鈴鹿8時間耐久ロードレース

鈴鹿4耐 決勝 レポート

2013年7月27日(土)  会場:三重県・鈴鹿サーキット  天候:曇り  気温:30.3℃  観客:2万8000人

#27 ASTRA HONDA RACING TEAM(ディマス・エッキープラタマ/イズワンディ・ムイス)が優勝!
#25 Boon Siew Honda Racing Malaysia(モハメド・ロザイマン/サシ・タレン)が3位

鈴鹿4時間耐久ロードレース(以下、鈴鹿4耐)は、国内ライセンスを持つアマチュアライダーが集まり、国際ライセンスの昇格を目指し、全日本ロードレース選手権へとステップアップして活躍するライダーを輩出してきました。近年、そのようにステップアップを目指すライダーと、鈴鹿4耐を目標として参戦し続けているライダーもいます。それぞれの思いを胸にライダーたちが戦い、熱戦を繰り広げるのは、鈴鹿4耐が始まった1980年から変わらない姿であり、魅力でもあります。

  • ル・マン式スタートル・マン式スタート
  • ASTRA HONDA RACING TEAMASTRA HONDA RACING TEAM
  • Boon Siew Honda Racing Malaysia(#25)、ASTRA HONDA RACING TEAM(#27)Boon Siew Honda Racing Malaysia(#25)、ASTRA HONDA RACING TEAM(#27)
  • Boon Siew Honda Racing MalaysiaBoon Siew Honda Racing Malaysia
  • ASTRA HONDA RACING TEAMASTRA HONDA RACING TEAM
  • ディマス・エッキープラタマ(左)、イズワンディ・ムイス(右)ディマス・エッキープラタマ(左)、イズワンディ・ムイス(右)
  • サシ・タレン(左)、モハメド・ロザイマン(右)サシ・タレン(左)、モハメド・ロザイマン(右)
  • ディマス・エッキープラタマ(中央左)、イズワンディ・ムイス(中央右)、サシ・タレン(左から2番目)、モハメド・ロザイマン(右)ディマス・エッキープラタマ(中央左)、イズワンディ・ムイス(中央右)、サシ・タレン(左から2番目)、モハメド・ロザイマン(右)

さらに、近年はアジア出身のライダーの参戦も増えています。2011年に優勝を飾ったアズラン・シャー・カマルザマンは、アジアロードレース選手権で活躍し、12年には鈴鹿8耐に参戦。今年も玉田誠、高橋裕紀といった有名ライダーとともに参戦し、表彰台登壇を期待されています。昨年はBoon Siew Honda Racing Malaysiaのイメール・フィルダウス・ハサンとザクゥアン・ザイディが優勝を飾りました。

今年もアジアの有望ライダーが参戦してきました。#25 Boon Siew Honda Racing Malaysiaからは、国内で115tのアンダーボーンに参戦しているモハメド・ロザイマンとサシ・タレン。#27 ASTRA HONDA RACING TEAMは、600ccのライダーであるディマス・エッキープラタマと、アンダーボーンで戦うイズワンディ・ムイスが参戦して注目を集めました。

そのような中で、ポールポジションは加藤久幸/池田貴彦組(ヤマハ)、エッキープラタマ/ムイス組は2番手。3番手に西馬良祐/森中忍組(#56 Link Well TEAM KOUWA &B〜dash106+リトルウィング)、4番手に遠藤弘一/耳野由基組(#11 CLUB PLUSONE)、5番手に茨木繁/井上拓海組(ヤマハ)、6番手にロザイマン/サシ・タレン組となりました。

伝統的なル・マン式スタートで始まったレースは、#48 加藤がホールショットを奪い、#27 エッキープラタマが追う展開となり、2台が抜けはじめましたが、シケインで多重クラッシュが発生。さらに2ラップ目の最終コーナーで、再び多重クラッシュが起き、セーフティカーが導入されます。その間にもホームストレートで2台のクラッシュが起き、粉々のマシンがグリーン上に横たわる事態となりました。

セーフティカーが解除されたのは8ラップ目。ここでレースが再開されます。#48 加藤、#27 エッキープラタマ、#25 サシ・タレンのトップ争いをとなり、#73 伊賀並(スズキ)が追います。14ラップ目には#27 エッキープラタマがトップを奪い、リードを広げます。17ラップ目には、上位陣が1回目のルーティンでライダー交代、ピットロードは大混雑となります。

18ラップ目、#48 池田、#11 耳野、#27 ムイス、#25 ロザイマンとオーダーが変わります。続く19周目の1コーナーで、首位の#48 池田が転倒。さらに5番手を走行していた#73 上坂も転倒と、上位陣の波乱が続きます。20ラップ目、#11 耳野からトップを奪った#27 ムイスがレースをリードします。それを#11 耳野、#25 ロザイマン、#45 井上、#56 西馬が追う展開となります。

34ラップ目を迎えると2回目のルーティンピットイン。#25 Boon Siew Honda Racing Malaysiaはムイスからエッキープラタマへ交代し、#45 井上、#25 サシ・タレン、#56 森中、#11 遠藤と続きます。その後、43ラップ目には200Rで転倒したマシンの影響で、再びセーフティカーが入ります。トップの#25 エッキープラタマと2番手#11 遠藤の差は約5秒。#11 遠藤と3番手の#45 茨木の差は約30秒と離れていましたが、セーフティカー導入でポジションもその差が変化します。、#27 エッキープラタマ、#11 遠藤、#45 茨木、#56 森中、#25 サシ・タレンと変わり、セーフティカーが解除され、46ラップ目にリスタート。#27 エッキープラタマ、#11 遠藤、#45 茨木のオーダー、#25 サシ・タレンは#56 森中をパスして4番手に浮上します。

