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FIT1.5チャレンジカップ

鈴鹿ともてぎで台数増加 フィットワンメイクレース 盛り上がりの予感

FIT 1.5チャレンジカップ 本格的コンパクトレーシングカーの世界へようこそ

『フィット1.5チャレンジカップ』(フィット1.5CC)2015年シーズンのトピックは、ツインリンクもてぎ/スポーツランドSUGOのシリーズがスタートしたということ。もてぎ/SUGOでは、昨年までほかの車種も参戦可能な『1.5チャレンジカップ』(1.5CC)として開催されてきたが、今年からはフィットのワンメイクとなったのだ。もてぎ/SUGOラウンドは5月9〜10日から10月25日開催までの全5戦。鈴鹿ラウンドは3月29日の開幕戦から12月5〜6日の第6戦まで開催される。

2015シーズンのフィット1.5CCのレギュレーションは昨年の実績をもとに見直された。一番の変化は3代目フィットのボディ補強禁止が明文化されたことだ。昨年、鈴鹿ではイニシャルコスト抑制のため、紳士協定的にボディ補強を自粛したが、今年はそれが正式なものとなった。またタイヤサイズも195/55R15に統一され、50タイヤは禁止となった。

これらの変更は3代目フィットの参戦イニシャル&ランニングコストを抑制することが目的で、これによってエントラントへの負担が減るため、より参戦しやすくなったといえるだろう。

初代フィット(GD3)、2代目フィット(GE8)についてはボディ補強が認められ、加速性能に効果をもたらす小径の195/50R15タイヤも使用可能。ECUの規制はなく、ガスケット交換も可能。マフラーは90dB以下ならば自由な選択が認められるなど、モディファイできる範囲が広い。

また今年は新たにGD3/GE8クラスの賞典を設け、3位までの入賞者にトロフィーが授与される。つまり初代フィット、2代目フィットで参戦するドライバー間でもレースを楽しむことができる。もてぎには昨年まで2代目フィットで1.5CCに参戦していたドライバーも多く、2代目フィットユーザーからも「2代目フィットを選ぶ価値がある」と好評だ。

シリーズ賞は総合順位のみとなるが、総合順位の対象にはGD3/GE8クラスも含まれており、3代目フィットに割って入ることも可能。事実もてぎの開幕戦において2代目フィットでクラス優勝した740号車の香川選手は総合でも3位入賞を果たしており、表彰台に2回登り、トロフィーもふたつ獲得している。

2代目フィットの魅力は3代目フィットよりもはるかに安い参戦コストにある。中古車も豊富に出回っており、150万円もあればレース参戦が可能で、ビギナーにも手を出しやすいという声が多い。またリビルドパーツの点でも中古エンジンなどが格安で豊富に出回っているので、ランニングコストも安い。これが7時間で争われるEnjoy耐久やシーズンオフのマシンメンテナンスで効いてくるという。

そして、もてぎの2代目フィット勢にとっては、最低重量規定が大きく変わった。昨年までの1.5CCはN1規定の最低重量が800sだったが、今年はフィット1.5CC規定が適用され、ドライバーと装備品を含めて990sとなり、重くなった。しかしエントラントは歓迎している。軽量化には非常にコストがかかるため、重量規定が緩く(重く)なれば、その分参戦コストも抑えることができる。しかもドライバー込みだから、ドライバーの体重がハンデにならない。

一方3代目フィットについても、新車価格180万円とリーズナブルなレース参戦専用の車両が台数限定で用意されており、およそ250万円のイニシャルコストで参戦することができる。この車両についてはM‐TECが窓口となっているので、レースに興味のあるエントラントは相談してみるといいだろう。

今シーズンのフィット1.5CCはパフォーマンスに勝る3代目フィットと、よりリーズナブルに白熱したバトルを楽しめる2代目フィットがうまく棲み分けされた。東西で規則も統一され、さらに自分の予算や目的に合わせてクラスを選ぶことができるようになり、より幅広い層からのエントリーを集めることになりそうだ。

