鈴鹿8時間耐久ロードレース

2012年7月10日(火)、11日(水)公開合同テスト(3)レポート

会場:三重県・鈴鹿サーキット 天候:10日(火)晴れ・11日(水)曇りのち雨 気温:10日(火)27℃・11日(水)25℃

秋吉耕佑が8耐マシントップタイム!
清成龍一/高橋巧/青山博一も躍進
注目のアジアチーム玉田誠/亀谷長純/アズランも手応えを得る

真夏の祭典「2012 FIM世界耐久選手権シリーズ第3戦"コカ・コーラ ゼロ"鈴鹿8時間耐久ロードレース 第35回大会」(以下、鈴鹿8耐)の合同テスト3回目が7月10日(火)、11日(水)の2日間、三重県・鈴鹿サーキットで開催されました。今回のテストにはスーパーバイク世界選手権に参戦している青山博一が参加し、#634 MuSASHi RT ハルク・プロは清成龍一、高橋巧と3人がそろってのテスト開始です。#11 F.C.C. TSR Hondaは、秋吉耕佑に加えて、急きょ岡田忠之が参加、本戦への参加に関しては未定ですが、秋吉の助っ人としてテストに参加しました。#22 Honda Team Asiaの3人は、前回のテストから鈴鹿にとどまり、鈴鹿8耐初参戦のアズラン・シャー・カマルザマンが、鈴鹿サーキットと初の8耐マシンに少しでも慣れるために、週末のスポーツ走行に参加していました。今回のテストにも3人がそろい、精力的に走り込みを重ねました。

青山博一

10日は晴天に恵まれ、真夏を思わせる太陽が顔を出しました。秋吉は、淡々とテストを消化し前回に続く2分7秒台を記録、8耐仕様のマシンではトップタイムで終了しました。岡田は走行開始後、すぐに2分9秒台を記録して健在ぶりを示すと、そのあともマシンの確認作業に徹して周回を重ねました。また、初の8耐マシンにまたがる青山にも注目が集まりました。青山は慎重にコースインし、マシンの感触を確かめるために走行を重ねて2分10秒台前半を記録、初乗りとしてはまずまずの手応えを得ます。清成は、高橋とマシンを乗り換えながら、前回のテストに引き続き、3人がバランスよく乗れるマシンの方向性を探りました。清成が2分8秒台、高橋は転倒のアクシデントもありましたが2分9秒台を記録しました。

11日の天気予報は曇りのち雨、いつまで天気がもつのか心配されていましたが、朝には太陽が顔を出して、ドライコンディションで走行が開始されました。しかし、転倒したマシンが炎上し赤旗中断、スポーツ走行でも接触転倒があるなどして赤旗が出ました。コースクリアまでピットで待たなければならない時間も多く、貴重なドライコンディションの時間が削られてしまいました。11時過ぎには曇り空から雨雲に変わって強い雨が落ち、あっという間にウエットコンディションになりました。各チームはウエットコンディションのテストのためにコースに出ましたが、今度は雨が上がり、路面が乾き始めるという難しいコンディションになってしまいました。

今回のテストには全日本チームも参加したため、すべてのマシンが耐久仕様ではありませんが、タイム順のリザルトは次のとおりです。トップタイムは全日本仕様のマシンでテストをする中須賀克行(ヤマハ)、耐久仕様のマシンで秋吉が2分7秒772で2番手、3番手にはジョシュ・ウォーターズ(スズキ)で、2分7秒797を記録して秋吉のタイムに肉薄しました。4番手には山口辰也(#104 TOHO Racing with MORIWAKI)が2分8秒669と躍進しました。以下、清成が6番手、高橋が7番手タイムを記録。#090 テルル&イー・モバイル★Kohara RTの辻村猛、野田弘樹、渡辺一馬は、3人が2分9秒台に入れバランスのよさを示しました。玉田、亀谷、アズランは16番手タイムにとどまりましたが、テスト量の多さは特筆すべきものがあり、鈴鹿8耐に向けて準備万端です。2日間総合タイムでは高橋、清成、青山が8耐仕様では3番手と速さを示しました。3人のポテンシャルの高さを疑う者はいないだけに、本戦での躍進に期待がかかるテストとなりました。

