鈴鹿8時間耐久ロードレース

2012年7月3日(火)、4日(水)公開合同テスト(2)レポート

会場:三重県・鈴鹿サーキット 天気:3日(火)雨・4日(水)晴れ 気温:30℃

秋吉耕佑がトップタイム!
清成龍一/高橋巧は3番手に食い込む。
注目のアジアチーム玉田誠/亀谷長純/アズランは11番手

真夏の祭典「2012 FIM世界耐久選手権シリーズ第3戦"コカ・コーラ ゼロ"鈴鹿8時間耐久ロードレース 第35回大会」(以下、鈴鹿8耐)の合同テスト2回目が、7月3日(火)、4日(水)の2日間、三重県・鈴鹿サーキットで開催されました。

秋吉耕佑

7月2日にエントリーリストが発表され、今年のラインナップが明らかになりました。#11 F.C.C. TSR Hondaからは秋吉耕佑とジョナサン・レイ、#634 MuSASHi RT ハルク・プロからは高橋巧、清成龍一、青山博一が参戦します。清成が今回の鈴鹿8耐で勝利すれば優勝回数が5回となり、現在鈴鹿8耐最多優勝の宇川徹と並ぶことになり、注目を集めています。また、#22 Honda Team Asiaから玉田誠、亀谷長純、アズラン・シャー・カマルザマンがエントリー。玉田と亀谷にとっては、鈴鹿8耐が今季唯一のレースとなる予定で、それだけに気合の入るものとなっています。昨年の鈴鹿4耐の覇者であるアズランにとって鈴鹿8耐は初挑戦。ほか、#104 TOHO Racing with MORIWAKIから山口辰也、高橋裕紀、手島雄介が参戦し、華やかなライダーたちがエントリーします。鈴鹿8耐合同テスト1回目は6月7日に行われましたが、64チームが参加する2回目に注目が集まりました。

3日の午前中は豪雨となり、A組、B組に分けられたタイムスケジュールが変更。A組の走行が中止となりA、B混走で行われ、午後から通常のタイムスケジュールとなり、A、B組分かれての走行となりました。午後は雨も上がり路面が乾き始めますが、完全なドライとはなりませんでした。さらに、もう一度雨が落ちるなど不安定な天気。夕方からはA、B組合同の夜間走行が行われましたが、再び降り出した雨足が強くなり、路面は川のような状態で走行台数も少ないものとなりました。テスト1日目のトップタイムは、左大たい骨骨折のケガから復帰した#11 F.C.C. TSR Hondaの秋吉で、心配されていたケガの影響がないことを示し、関係者を安心させました。ペアライダーのレイは今回のテストには参加せず、本番に駆けつけることになり、マシン作りは秋吉に一任されることになりました。また、#104 TOHO Racing with MORIWAKIの高橋もテストの予定はなく、本番に駆けつけることになります。青山は次回の10日(火)、11日(水)の合同テストには参加予定ですが、今回のテストはキャンセルし、高橋巧、清成がテストを先行させる形でセットアップを進めます。注目の#22 Honda Team Asiaはアズラン、玉田、亀谷と3人体制でしっかりと鈴鹿8耐に向けての充実したテストをこなしました。

4日は太陽が顔を出し、気温30℃、路面温度49℃と鈴鹿8耐テストにふさわしい晴天となり、前日の雨でフラストレーションがたまっていたライダーたちにとっては願ってもないコンデションとなり、シグナルグリーンと同時に勢いよくコースへと飛び出していきました。

ここでも秋吉がトップタイムをマークし、両日ともトップで速さを示しました。2番手には中須賀克行(ヤマハ)がつけ、3番手に#634 MuSASHi RT ハルク・プロの高橋巧、清成がつけました。高橋は全日本ロードレース選手権第3戦の筑波サーキットで転倒し、左手親指を脱臼骨折してしまいます。そのケガを負ってから初のライディングとなりました。初日は雨の走行で、ケガの状況をしっかりと確認することができませんでしたが、ドライを走って回復の度合いを確認しながらのテストとなりました。清成も今季はアジアロードレース選手権に参戦しており、600ccクラスのマシンからJSB1000への乗り替えとなります。マシンもタイヤもチームも違う状況の中で、昨年の記憶を呼び戻すように慎重な走行を繰り返しました。#104 TOHO Racing with MORIWAKIの山口、手島は6番手につけました。また、注目のアジアチームである#22 Honda Team Asiaは、ロングランをこなし11番手となりました。