もてぎラウンドの開幕戦は5月10日。

幕戦に出場した3代目フィットは5台だったが、現在制作中のマシンもあるとのことで、シーズン半ばには10台以上が揃うと予想される。

もてぎには2代目フィットが多く参加した。イニシャル&ランニングコストの低さも魅力だが、レースをする楽しさでは3代目フィットより上だという声も。

Hondaワンメイクレースの頂点フィット1.5CCの位置づけ

Hondaの参加型ワンメイクレースは多岐にわたる。CR-Zではライセンスなしで参加でき、段階を踏んでライセンスを取得していくCR-Zベーシックスクール&アドバンススクールを底辺に、ライセンス取得後に参加する燃費レースであるCR-ZEcoチャレンジ、CR-Z10リッターチャレンジを展開。また、街乗り車で参加できるナンバー付きワンメイクレースN-ONEオーナーズカップも。そしてN1規定マシンによるフィット1.5CCが、それらワンメイクレースの頂点に立つ。

Honda参加型レースのスキルレベル概要 (イメージ)

フィット1.5チャレンジカップ(赤)
開催場所:鈴鹿サーキット/ツインリンクもてぎ/スポーツランドSUGO
N-ONEオーナーズカップ(黄)
開催場所:鈴鹿サーキット/ツインリンクもてぎ/岡山国際サーキット/富士スピードウェイ/オートポリス/スポーツランドSUGO
Honda Sports & Eco Program(緑)
開催場所:鈴鹿サーキット/ツインリンクもてぎ

3代目フィットと2代目フィットをもてぎのセクタータイムで比較コーナリングスピードは2代目フィットの方が速い?

3代目フィットと2代目フィットそれぞれの予選トップマシンのセクタータイムを比較した。ラップタイムは3代目フィットが2分23秒118なのに対して2代目フィットが2分25秒599で、3代目フィットの101.73%という比率になる。

これを踏まえてセクターごとのタイム比率をみてみるとセクター1がほぼラップ全体と同率。セクター2とセクター4では差が詰まり、セクター3では差が広がっているのが分かる。セクター3は上り坂が続くのでパワーの差が出たのだろう。セクター4で計測される最高速度は6.4q/hも差があるが、タイム差はそれほど広がっていない。これは90度コーナーから最終コーナーにおいて2代目フィットのコーナリングスピードが速いからだと思われる。

3代目フィットと2代目フィットのセクタータイム

ツインリンクもてぎは4つのセクターに分かれ、スタートラインから4コーナー先までのセクター1、Sカーブ手前までのセクター2、ヘアピン立ち上がり後までのセクター3、そしてセクター4となる。ダウンヒルストレートエンドでは最高速が記録される。

フィット1.5 チャレンジカップ第1戦 鈴鹿サーキット 西コース

●3月29日  ●12周スプリント  ●1周3.475km  ●トップ車両周回数=12Laps  ●出走台数:9台  ●天候:晴れ  ●路面:ドライ

Pos. No. Driver Team/Car Type Lap Total Time Delay Best Lap
1 1 芝谷純三 JOE48KoneアスプレイWM龍SPM GK5 12 20'42.088 1'42.235(10/12)
2 30 窪田俊浩 HondaCars東京都☆セナルトFIT GK5 12 20'42.579 0.491 1'41.653(3/12)
3 37 坂田生弥 WM・レプソル・ENKEI・SRDFIT GK5 12 20'58.670 16.582 1'42.377(12/12)
4 25 伊藤俊哉 BRIDE&アイクレオFIT GK5 12 21'02.386 20.298 1'43.677(4/12)
5 9 白髭雅永 AUTOCRAFT・制動屋セナルトFIT GK5 12 21'02.588 20.500 1'43.208(4/12)
6 70 ヒロボン ウエストサンシャイン制動屋セナルト東野R GK5 12 21'17.312 35.224 1'40.351(7/12)
7 7 森西秀雄 モレキュールディクセル☆URSFIT GK5 12 21'18.031 35.943 1'43.207(8/12)
8 22 寺西玲央 INOKI M2 BS FIT GK5 12 21'20.874 38.786 1'44.203(12/12)
9 73 大串哲也 ホンダカーズ三重インターA-ONEFIT GK5 12 21'24.520 42.432 1'44.871(8/12)

