HONDA The Power of Dreams

決勝日:5月30日(日)
サーキット:三重県鈴鹿サーキット 観客数:1万2000人 天候:晴れ 気温:27.1℃

　真夏の祭典、鈴鹿8時間耐久ロードレース(8耐)の前哨戦として300kmレースが開催。これまでは全日本ロードレースに組み込まれた200kmとして戦われていたが、今季から、より8耐を意識したレースとするべく全日本の枠を外れ、独自のレギュレーションで争われることになった。マシンもスーパーバイク(SB)、スーパープロダクション(SP)、ストックスポーツ(ST)JSB1000、鈴鹿オリジナルのXX-Formulaありと8耐と同じラインナップだ。ル・マン式スタートを採用し、グリッドも従来の44台から70台に増えた。また、1人でもペアでも戦えることになった。

　HondaはスーパーバイクCBR1000RRWに宇川徹/井筒仁康(セブンスター ホンダ)で参戦、第3ライダーには清成龍一とマシン、ライダーと注目を集めた。JSB1000で山口辰也/徳留和樹(Team HMJ)、生見友希雄/芹沢太麻樹(RUNA阪神タイガース桜井ホンダ)、小西良輝/安田毅史(Team HARC-PRO)、浜口俊之(ウイダーホンダ学園DDBOYS)らが参戦。XX-Formulaで伊藤真一/辻村猛(F.C.CTSR)が参戦し、豪華ライダーが熾烈な争いを繰り広げることになった。

　今回は29日の土曜日早朝にフリー走行が行われ、直後に予選というスケジュール。予選1回目に宇川が2分10秒台のタイムをたたき出す好調な滑り出しから、予選2回目には井筒が2分9秒943とタイムを縮め、レコードを記録してポールポジションを獲得した。第3ライダーの清成も予選終了間際に走行し、2分17秒606を記録した。2番手には1人で300kmを走る北川圭一(スズキ)、3番手に浜口、4番手に小西/安田が付けた。5番手は伊藤/辻村組となった。

　決勝日は雨の予報が外れて青空が広がり、8耐を思わせる暑さとなった鈴鹿。気温は27℃を超え、路面温度は45℃まで上昇した。朝のフリー走行では渡辺篤(スズキ)がトップタイム、2番手北川、3番手に伊藤/辻村組、4番手山口/徳留組、5番手に小西/安田組、宇川/井筒組は7番手。ル・マン式スタートでスタートダッシュに成功し、ホールショットを奪ってトップに立ったのは宇川だった。宇川が数珠繋ぎのトップ集団をリードするも、一時はマシンのトラブルを訴えるような動きがあり、ピットは慌しくなった。しかし、宇川はピットインすることなくトップをキープ。作戦通り25周目にピットインし、18秒のピットストップで井筒に交代した。井筒は安定したペースで周回遅れを交わし、食い下がる北川を引き離す。最終的には独走体制を築き、余裕の走りで念願の勝利を飾った。2位に北川、3位には渡辺が表彰台に上がった。

　山口/徳留は果敢な走りを見せるも4位でチェッカー。浜口は予選で2度も転倒したダメージを感じさせない走りで300kmを完走し6位となった。終盤、伊藤は猛然とした追い上げを見せて表彰台を期待されたが、マイナートラブルでピットイン。伊藤/辻村組は7位でレースを終えた。小西/安田組は2人のラップタイムの差が大きいために2度のピットインでライダー交代を行い、タイムの速い小西が2回に分けた走行で追い上げたが8位に留まった。生見/芹沢組は転倒リタイアとなった。

●宇川徹(優勝)
「一昨年のMotoGP南アフリカ以来、約7か月ぶりのレースで勝てたのですごくうれしいですね。序盤にトラブルがありましたが、周りのペースも上がってなかったのでトップを守れると思い、ピットインはしませんでした。8耐に向けて、たくさんのデータを取ることができました。次は8耐優勝です」

●井筒仁康(優勝)
「僕はHondaへ勝つために来たので、やっと目標を達成できてうれしい。次は8耐優勝を目指します。全日本でも勝ちを狙って、きっちりとした仕事がしたい。勝つことはできましたが、2位、3位は1人で走ったライダーたちなので、勝てたことに甘えず、課題を克服して、もっといいレースをしたいと思っています」

●山口辰也(4位)
「徳留君と一緒に走るのは初めてだったので、お互いのいい部分を出すためのセットアップをきっちりと詰め切れず、不甲斐ない結果となってしまいました。しかし、内容的には8耐に向けての収穫も多いので、これを次に生かしたい」

●徳留和樹(4位)
「表彰台を目指していたので結果は残念ですが、勉強させてもらいました。山口さんと協力して頑張りたいと思っています」

●浜口俊之(6位)
「予選の転倒でのダメージはなかったですし、日々のトレーニングの成果か、1人での300kmも大丈夫でした。8耐までにもっとマシンを決めて、上位を狙えるようにしたいです」