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FIT1.5チャレンジカップ

1年間で最高速度も大幅アップ! フィット鈴鹿勢、2年目の進化

FIT 1.5チャレンジカップ 本格的コンパクトレーシングカーの世界へようこそ

フィット1.5チャレンジカップ(フィット1.5CC)の鈴鹿サーキットラウンドは、開催レースによって国際レーシングコースと東コース、そして西コースを使い分けてシーズンを戦っている。

フィット1.5CCでは、夏の耐久併催レースと冬の最終戦で国際レーシングを使用している。国際レーシングコースは東コースと西コースを合わせ、F1などのビッグレースで使われる全長5.807qのフルコース。6月に開催されたフィット1.5CC第3戦は今シーズン初のフルコースレースであり、ここで2年目の熟成度合いをチェックした。

車高やバネレート、ダンパーの減衰力などを細かく調整して車両をセットアップしていくのはどのレースでも同じだが、フィットはN1規定に準じているため、ナンバー付き車両などに比べ、その調整幅が広い。車両、コース、そしてドライバーの好みやスタイルにいかにして合わせ込んでいくかが難しい部分であり、醍醐味になっている。

ちなみに鈴鹿はテクニカルな東コースとスピードレンジが高い西コースで性格が大きく異なる。両コースを走ることになるフルコースでは、どちらのコースに車両の性格を合わせるのかが焦点となる。一般的にはドライバーの腕だけでは合わせきれない東コースに車両のセッティングを合わせることが多い。

そんな国際レーシングコースを舞台に開催された第3戦と、昨年の第2戦、最終戦のポールポジションタイムとセクタータイム、最高速度と平均速度を比較してみた。それぞれドライバーや車両は異なるが、ライバル車もほぼ同じようなタイムで拮抗しているので、熟成度合いを見るための指針にはなるはずだ。

夏の2戦で比較してみると、フィットの熟成度合いがよく分かる。ラップタイムは2分36秒台から2分35秒台に約1秒弱アップ。セクタータイムも全体的にタイムアップしており、最高速度は5.8q/hも速くなった。なかには180q/hを超えている車両もある。エンジンのモディファイがほとんどできないなかでここまでスピードアップできたのは、足回りのセッティングが進み、旋回速度が向上したことを意味する。

昨年11月の最終戦のポールタイムと比べると約0.8秒タイムダウンするものの、気温の低い時期のエンジンパワーを考慮すれば当然といえば当然。ただ、最高速度については今年の第2戦の方がやや上回っている。これは熟成が進んでいる証拠だといえるだろう。

余談だが、今年第3戦の予選日は曇りで路面温度が想定よりも上がらなかったため、各チームとも「想定よりもラップタイムが伸びていない」というが、昨シーズン後半から各チームとも足回りのセッティングに力が入っており、その効果が確実に現れていることがタイムからも分かる。この調子でフィットの熟成が進んでいけば、今シーズンの最終戦でさらなるタイムアップが期待できそうだ。

鈴鹿フルコースのタイムに見る3代目フィットの熟成度合い

過去に開催された鈴鹿サーキットフルコースを使った3レースのポールポジションタイムを比較したのが下の表。1年前よりも飛躍的にタイムアップしているのは昨シーズン後半から各チームともサスペンションのセッティングに力を入れているため。今年第2戦のタイムが冬の最終と比べてもさほど落ちていないのも熟成が進んでいる証拠だといえるだろう。

鈴鹿サーキットフルコースのセッティングは東コースに合わせるのがセオリー。3代目フィットの場合はいかに跳ねさせないかが鍵になるという。

ラウンド No. ドライバー ベストタイム S1 S2 S3 最高速度 FIN 平均速度 コンディション
2015年第3戦(6/27) 70 ヒロボン 2'35.495 42.434 25.952 58.178 79.3km/h 28.931 139.4km/h 曇り
2014年第2戦(7/5) 25 見並秀文 2'36.322 42.915 26.010 58.477 173.6km/h 28.920 133.7km/h 晴れ
2014年最終戦(11/22) 1 芝谷純三 2'34.522 42.249 25.912 57.819 178.2km/h 28.542 135.3km/h 晴れ

