HONDA The Power of Dreams

決勝日:7月24日(土) サーキット:鈴鹿サーキット 観客:4万人 天候:晴れ 気温:31.4℃

　鈴鹿8時間耐久ロードレース決勝の前日に行われる鈴鹿4時間耐久ロードレースにはアマチュアの国内ライセンスライダーが参戦、年に一度、8耐観戦の大観衆の前で熱戦を繰り広げるため、認知度も注目度も高い。過去、ここから多くの有名ライダーが生まれている。

　ST600マシンで行われるようになり3度目の大会、昨年は鈴木慎吾/稲垣琢真(MOTO WIN RACING)が独走優勝したが、今年は例年通りの熱戦が繰り広げられた。4耐の予選は2人のタイム合算で決められるため、激しいアタック合戦となり、ポールポジションを獲得したのは高倉純一/岡田謙吾組(レーシングチーム ハニービー)。上位15位中、10台がHonda CBR600RRとなった。

　決勝でホールショットを奪ったのは福田康志/望月竜介組(ヤマハ)、すぐさま村田丈/中村真組(MOTOREST&STRIKER RT)が首位を奪う。4台の激しいトップ争いからPPの高倉/岡田組が4ラップ目にトップに立つが、15ラップに田島大輔/宮川英俊組(赤い3輪車レーシングクラブ)が首位を奪う。鈴鹿のレース経験もあり優勝候補の筆頭だった田島/宮川組は2位以下を引き離し始める。2位には越澤友一/山崎善央組(赤い3輪車レーシングクラブ)が浮上、3位には村田/中村組が付けた。4位には16歳コンビで注目の津田一磨/小林龍太組(Team 桜井ホンダ)が追いつき3位争いを展開する。25ラップ目には津田/小林組が3位を奪い、4位となった村田/中村組は福田/望月組にパスされ5位となる。その後、津田/小林組にトラブルが出てポジションダウン。代わって浮上してきたのは稲垣琢真/高田敦史組(MOTO WIN & Kiss-FMKOBE)だった。

　トップの田島/宮川組は快調に飛ばす。約6秒差で2位越澤/山崎組が追う展開、同じチームの1-2フォーメーションで後続を引き離し始める。3位稲垣/高田組は単独の3位を走行。だが、波乱が起きる。安定した速さを見せていた田島/宮川組が、残り1時間30分を切ったところでトラブルが発生しピットインを余儀なくさる。メカニックたちはマシン修復に追われた。代わってトップに立ったのは越澤/山崎組。2番手には高倉/岡田組が追い上げ浮上、3位には村田/中村組が付けた。また4位には津田/小林組が3位との差を17秒まで挽回して来る。

　最後のライダー交代を迎え、越澤/山崎組は独走体制を築く。2位高倉/岡田組も単独走行、そこに津田/小林組が猛善と追い上げ、3位村田/中村組の背後まで迫った。だが、捕らえることはできずにチェッカー。トラブルでピットインしていた田島/宮川組もマシンを修復しコース復帰。優勝を飾った越澤/山崎組とともにウイニングランし、グランドスタンドに帰って来た。4人はともに4耐優勝を目指しテストをしてきた仲間だ。明暗は分かれたが、田島/宮川組の祝福を受け初優勝の越澤/山崎組も笑顔を見せた。2位高倉/岡田組、高倉は左手小指の骨折を押しての参戦で、コースアウトなどの波乱がありながも最後まで諦めない走りを貫いた。3位には村田/中村組、村田は昨年に引き続きの3位となった。表彰台に上がった6人は、「チャンスがあれば全日本へ」と来季の飛躍を誓っていた。

●赤い3輪車レーシングクラブ(優勝)
越澤友一(第1ライダー)
「チームで1-2が目標でした。でも#33にトラブルが出てしまい、その願いは叶いませんでした。が、#33が最大のライバルだったので、彼らがいなくなってからは他のチームには負ける気がしなかった。優勝だけを目指して走りました。今回の優勝は赤い3輪車の勝利です。最高です」

山崎善央(第2ライダー)
「越澤さんが乗りやすいバイクに仕上げてくれたので、僕はこれまでの練習通りに走っただけです。絶対に転ばないようにと言い聞かせて走りました。皆に感謝しています」

●レーシングチーム ハニービー(2位)
高倉純一(第1ライダー)
「01年も岡田と組んでPPからスタートしたのに勝つことができなかったので、今年はなんとしても勝ちたかった。でも僕が転倒してしまって、マシンもダメージがあって…。実は左手小指の付け根を骨折してしまったんです。でもメディカルの人がサポートしてくれ、マシンをメカが直してくれた。本当にレースは一人ではできなくて、皆に支えられているのだと改めて考えた大会です。勝つことができなくて残念ですが、表彰台に上がれてよかったです」

岡田謙吾(第2ライダー)
「順調にテストを重ねてタイムも出ていたので、負ける気がしなかったですね。でも、それで高倉にプレッシャーをかけすぎてしまったのかも知れない。転倒してしまってバイクも大破、ケガもあってチームの士気も一気に下がった。でも、そこから、なんとかしようって、皆で団結したんです。それがあっての2位。残念だけど嬉しい」

●MOTOREST&STRIKER RT(3位)
村田丈(第1ライダー)
「最初の走行でちょっとトラブルが発生してペースが上がらなくなってしまったのが、予定外でした。最後は桜井ホンダが追い上げているのに気がついていなくて、最終ラップでオフィシャルの様子が変だなと思ったら、すぐ近くに迫っていた。でも負ける気はしませんでした」

中村真(第2ライダー)
「最後はちょっと、ドキドキしました。ですが、村田君なら大丈夫、抜かれるわけはないと信じていました。今回はきっちりとポジションを守るようにとそれだけでした。表彰台に上がれて嬉しいです。村田君ありがとう」