、レースに向けてのセッティングはそれほど悪くないと思う。いいスタートを切ってトップグループで戦いたい」

ケナン・ソフォーグル(スーパースポーツ ポールポジション)

「今回はフロントローに並べればいいと思っていた。とにかく決勝に向けて高いアベレージで走れるようにバイクのセットアップに集中していたからね。結果的にPPを取ることができて本当にうれしい。明日は厳しいレースになるのは間違いない。タイヤがどこまで持つのかもわからない。しかし、表彰台と優勝を目指し、全力を尽くしたい」

予選リザルト

スーパーバイク

順位 ライダー マシン タイム
1B.スピーズヤマハ1:31.069
2M.ビアッジアプリリア1:31.402
3ジョナサン・レイHonda1:31.596
4J.シュムルツドゥカティ1:31.600
5M.ファブリッツォドゥカティ1:31.837
6レオン・ハスラムHonda1:32.112
7カルロス・チェカHonda1:32.537
10清成龍一Honda1:31.860
18ロベルト・ロルフォHonda1:32.997
20トミー・ヒルHonda1:33.363
27V.イアンヌッツォHonda1:35.767

スーパースポーツ

順位 ライダー マシン タイム/差
1ケナン・ソフォーグルHonda1:34.320
2J.ラスコルツカワサキ+0.369
3アンドリュー・ピットHonda+0.466
4C.クロッチローヤマハ+0.555
5ユージェーヌ・ラバティHonda+0.642
6F.フォーレヤマハ+0.743
9マーク・エイチソンHonda+0.943
11R.ハームスHonda+1.146
12アンソニー・ウェストHonda+1.265
14ミゲル・プライアHonda+1.360
15マシュー・ラグリブHonda+1.475
17ジャンルカ・ビジエロHonda+1.551
18M.ロッコリHonda+1.708
21R.ホーランドHonda+2.059
23P.ボスタレクHonda+2.701
24D.デロモHonda+2.755
25J.ギュンターHonda+2.850
26A.ボスHonda+3.024
27F.ライ Honda+3.399