東西フィットの使用アイテムをチェック

フィット1.5 チャレンジカップ第2戦 ツインリンクもてぎ

●6月14日  ●10周スプリント  ●1周4.80138km  ●トップ車両周回数=10Laps  ●出走台数:12台  ●天候:曇り  ●路面:ウェット

Pos. No. Driver Team/Car Type Lap Total Time Delay Best Lap
1 63 中村義彦 ATS・ED・ZEAL・STA・FIT GK5 10 25'23.404 - 2'30.455(3/10)
2 99 海老澤紳一 FUCHS・wm・versus・GK GK5 10 25'27.904 4.500 2'31.863(4/10)
3 62 塩谷烈州 G/MOTION’ WM FIT GK5 10 25'37.758 14.354 2'32.398(6/10)
4 2 神取彦一郎 Snap-onワコーズEDニルズ GK5 10 25'49.719 26.315 2'33.173(3/10)
5 250 江原弘美 日光NEXZAS GK5 GK5 10 25'49.928 26.524 2'33.037(5/10)
6 1 YASU DIJONワコーズED ニルズ GK5 10 25'52.240 28.836 2'32.591(10/10)
7(GE8 1) 75 寺岡 亮 SEEKER☆DXL☆ GE8 10 26'00.082 36.678 2'34.620(5/10)
8(GE8 2) 48 河村 翔 DIJONワコーズChar GE8 10 26'02.031 38.627 2'34.555(3/10)
9(GE8 3) 8 松永大祐 松永建設SEV拓磨DIJON GE8 10 26'02.670 39.266 2'34.430(7/10)
10(GE8 4) 72 江原謙輔 TeamKEKOファインドGE GE8 10 26'37.676 1'14.272 2'36.206(7/10)
11(GE8 5) 11 江原聖洋 Find21 Weds GE8 GE8 10 27'37.666 2'14.262 2'40.876(4/10)
12(GE8 6) 740 香川岳寛 TAC.Weds GE8 GE8 8 26'33.155 2Laps 2'35.160(7/8)

フィット1.5 チャレンジカップ第3戦 鈴鹿サーキット 国際レーシングコース

●6月27-28日  ●8周スプリント  ●1周5.807km  ●トップ車両周回数=8Laps  ●出走台数:12台  ●天候:晴れ  ●路面:ドライ

Pos. No. Driver Team/Car Type Lap Total Time Delay Best Lap
1 70 ヒロボン アンダーレNUTEC制動屋GPO東野R GK5 8 22'36.556 - 2'36.556(7/8)
2 30 窪田俊浩 HondaCars東京都☆セナルトFIT GK5 8 22'51.108 1.555 2'36.184(5/8)
3 1 芝谷純三 JOE48KoneアスプレイWM龍SPM GK5 8 22'51.720 2.167 2'36.434(4/8)
4 55 松本武士 BOLDウエストサンシャインT3R GK5 8 22'52.235 2.682 2'36.429(3/8)
5 11 丹羽和彦 HondaCars京都KYB FIT GK5 8 22'53.136 3.583 2'36.980(7/8)
6 7 森西秀雄 スガコー☆鈴鹿フォルム☆ディクセルFIT GK5 8 23'02.238 12.685 2'37.505(4/8)
7 22 寺西玲央 INOKI M2 BS FIT GK5 8 23'02.687 13.134 2'38.087(5/8)
8 18 桂田敏希 JMC Kビースト SSR ED GK5 8 23'02.919 13.366 2'38.017(8/8)
9 9 白髭雅永 A.C.E+Moty’S制動屋セナルト GK5 8 23'04.905 15.352 2'38.321(3/8)
10 25 伊藤俊哉 BRIDE&アイクレオ&K-oneFIT GK5 8 23'05.475 15.922 2'38.065(7/8)
11 54 古川潤一郎 HondaCars三重A-ONEFIT3 GK5 8 23'21.479 31.926 2'41.422(8/8)
R 37 坂田生弥 WM・レプソル・ENKEI・SRDFIT GK5 0 - 8Laps -