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鈴鹿8時間耐久ロードレース
2003年8月3日 開催
Suzuka 8hours
 
 
レポート リザルト
レースレポート

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3位に辻村/伊藤組が入り、Honda勢2組が表彰台に登った
序盤トップを快走した宇川/井筒組はトラブルによりリタイア
ヘイデン/清成組は2周目に不本意な転倒リタイアを喫した
Team桜井ホンダ初優勝。Honda鈴鹿8耐7連勝を飾る
■決勝日時 :8月3日(日)
■コースコンディション:ドライ
■気温:28℃
■観客:7万2000人
生見/鎌田組がHondaの8耐7連勝目を飾った

生見/鎌田組がHondaの8耐7連勝目を飾った

 第26回鈴鹿8時間耐久ロードレースは、Honda勢が大活躍。VTR1000SPWで出場の生見友希雄/鎌田 学組(#71 Team桜井ホンダ)が212周で真っ先にチェッカーを受けチーム初優勝。Hondaとしては鈴鹿8耐7連勝という素晴らしい成績を残した。2位には中冨伸一/吉川和多留組(#21 YSP&PRESTOレーシング)で211周、3位にはCBR954RRで出場の辻村 猛/伊藤真一組(#778 F.C.C. TSR ZIP-FM RACING TEAM)が210周と健闘した。

 ニッキー・ヘイデン/清成龍一組(#11 セブンスター ホンダ)、亀谷長純/岡田忠之組(#74 Team桜井ホンダ)はスタート直後のオイル漏れ事故の影響で2周目の1コーナーで転倒リタイア。序盤トップを快走した宇川 徹/井筒仁康組(#7 セブンスター ホンダ)はトラブルのために2時間経過後リタイアとなった。

 今年で26回目を迎える鈴鹿8時間耐久レース。過去6年、この大会を制しているHondaが、その記録をどこまで更新するか、今大会も大きな注目が集まることになった。今年は昨年の優勝車VTR1000SPWでセブンスター ホンダから2台、Team桜井ホンダから2台の計4台が出場。さらに多数のプライベートチームがCBR954RRで8耐に挑んだ。

 8月1日の予選、2日に行われたスペシャルステージでPPを獲得したのは、CBR954RRで出場の辻村/伊藤組。車体の改造が許されているXX-Fクラスのマシンで2分7秒522をマーク。スーパーバイククラスのVTR1000SPWでHonda7連勝を狙う宇川/井筒組は、2分8秒598で4番手。ヘイデン/清成組は、2分8秒711で6番手。以下、亀谷/岡田組7番手、生見/鎌田組が11番手と、優勝を狙えるポジションにつけた。

 今年から、予選と決勝で使用出来るタイヤが10セットに限定される新ルールが実施された。これによって、これまでの大会と予選の戦い方が一変。各チームは予選でタイヤを温存する作戦をとった。上位20位40人の選手で競われるスペシャルステージでグリットを決めることになったが、決勝レースに焦点を絞ったHonda陣営は、8時間を走り抜く万全の体制を築き挙げることに成功した。

 迎えた決勝日。予選日は30℃前後の猛暑となったが、決勝日は、やや雲の多い天候となり、気温も予選日よりはやや低めの28℃前後。そのために昨年の219ラップを凌ぐ周回数が期待された。しかし、スタート直後にオイル漏れを起こしたマシンが出て、2周目の1コーナーでトップグループにつける5台が、コース上のオイルに載って転倒するという多重クラッシュが発生。ヘイデン/清成組、亀谷/岡田組がスタート早々にコース上から姿を消すという大波乱となった。

 この事故でコース上にはセーフティカーが導入され、スタート直後から大荒れの展開。その中で4番手スタートの宇川/井筒組がトップを快走。宇川から井筒にバトンタッチされた2時間目も首位を守った。しかし、2時間15分経過時点で井筒がヘアピンで転倒、マシンを修復してレースに復帰するも、2時間45分後に再度のピットイン、マシントラブルのために宇川/井筒組もリタイアとなった。

 こうして、レース序盤にしてHonda陣営の優勝候補が次々に姿を消す波乱のレースとなったが、1時間目3番手と好調な走りを見せた生見/鎌田組が、7時間過ぎにトップに浮上。212周の周回数を刻んで、第26回鈴鹿8時間耐久ロードレースを制した。これでHondaは鈴鹿8耐7連勝を飾ることに成功。サーキットに集まった7万2000人のファンを唸らせた。

 3位には、CBR954RRで出場の辻村/伊藤組で、序盤、マシントラブルで38番手までポジションを落としたが猛烈な追い上げでポジションアップ。3位でフィニッシュした。Honda勢にとっては、不運の事故とトラブルでリタイア続出のレースとなったが、最終的に1位、3位と大活躍。Honda学園関西校の生徒たちがスタッフとして参加した出口修/青木治親組(#44 ウィダーホンダ学園DD BOYS)は、3時間目までトップ争いを繰り広げたが、マシントラブルでポジションを落とし7位でフィニッシュ。表彰台に立った2台を含め、トップ10に4台のHondaが入った。


