MuSASHi RT HARC-PRO. Hondaが3番手タイムを記録。Honda勢は5チームがTOP10トライアルへ

MuSASHi RT HARC-PRO. Honda

鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿)の予選が7月28日(金)に行われました。レースウイーク直前にF.C.C. TSR Hondaから参戦するはずだったステファン・ブラドルが中耳炎のため渡航できなくなり、急きょ、Team SuP Dream Hondaから参戦予定だったジョシュ・フックがチームに加わり、空いた枠はダミアン・カドリンが入ることになりました。

F.C.C. TSR Honda

F.C.C. TSR Hondaはドミニク・エガーター、ランディ・ドゥ・プニエ、そしてフック、Team SuP Dream Hondaは伊藤真一、グレッグ・ブラック、新加入のカドリンと、それぞれ布陣が変わりました。そのほか主なHondaチームは、MuSASHi RT HARC-PRO. Hondaは高橋巧、ジャック・ミラー、中上貴晶、MORIWAKI MOTUL RACINGは高橋裕紀、清成龍一、ダン・リンフット、Honda Dream Racingは、山口辰也、小山知良、岩戸亮介。Satu HATI. Honda Team Asiaはディマス・エッキー・プラタマ、ラタポン・ウイライロー、ザクワン・ザイディのラインアップで鈴鹿8耐の公式予選に挑みました。

今年、世界耐久選手権(EWC)の最終戦として開催される鈴鹿8耐は、レギュレーションもEWCに準じており、予選は3ライダーのベストタイムの平均で順位が決まることになりました。また、ライダーがつける腕章は、第1ライダーがブルー、第2ライダーがイエロー、第3ライダーはレッドとなっています。

本日始めのセッションとして午前8時30分から同10時30分までフリー走行が予定されていましたが、直前に雨がパラつき15分遅れで始まりました。雨はすぐに上がりハーフウエットとなり、MuSASHi RT HARC-PRO. Hondaがトップタイムでフリー走行を終えました。午前11時30分からのそれぞれ20分間の予選は、ドライコンデションで行われました。腕章の色(青、黄、赤)で組み分けされたライダーが、順番に予選に挑みました。午後15時10分には2回目の予選が始まり、同じく3組に分かれたライダーがコースイン。この2回の走行で、29日に行われるトップ10トライアルへの進出が決まります。上位10チームがトップ10への出場権を得て、それ以降の11番手から最後尾は予選の順位でグリッドが決定します。

MORIWAKI MOTUL RACING

1回目の予選は、ブルーライダーの走行から始まりました。高橋巧が2分6秒610でリーダーボードのトップに躍り出ますが、転倒者があって赤旗が提示されたタイミングと重なり、そのタイムは認められませんでした。トップタイムはヤマハの中須賀克行で、2番手にエガーター、5番手に高橋巧、7番手に高橋裕紀、8番手にHonda 鈴鹿レーシングチームの日浦大治朗が。13番手にHonda DREAM RT 桜井ホンダの水野涼が入り、若手が躍進。プラタマが14番手、小山が15番手、伊藤が19番手でした。

その後、イエローライダーの走行が始まりますが、転倒者が出て赤旗が提示されました。コースクリアをして残り約11分で走行開始。終了間際にも転倒者が出て赤旗終了となりました。トップタイムはアレックス・ローズ(ヤマハ)、3番手にドゥ・プニエ、7番手にミラー、8番手に清成。10番手にHonda 鈴鹿レーシングチームの亀井雄大。11番手にHonda DREAM RT 桜井ホンダのジェイソン・オハローラン、14番手にザイディ、15番手にカドリン、16番手に岩戸がつけます。

そして、レッドライダーのトップは津田拓也(スズキ)、2番手に中上、4番手に山口、5番手にフック、9番手にリンフット、12番手にブラック、14番手にウイライローがつけました。