  • MuSASHi RT ハルク・プロ CBR1000RR
  • 岡田忠之
  • MuSASHi RT ハルク・プロ
  • MuSASHi RT ハルク・プロ
  • 青山博一
  • 清成龍一
  • 高橋巧

コメント

秋吉耕佑 (#11 F.C.C. TSR Honda) 「2分7秒台とタイムは記録できていますが、8耐テストに必要なのはタイムだけというわけではないので、岡田さんにも手伝ってもらい懸命にテストを重ねました。しかし、まだ課題が残っています。長いミーティングを重ねて、8耐まで に改善してもらいたことなどを伝えました。テストを終えるとMotoGPのテストでイタリアのムジェロに向かいます。MotoGPマシンに乗って、8耐にも生かせるヒントを見つけて帰国します。マシンに乗ることが仕事ですし、テストが続くのはうれしいことです。8耐では改善点を確認しながら、(ジョナサン)レイと力を合わせて優勝できるように、しっかりとウイークを過ごしたいと思っています」

岡田忠之 (#11 F.C.C. TSR Honda) 「急きょ、藤井さん(チーム監督)から連絡があり、第3ライダーとして協力して欲しいと言われました。年初から若手ライダーたちと一緒に体力トレーニングを重ねているので、体力的には問題ないですし、乗れる自信もありました。8耐マシンに乗るのは1年ぶりでしたが、パッと乗って2分9秒台が出ました。マシンも乗りやすく、どこも変えずに走ることができました。久しぶりに乗ったとしても、スキルを落とさずに乗れるのがロードの楽しさです。本戦も声がかかれば、できる限りのパフォーマンスを示したいと思っています」

高橋巧 (#634 MuSASHi RT ハルク・プロ) 「2台のマシンを3人で乗り換えながらのテストは、難しく感じました。僕がしっかりしなければならないこともわかっています。8耐ウイークで結果を残せるように努力したいと思います。体調をしっかりと整えて本戦を迎えます。優勝できるように最善を尽くします」

清成龍一 (#634 MuSASHi RT ハルク・プロ) 「8耐本番に向けての課題が明確になり、そこを改善することができれば、3人が思うように走れるようになると思います。チームスタッフも理解してくれているので、8耐ウイークでしっかりとまとめていきたいと思っています。僕たちに求められていることは、誰よりも速く走ることです。そして、それだけが自分たちの願いです。一番になれるように努力あるのみです。8耐ウイークまで効率のいいトレーニングをこなし、しっかりと身体を作って8耐に挑みます」

青山博一 (#634 MuSASHi RT ハルク・プロ) 「昔のイメージを思い出しながら、だんだん、感触をつかんでいけたと思います。チームとのコミュニケーションを取りながら、優勝経験者の清成選手、高橋選手がセットアップしたマシンに乗りました。それに合わせる走りをすることが求められているので、それに徹して2分9秒台に入れることができました。でも、まだまだで、本音を言えばもっとテストがしたいですが、このテストを終えるとチェコに向かい、8耐ウイークに戻ってくるスケジュールとなっているので、あとは本番だけです。そこで、しっかりと自分の役目を果たしたいと思っています」

玉田誠 (#22 Honda Team Asia) 「前回のテストからアズランと鈴鹿に居残り、週末のスポーツ走行には亀谷選手も参加して、とにかく走り込みました。きっと、8耐参戦チームの中で一番走り込んでいると思います。アズランも鈴鹿サーキットに慣れてくれて、自信もついたと思います。やりたいと思っていたテストは、すべてクリアしました。あとは、本番でどこまで走りきれるか、楽しみにしています」

亀谷長純 (#22 Honda Team Asia) 「いいテストができたと思います。11日は雨の予報でしたが、ドライで走行することもできて、確認作業も進みました。2台のマシンを使ってテストを開始してから、6000qは走ったと思います。8耐2回分くらいのテストを重ねました。あとは、本番でこのテストの成果を示すだけです。アズランの成長も感じています。全力で表彰台を狙えるようにがんばります」

アズラン・シャー・カマルザマン (#22 Honda Team Asia) 「鈴鹿をたくさん走ることができて自信になりました。日本にずっと滞在していて日本人も日本料理も好きになりました。玉田さんと亀谷さんには、感謝しかありません。言葉では言い表せないほど、たくさんのことを教えてもらいました。恩返しができるように8耐ではしっかり走りたいと思います」