鈴鹿8時間耐久ロードレース
特集

失敗から生まれる勝利。Part3 : 勝利へ向けての準備

  • Part1
  • Part2
  • Part3

Part3 : 勝利へ向けての準備

個と組織の関係

“わたしの記録”にある、チームワークの構築に関する考え方を述べている。これは、レースだけではなく、組織で目標を達成する場合の金科玉条ともいえるものである。

『ひとりの力では何もできないが、チームの総合力を用いることで、相乗効果が得られ大きな力となる。そのためには、決められた役割をこなすだけでは駄目である。自分のすべき役割に+αが必要』

『例えばピット作業では、“これがベストか”と疑問を感じるほど遅い人がいる。当人にしてみれば、最大限の力を発揮しているはずだろうが、バタバタしている手順や段取りの悪さが遅さの原因である。そこに気付いた人や、疑問を抱いた人のアドバイスが重要。その人は、その後見違えるほど、成長する』

『“自分の仕事はこれ”と、責任を個々が持つことは重要であるが、自分の役割だけでは組織は動かない。個々の能力に大差はないが、能力ある人が他人をカバーすることは組織で戦う以上、最低限のマナーである』

『(自分で得たノウハウを)伝授するとタイムの短縮が図られる。チームの底上げと意志疎通が生まれ、戦力となり相乗効果が生まれる。第一歩は真似て、次にその中に自分の考えを入れた作業を行う。あくまでもコピーは一時的なもの。自分のアイデアがミスを防ぐ。自分を信じることが成長の一歩』

『人間は生身だ。いつケガをしたり病気になるか分からない。その心配も作戦を立てる上で要素の1つとなる。その心配を解消する目的で、1人ではなく2人に仕事を覚えてもらう。必ずスペア要員を確保して、責任を持たせることが大切』

『専門性の必要な部分も分かりやすくして、メンバーに興味を持たせる。専門性ゆえに役割と責任分担を明確にしておく必要があり、“この人がいないと、レースが動かない”などという依存は、企画段階でつぶし込んでおく。代替え人を準備しておくと作戦も立てやすい』

鈴鹿8耐TOPへ