Honda鈴鹿レーシングチーム

太陽が顔を出した午後からの予選は、路面温度が上昇し、タイムアップは難しい中でライダーたちがコースイン。ブルーライダーのトップタイムは高橋巧、4番手に日浦が躍進。8番手にエガーター、9番手に伊藤、10番手にプラタマ、11番手に小山がつけました。イエローライダーはミラーがトップタイムをマーク。6番手にオハローラン、7番手にザイディ、8番手にカドリン、9番手にドゥ・プニエ、10番手に清成、13番手に岩戸がつけました。レッドライダーのトップは中上、6番手にウイライロー、7番手にHonda 鈴鹿レーシングチームの安田毅史、11番手にブラック、14番手にフックとなりました。

転倒者が続出し、赤旗中断の多い波乱の予選となり、総合順位はヤマハ ファクトリー レーシング チームがトップ。2番手がヨシムラ スズキ MOTUL レーシング、3番手にMuSASHi RT HARC-PRO. Honda。5番手にF.C.C. TSR Hondaがつけました。8番手にMORIWAKI MOTUL RACING、9番手にHonda 鈴鹿レーシングチーム。10番手にSatu HATI. Honda Team Asiaが入り、トップ10トライアル進出を決めました。そしてそのトップ10トライアルの結果により、上位10台までのグリッドが決まります。

11番手以下は公式予選の順位の通りとなり、12番手がHonda Dream Racing、14番手がTeam SuP Dream Honda、18番手がHonda Dream RT 桜井ホンダとなりました。

Satu HATI. Honda Team Asia

高橋巧(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)
高橋巧(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)「今日のセッションは、限られたセットのタイヤを使用するので難しかったですね。最初はニュータイヤでスタートし、タイムを上げていたラップで赤旗になってしまいリセットに。そのあとはタイムを上げることができなかったのですが、結果的には3人ともタイムを揃えられているのでバランスは悪くないと思います。決勝に向けて満足できるところまでマシンは仕上がっています。テストで見つけた課題がすべてクリアになっているわけではないのですが、レースウイークに入って気持ちが入り、タイムも上がってきているので、テストのときよりは確実に前進しています。昨日、今日と走行時間はあまりなかったのですが、ある程度走行したユーズドタイヤでも、ニュータイヤでも、安定してはしれているので、決勝は楽しみにしててください。明日のトップ10トライアルでは、あまりいい思いをしたことがないので、そろそろ結果を残したいですね。このセッションではソフトタイヤで走ると思うのですが、自分はそれが苦手なのでレース用のタイヤで走るかチームと相談して決めて臨みます」

ジャック・ミラー(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)
ジャック・ミラー(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)「昨日からセッティングを煮詰めているのですが、3人とも2分7秒5の同じようなタイムを出せているので上手くいっていると思います。赤旗によって記録には残らなかったのですが、(高橋)タクミはとても速いタイムを出していたし、チームのサポートにもとても満足しています。今、僕らは全力を尽くしていますし、そして今後も全力で取り組んでいくつもりなので、きっと明日のトップ10トライアルもいい結果になるはずです。ここまで全てが上手くいっているから、日曜日の決勝でもいい結果を得られると思います」

中上貴晶(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)
中上貴晶(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)「予選は3人で6セッションを行いますが、2セットの新品タイヤしか使用できないという厳しい状況。ただ3人とも2分7秒5という悪くないペースで走れました。自分としてもユーズドタイヤで7秒台に入れることができ、連続でいいペースで走れています。予選のチームアベレージも3番手ということで、無事にトップ10トライアルを走ることができます。テストでフロントとリアのタイヤの組み合わせを試して、現状の中では満足できるバランスを見つけることができ、安定して走れるようになりました。ヤマハをはじめ、ライバル勢もタイムは速いですが、8耐は安定したラップタイムを刻むことが重要で、そこは他チームに負けていないと思うので決勝に向けて不安はありません。トップ10トライアルは、決勝とは違う走り方が要求されますが、一番大事なのは決勝で勝つことなのでグリッドはあまり気にしていません。先輩の(高橋)巧選手にいいグリッドを取ってもらうつもりで、自分はしっかりと決勝に備えます」

