HONDA The Power of Dreams

　Hondaは4月13日（日）に栃木県・ツインリンクもてぎで決勝が開催される｢ブリヂストン インディジャパン 300マイル｣において、5チーム7台へHonda Indy V-8「HI3R」エンジンを供給し参戦することを決定した。

　開幕戦よりHonda Indy V-8を搭載し出場しているアンドレッティ・グリーン・レーシングのマイケル・アンドレッティ（アメリカ）、トニー・カナーン（ブラジル）、ダン・ウェルドン（イギリス）、チーム・レイホールのケニー・ブラック（スウェーデン）、スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングのロジャー安川（アメリカ）に加え、新たにアクセス・モータースポーツのグレッグ・レイ（アメリカ）とベック・モータースポーツの中野信治（日本）の2人を加えた5チーム7台にHonda Indy V-8を搭載する。

　今シーズンからインディカー・シリーズに参戦を開始したHondaは、第2戦フェニックスで初優勝を達成。第3戦｢ブリヂストン インディジャパン 300マイル｣では、インディカー・シリーズ初の海外開催となるツインリンクもてぎでの初優勝を目指す。

　アメリカ国外に世界で初めて完成された本格的オーバル・コースであるツインリンクもてぎ（栃木県芳賀郡茂木町）は、昨年まで5年間に渡ってCARTシリーズの公式戦を開催して来たが、今年からはそれがインディ・レーシング・リーグ主催のインディカー・シリーズ唯一の海外公式戦にとって変わる。インディカー・シリーズは、世界一の伝統を誇るインディ500を中心にして形成された全16戦のチャンピオンシップで、オーバル・レース専用設計のマシンによる白熱した接近戦で人気を博しているものである。

　今シーズンからインディカー・シリーズにはHondaとトヨタが新たに参戦を開始し、エンジンの戦いはアメリカのゼネラル・モーターズとの新規参入2社による三つ巴となった。また、CARTシリーズから有力チームが揃って移籍して来たこともあり、競争の激化に拍車がかけられている。

　エンジンとシャシーのイコール・コンディション化、そして、参戦コストの抑制を目指した厳密なルールによって、インディカー・シリーズではマシン間の差はほとんど無い状況となっており、どのレースでも実力の伯仲した緊迫した戦いが実現されることは、すでに行われた今シーズンの2戦で証明されたとおりである。第1戦はフロリダ州ホームステッドの1.5マイル・オーバルで開催され、スコット・ディクソン（チップ・ガナッシ・レーシング/パノスGフォース・トヨタ）が2位に約0.9秒の差で優勝。アリゾナ州のフェニックスに舞台を移しての第2戦では、全長1マイルのオーバルでトニー・カナーン（アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ・Honda）が約0.5秒差と、これまた僅差で勝利を収めた。

　2戦ともポールポジションを獲得したのは、Honda Indy V-8を使用するカナーンだった。平均時速が300キロを超えながら、1周のラップタイムにおける差が100分の1秒、1000分の1秒という小さなものとなるインディカー・シリーズの予選は、第3戦「ブリヂストン インディジャパン 300マイル」でも見られることになるであろう。同レースの行われるツインリンクもてぎは、スムーズな路面とコース幅の広さを特徴とするスーパー・スピードウェイで、決勝の300マイル・レースは開幕戦のホームステッド以上のハイ・スピードで争われるものと見られている。

　「ブリヂストン インディジャパン 300マイル」を前にしてのシリーズ・ポイント争いは、ドライバー部門はカナーンが2番手以下に9ポイントの差をつけてリードしており、エンジン・マニュファクチャラー部門はHondaとトヨタが同点の17点で並び、シボレーが10点でこれを追っている。エンジン、シャシーの開発も3戦目を迎えてさらに進んで来ていることから、ツインリンクもてぎでの戦いは、これまでの2戦以上に熾烈なものとなるはずだ。

　過去2年連続でシリーズ・タイトルを制しているアメリカ人ドライバーのサム・ホーニッシュJr.、同じくインディ500で2年連続優勝を遂げているエリオ・カストロネベスら、20名以上のトップ・ドライバーたちによるオープンホイール・マシン・バトルは、アメリカン・モータースポーツならではの、サイド・バイ・サイドのスリリングな、一瞬たりとも目の離せないレースとなるに違いない。