50ラップ目になると3回目のルーティンとなり、エッキープラタマからムイスへと代わります。#27 ムイス、#11 耳野、#45 井上、#25 ロザイマン、#50 武田数馬(ヤマハ)、#52 島崎一臣(Moto WIN RACING)が続きました。#52 島崎は53ラップ目に#50 武田をパスして5番手に浮上。トップの#27 ムイスを#11 耳野が追い上げ、その差を詰めていきます。66ラップ目、トップとの差を約8秒とした#11 CLUB PLUSONEは、耳野から遠藤へとライダー交代。続いて3番手を走行していた#45 井上がピットイン、茨木へと交代します。

68ラップ目、トップの#27 ASTRA HONDA RACING TEAMがムイスからエッキープラタマへと交代し、#11 遠藤とトップ争いを展開します。続く69ラップ目に#11 遠藤がトップに立ち、それを#27 エッキープラタマが追いかけ、70ラップ目には首位を奪い返します。しかし、その差は約0.3秒。71ラップ目には再度、#11 遠藤が首位を奪い、#27 エッキープラタマ、#45 茨木、#25 サシ・タレン、#52 中垣、#50 塚本と続きます。

#27 エッキープラタマがヘアピン進入で痛恨のスリップダウン、すぐにコース復帰しますが、首位は#11 遠藤へと代わります。しかし、2番手となった#27 エッキープラタマは2分20秒台にタイムを上げ、猛然と追い上げます。#11 遠藤が2分23秒〜24秒台、1ラップにつき2〜3秒を詰め、80ラップ目には17〜18秒あった差を約9秒まで詰めます。

81ラップ目に#11 CLUB PLUSONEは遠藤から耳野へとライダーを交代すると、その間に#27 エッキープラタマがトップに立ちます。#27 エッキープラタマは、85ラップ目にムイスへと最後のライダー交代。#11 耳野は独走態勢を築きあげますが、残り4ラップとなった94ラップ目、スプーンでまさかのマシンストップ。そのままリタイアとなってしまいます。代わってトップにたった#27 ムイスが、そのまま優勝のチェッカーを受けました。2位には#45 井上が入り、3位に#25 ロザイマンが入りました。これで3年連続でアジアチームが勝利、アジアの力を証明することになりました。

コメント

ディマス・エッキープラタマ(優勝)│ #27 ASTRA HONDA RACING TEAM 「トップを走っていたのに転倒してしまい、とにかく、走り出さなければと思いました。幸いマシンが大丈夫でしたので、とにかくばん回しようとがんばりました。チームスタッフは1カ月以上もかけて準備をしてきたことを思うと、どうしても勝ちたいと思っていました。勝つことができて本当にうれしい。もっとトレーニングして、自分を鍛えて、いつか8耐に出てみたいと思います」

イズワンディ・ムイス(優勝)│ #27 ASTRA HONDA RACING TEAM 「4耐初挑戦で優勝できたなんて夢のようです。このチャンスをくれたHonda、一生懸命に支えてくれたスタッフに感謝します。家族も僕のために祈ってくれました。そのことも、ありがたいと思います。もちろん、8耐もチャンスをもらえたらステップアップしたいです。でも、その前に600ccをもっと勉強したいと思います」

サシ・タレン(3位) │ #25 Boon Siew Honda Racing Malaysia 「4耐を走ることできて、しかも表彰台に上ることができて、とてもうれしいです。先輩のアズランからも4耐のアドバイスをもらい、テストを重ねてペースを上げていきました。4耐に挑戦することでステップアップできたと思います。このチャンスをもらえたことに感謝します」

モハメド・ロザイマン(3位) │ #25 Boon Siew Honda Racing Malaysia 「5位までには入ろうと、それを目標にしていましたので、表彰台に上がることができて、とてもうれしいです。600ccに乗るチャンスをもらって、精一杯に集中して走りました。チームの皆と協力があった上で獲得できた順位ですので、本当にうれしいです」

リザルト

決勝
順位 No. チーム/ライダー マシン 周回数/差
1 27 ASTRA HONDA RACING TEAM
ディマス・エッキープラタマ/イズワンディ・ムイス
Honda 96Laps
2 45 Team 青春MotoPod
茨木繁/井上拓海
ヤマハ +1:35.827
3 25 Boon Siew Honda Racing Malaysia
モハメド・ロザイマン/サシ・タレン
Honda +2:23.812
4 50 浜松チームタイタン
塚本耕平/武田数馬
スズキ +1Lap
5 52 Moto WIN RACING
中垣寿郎/島崎一臣
Honda +1Lap
6 70 チームええじゃないか豊橋☆ YSP 豊橋南
森田弘孝/中村博明
ヤマハ +2Laps
7 35 OBA ☆ピカソクリエイティブ☆ K-MAX ☆モトクラッシュ☆ テーラデザイン
吉兼典男/三浦譲二
ヤマハ +2Laps
8 37 Honda 浜友会 浜松エスカルゴ
川口篤史/赤松雅也
Honda +2Laps
9 39 OZT Racing
野村裕太/岡本学
ヤマハ +2Laps
10 28 if レーシング&モトテック RS&AutoMac 翔天恭
村瀬豊/金子寛
Honda +2Laps