ドミニク・エガーター(F.C.C. TSR Honda)
ドミニク・エガーター(F.C.C. TSR Honda)「午前中は特に調子がよく、朝の予選タイムは2分7秒3台で走ることができたのでよかったです。午後は気温も上がって、少し問題も見つかりましたが、チームがしっかりと直してくれたので調子を戻すことができました。マシン自体は非常に速いし、とても調子がいいです。新しいチームメートのジョシュ・フックが入ったので、昨日、今日はなるべく彼に走ってもらうようにしました。予選ではトップ10に入ってよかったです。レースにも自信を持って臨めます。チームは決勝に向けて集中しています。明日のタイムアタックは1ラップだけの走行。慣れていないので緊張します。ソフトタイヤをあまり試していないこともあります。自分はどちらかというと予選用タイヤよりもレース用で速いタイムを出すほうなので、明日は可能な限りいいタイムが出せるように走行します。予選で5番手のポジションになったのはよかったですが、鈴鹿8耐で重要なのはスタートのグリッドだけではありませんので」

ランディ・ドゥ・プニエ(F.C.C. TSR Honda)
ランディ・ドゥ・プニエ(F.C.C. TSR Honda)「ラップタイムは、とてもよくて満足しています。赤旗やトラフィックの影響でクリアラップが1回しか取れませんでしたが、それはほかのライダーも同じことですから言い訳にはなりませんね。予選で5番手を獲得できたのでよかったと思います。表彰台の獲得に向けて、この週末はいいペースで走行を楽しめています。ナイトセッションでは、もう少し改良するためにセッティングの調整を試してみようと思います。スーパーポールを走るのはライダーにとってすばらしい機会で、ニュータイヤで走れるから、リミットまでプッシュしたいですね。レースウイークエンドを楽しんで過ごしているし、決勝に向けて準備を着々と進めています」

ジョシュ・フック(F.C.C. TSR Honda)
ジョシュ・フック(F.C.C. TSR Honda)「チーム、マシンが変わり、全てが新しくなりました。ドミニク(エガーター)もランディ(ドゥ・プニエ)もすでに速く走っているので、ちょっと難しさを感じました。今月のテスト期間を通じてランディたちが走ってきた時間と比べると、自分がこのチームで走った時間はまだ短いですしね。電装やエンジンのキャラクターも違うので、慣れるのに時間がかかりますが、セッションを走るごとに速くなっていることはポジティブなポイントだと思います。チームもチームメートもしっかりやってくれているので、もう少しラップを重ね、新しいタイヤで走れば、さらにタイムをよくすることができると思います。小さなクラッシュもあり、予選のタイムには満足できていません。今夜のナイトセッションでもセッティングを試して、この週末に向けてよりいいセットアップを見つけたいです。今のタイヤでは苦戦しているのも事実なので、レースディスタンスに合うタイヤを見つけるのことが課題です。今週末のレースは期待できるし、楽しみにしています」

高橋裕紀(MORIWAKI MOTUL RACING)
高橋裕紀(MORIWAKI MOTUL RACING)「まずは自分も含めて3人のライダーが決勝に向けてやらなければならないことを実施できたので満足しています。個人的には、予選用のやわらかいタイヤではなく、決勝用タイヤを履いて、2分7秒837が出せたことに満足しています。このタイムは自己ベストでしたので、これまでより確実に前進したと思っています。はっきりとした手応えを感じていますね」

清成龍一(MORIWAKI MOTUL RACING)
清成龍一(MORIWAKI MOTUL RACING)「トップ10トライアルに出られる予選順位で終えることができて、ホッとしていますね。もちろん大事なのは決勝でいい結果を残すことです。決勝本番はル・マン式でのスタートなので、グリッド位置が前の方であれば、あまり気にしなくてもいいと思っています。今日はレースまでにみんながタイムを詰めなければいけない状況で、それができたということがとてもよかったですね。そのおかげで少し安心できましたし、自信にもなりました」

ダン・リンフット(MORIWAKI MOTUL RACING)
ダン・リンフット(MORIWAKI MOTUL RACING)「今日の予選は楽しめました。毎ラップ、毎セッションで前進できました。エンジニアが素晴らしい仕事をしてくれたのでマシンのフィーリングがとても良くなり、ラップタイムを縮めていけると思っていました。今日までとても順調に走れています。マシンもチームもとてもいい感じだし、鈴鹿のトラックもいい感じです。鈴鹿サーキットはいつか走りたいと思っていたので、このモリワキチームでそれが実現できてとてもうれしいです」

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