  • 秋吉耕佑
  • 清成龍一
  • 高橋巧
  • 山口辰也
  • 玉田誠
  • アズラン・シャー・カマルザマン
  • F.C.C. TSR Honda CBR1000RR
  • MuSASHi RT ハルク・プロ
  • Honda Team Asia

コメント

秋吉耕佑 (#11 F.C.C. TSR Honda) 「ケガから復帰して5月下旬にMotoGPテストを開始しました。どれくらい回復しているのか心配もしましたが、違和感なく乗ることができました。全日本に向けてのSUGOテストも3日間で11時間のテストをこなし順調です。8耐はレイが『秋吉のセットアップでOK』と言ってくれたので、自分のセットアップで進めています。レイとは8耐を戦った経験がありますので、そのときのデータを参考にしながらセットアップを進め、レイにとっても乗りやすいマシンに仕上げていきたいと思います。今回のテストでは、もっとタイムを上げたかったので、タイム的には満足していませんが、8耐に向けての課題が見つかったのでよかったと思います。本番までに、しっかりと取り組んでいきたいと思います」

高橋巧 (#634 MuSASHi RT ハルク・プロ) 「手のケガの状況が確認できたので、本番までにしっかりと治して影響のないようにしたいと思います。今回の8耐は先輩の清成さん、青山さんと組んでの参戦です。頼れる先輩たちですが、今のマシンを一番知っているのは僕ですので、しっかりとセットアップを詰めて、先輩たちが乗りやすいものにしていかなければと思っています。これまでの8耐とは違って、できれば頼られるくらいになりたいと思っています。今回のテストはマシンの状況確認といった感じですので、8耐に向けてしっかりと詰めていきたいと思っています」

清成龍一 (#634 MuSASHi RT ハルク・プロ) 「このチームのエースは巧です。巧の速さが生かせるようにまとめていけたらと思っています。ですが、まずは自分は600ccからの乗り替えなので、早くJSB1000へ慣れて、しっかりと走れるようにすることが先決です。今回のテストでは2日目はドライで走ることができて、ずいぶんと感覚が戻ってきたと感じています。8耐優勝記録については、今は何も考えていません。優勝することができて5勝だと告げられたときに、きっと実感できるのではないかと思っています。今は優勝だけを考えて、そのための準備をしっかりしたいという気持ちだけです。巧も博一も子どものころから知っている仲間ですので、チームワークは問題ないですし、巧も博一も速いので心配していません。2人に負けないように自分のスキルを上げていきたいです」

玉田誠 (#22 Honda Team Asia) 「今年はアジアロードレース選手権にアドバイザーとして参加させてもらっている僕と亀谷、そしてアジアロードレース選手権を走っているアズランが組む意味をしっかりと受け止めて、8耐を意義ある参戦にしたいと考えています。この8耐を走ることでアズランにはスキルを上げてもらい、アジアロードレース選手権で清成と並ぶくらいの力を身につけてもらいたいと真剣に考えています。そのために僕と亀谷は努力します。もちろん、自分のライダーとしてのパフォーマンスを表現できるのは、今のところこの8耐だけですので、しっかり示したいと思っています。今回のテストはしっかりとロングランもでき、順調にこなせています。本番までに、もっと力を上げていけるように努力します」

亀谷長純 (#22 Honda Team Asia) 「3人にマシンが2台ですので、効率よくテストできるように時間を使いました。アズランは考えていた以上に、順応してくれていると思います。確実にコツコツと積み上げていくタイプですので安心できます。もっともっとタイムを上げていけると思いますので楽しみです。この8耐で活躍できたらスキルも上がるでしょうし、メンタル面でも強さを身につけられると思いますので、ぜひ成長して8耐を終えてほしいです。僕も玉田も、しっかりと自分たちの仕事をこなして8耐でいい結果を残せるようにしたいです。僕は8耐が2年ぶり、そして今年のレースはこれが最後の予定ですので、自分自身も8耐を大事に戦いたいと思っています」

アズラン・シャー・カマルザマン (#22 Honda Team Asia) 「8耐に参戦できると聞いたときの気持ちは、空を飛んでいるような気持ちになりました。すごくうれしかったですし、信じられないくらいでした。昨年4耐を走ったときに初めて8耐を見て、いつかこのレースに出たいと思ったのですが、こんなに早く現実になるなんて本当に信じられません。玉田選手と亀谷選手は最高の先生です。普段乗っている600ccとJSB1000は違うので、早く慣れて速く走れるようになりたいです」