#71 Team桜井ホンダ(優勝)
 生見「今回は初めて経験する6回ピットという作戦で、序盤はコンスタントにラップを刻むように自分に言い聞かせた。最初は31ラップという初めて経験するロングランとなり何度か危ない思いをした。しかし、Team桜井ホンダのスタッフが、この日のレースのために連日タイヤ交換の練習などこなしていたし、素晴らしいピット作業だった。いままではペアライダーの足を引っ張ることも多かったし、今年はそういうことがないようにトレーニングもしっかりこなした。スタート直後の事故は、僕も危ないと思った。とにかく今日は、ペアを組んだ学が僕のセッティングに合わせて走ってくれた。勝てて嬉しいけれど、正直、僕たちがここにいていいのだろうかとも思った」
 鎌田「今回、Team桜井ホンダは、74番の方に優勝を託していた。僕たちは表彰台に立てればいいと思っていたし、それが次々にリタイアして、最後まですごいプレッシャーだった。僕たちが勝てたのは、大治郎が力を貸してくれたからだと思うし、大治郎が走っていれば彼が表彰台に真ん中に立ったと思う。今日は、一年に一度しか走らないのに素晴らしい走りを見せてくれた生見先輩の走りに驚いた。一昨年は、ロッシとエドワーズの第3ライダーとして表彰台に立って逃げ出したい気分だったけれど、今日は自分がちゃんと走って立った表彰台なのですごく嬉しい。VTR1000SPWは自分も開発に携わったし、そのバイクで勝てて、本当に嬉しい」

#778 F.C.C. TSR ZIP-FM RACING TEAM(3位)
 辻村「自分の仕事をきっちりとこなせたと思う。決勝中にだんだんマシンに乗りなれてきて、自分の走りが出来るようになった。表彰台に立てたのは伊藤さんのおかげです」
 伊藤「スタートから3回トラブルがあって、一時は40位ぐらいまでポジションを落として先の見えないレースだったけれど、2分9秒台で走れば結果がついてくると思った。一時は脱水状態になって苦しかったが、表彰台に立てて良かった」

#7 セブンスター ホンダ
 宇川「スタートして1時間目のコース状況はひどいものだった。オイルがあちこちにこぼれていたし、赤旗が出ても不思議ではない状態だった。リタイアは残念だが、しょうがない」
 井筒「ヘアピンで転倒したときは、周回遅れに引っかかってしまった。再スタートして追い上げていこうと思った矢先にマシントラブルとなり、本当に残念だった」

# 11 セブンスター ホンダ
 ヘイデン「2周目、ストレートではオイルフラッグは出ていなかった。1コーナーに入ろうとしたとき、オイルフラッグが見えたが、その時にはもう滑り始めていた。どうすることも出来なかった。これまで準備してきたことがたったの一周で無駄になってしまい、とても残念。スタッフがあんなに頑張ってくれたのに、と思うと悔しい」
 清成「ヘイデンが転倒したのを見たときには、怪我をしていないか心配になった。その後、マシンの修理が終わって走り出したが、黒旗を振られてしまい、とてもがっかりした。僕は、まだ今回のレースは終わっていないと思う」
 中嶋康二総監督 「今回の事態は次の2つの点に関して納得出来ません。最初に、1周目のコース上にオイルが飛散して、危険な状況だったにもかかわらず、ストレートでオイルフラッグが提示されていなかったこと。また、転倒したマシンを主催者側の判断でレッカー車に乗せ、ピットに持ってきてしまったことです。ライダーは自分の意思に関係なくレッカーに乗せられてしまったわけですが、レッカーに乗ったのだからリタイアとみなすという決定は到底納得のいくものではありません。本来だったら赤旗中断になっても不思議ではない状況で、とてもライダーの安全を考えているとみなせない状況でした。Hondaとしては、このような状況に納得がいかないため、抗議を提出しました」

●#11チームの失格に関する抗議に関して
 2周目の1コーナーにおけるアクシデントのあとで、#11マシンはレッカー車に乗ったため失格とするという審査委員会の決定に対して、Hondaは、ライダーのマーシャル指示に従ってレッカー車に乗ったのであり、失格は正当ではないという抗議を提出しました。しかし、この抗議は、ヘイデン選手がレッカー車に乗ることを拒まなかったという理由で却下されました。
 Hondaとしては、この決定は承服できないものであります。しかしながら、非常に残念ですが、これ以上抗議を続けても意味がないと判断しました。

 ホンダ・レーシング 取締役/8耐セブンスター ホンダ総監督
 中嶋康二

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