フィット1.5 チャレンジカップ第1戦 ツインリンクもてぎ

●5月10日  ●10周スプリント  ●1周4.80138km  ●トップ車両周回数=10Laps  ●出走台数:12台  ●天候:晴れ  ●路面:ドライ

Pos. No. Driver Team/Car Type Lap Total Time Delay Best Lap
1 99 海老澤紳一 FUCHS・wm・versus・GK GK5 10 24'13.276 2'23.834(2/10)
2 2 井上恵一 復活?神取軍団ワコーズEDニルズ GK5 10 24'26.507 13.231 2'24.397(2/10)
3(GE8 1) 740 香川岳寛 TAC.Weds GE8 GE8 10 24'47.422 34.146 2'27.370(4/10)
4(GE8 2) 48 河村 翔 DIJONワコーズEDシャー18 GE8 10 24'52.430 39.154 2'27.020(3/10)
5(GE8 3) 11 江原聖洋 Find21 Weds GE8 GE8 10 25'00.834 47.558 2'27.890(4/10)
6(GE8 4) 40 小幡 弘 RCBウインマックスフィット GE8 10 25'01.905 48.629 2'26.293(2/10)
7(GE8 5) 75 寺岡 亮 SEEKER☆DXL☆GE8 GE8 10 25'02.479 49.203 2'28.421(8/10)
8(GE8 6) 72 江原謙輔 TeamKEKOファインドGE GE8 10 25'11.251 57.975 2'29.420(6/10)
9(GE8 7) 8 松永大祐 松永建設SEV拓磨DIJONニルズ GE8 10 25'21.582 1'08.306 2'30.273(7/10)
10 1 YASU DIJON ワコーズED ニルズ GK5 10 25'30.706 1'17.430 2'29.851(2/10)
11 63 中村義彦 ATS・ED・ZEAL・STA・FIT GK5 10 26'05.266 1'51.990 2'24.842(5/10)
62 塩谷烈州 G/MOTION WM FIT GK5 10 12'10.935 5Laps 2'24.397(2/5)

ペナルティ:No.40 2015もてぎチャンピオンカップレース 33条違反(反則スタート)によりドライビングスルーペナルティを課した。

フィット1.5 チャレンジカップ第2戦 鈴鹿サーキット 東コース

●5月10日  ●17周スプリント  ●1周2.243km  ●トップ車両周回数=17Laps  ●出走台数:14台  ●天候:晴れ  ●路面:ドライ

Pos. No. Driver Team/Car Type Lap Total Time Delay Best Lap
1 30 窪田俊浩 HondaCars東京都☆セナルトFIT GK5 17 17'17.992 1'00.695(3/12)
2 55 松本武士 BOLDウエストサンシャインT3R GK5 17 17'18.238 0.246 1'00.730(3/17)
3 1 芝谷純三 JOE48KoneアスプレイWM龍SPM GK5 17 17'20.016 2.024 1'00.548(2/17)
4 70 ヒロボン アンダーレNUTEC制動屋GPO東野R GK5 17 17'25.404 7.412 1'01.016(3/17)
5 37 坂田生弥 WM・レプソル・ENKEI・SRDFIT GK5 17 17'28.040 10.048 1'01.215(9/17)
6 9 白髭雅永 A.C.E+Mot'ys・制動屋セナルト GK5 17 17'33.635 15.643 1'01.507(3/17)
7 18 桂田敏希 JMC Kビースト SSR ED GK5 17 17'36.260 18.268 1'01.396(4/12)
8 22 寺西玲央 INOKI M2 BS FIT GK5 17 17'37.013 19.021 1'01.525(5/17)
9 7 森西秀雄 モレキュール ディクセル☆URS☆FIT GK5 17 17'37.391 19.399 1'01.422(8/17)
10 25 伊藤俊哉 BRIDE&アイクレオ&K-oneFIT GK5 17 17'38.316 20.324 1'01.442(8/17)
11 77 中村拓矢 OKC.BS制動屋セナルトFIT GK5 17 17'38.676 20.684 1'01.470(7/17)
12 11 丹羽和彦 HondaCars京都KYB FIT GK5 17 17'39.087 21.095 1'01.265(9/17)
13 67 池田 歩 BS YAMATO FIT GK5 17 18'17.470 59.478 1'03.571(6/17)
14 54 永田喜幸 HondaCars三重A-ONE FIT GK5 17 13'05.098 5Laps 1'03.306(2/17)