HONDA The Power of Dreams

■日時 ： 2月4日
■開催地 ： カリフォルニア州フォンタナ
■サーキット ： カリフォルニア･スピードウェイ
■コース全長 ： 2マイル/約3.2km（スーパー･スピードウェイ）
■天候 ： 快晴
■気温 ： 23．3度

　ハイ･スピードでの接近戦を売り物とするインディカー･シリーズは、開幕を3週間後に控え、出場全チームを集めて公開合同テスト＝“ザ・テスト・イン・ザ・ウェスト”を開催した。
　サーキットは全長2マイルのカリフォルニア･スピードウェイで、シリーズ中で最も高速のバトルが繰り広げられるコースだ。

　今シーズンから参戦を始めるHondaは、第4戦のインディ500から出場することが決まったダン・ウェルドン（アンドレッティ･グリーン･レーシング）を加えた3チーム、6人のドライバーへのエンジン供給を行う。
　今日のテストでアンドレッティ･グリーン･レーシングのトニー･カナーンは、平均時速222．547マイル（32秒3527）を記録。出走した22台の中でトップ3に食い込んだ。他のドライバーたちも全員がほぼトラブル･フリーで1日の走り込みを行ない、スムーズな滑り出しを見せた。
　今日のトップはフェリペ・ジアフォーネ（モー･ナン・レーシング）で、ラップ･スピードは225．714マイル（31秒8988）だった。2年連続チャンピオンのサム･ホーニッシュ（パンサー･レーシング）、女性ドライバーのサラ･フィッシャー（ドレイヤー＆レインボールド･レーシング）、インディ500で二度優勝しているアル・アンサーJr.（ケリー･レーシング）とエリオ・カストロネベス（チーム･ペンスキー）など、インディカー･シリーズの人気ドライバーたちも勢力的に走行を重ねた。日本人ルーキーのロジャー安川は今回が3回めのテストで、61周を走り込み、予定していたプログラムを着実にこなした。

　テストではチームごとに目的が異なるため、単純にラップタイムの比較で成果を判断することはできない。チームによってはラップタイムの良し悪しよりも、マシンのフィーリング、セッティングの方向性確認に重点を置いている場合などがあるからだ。
　今回は今年初めて3メーカーのエンジンと2コンストラクターのシャシーが揃ったテストとなったが、序盤は各チームとも単独走行でマシン単体の性能を確認。多くの周回数を重ねた後の午後遅くなってから、走行時間終了間際に、ようやく多くのマシンが同時にコース・インし、集団でポジションを入れ替えながらスリリングな走行シーンを披露した。
　Hondaドライバー6人は合計338周＝676マイル（約1087マイル）を走行。エンジン開発に有効なデータを多く収集することができた。

　ザ・テスト・イン・ザ・ウェストは、この後アリゾナ州フェニックスに場所を移し、2月7、8日の2日間、全長1マイルのショート・オーバルで行なわれる。

●マイケル・アンドレッティ（アンドレッティ･グリーン･レーシング） 今日はカメラマンのために数周を走っただけだったけれど、とてもフィーリングは良かった。私はここでのレースには出場しないので、あまり走らなかったんだ。フェニックスのレースには出場するので、次のテストではもっと走るよ。

●トニー･カナーン（アンドレッティ･グリーン･レーシング） 今回のテストには、走れることができればいい、というぐらいの考えで来たんだ。チーム全員がいっしょに走るのは今回がまったく初めてなので、いかに組織だった動きができるかがテーマだった。結果には十分満足しているよ。ベストのラップはドラフティング（スリップ･ストリーム）を利用したものだったけれど、今日は４回目のテストなので、まだまだインディカーというものを勉強している最中なんだ。マイケル・アンドレッティが１日中テストを見ていてくれたことも私にとっては大きなプラスだった。

●ダリオ･フランキッティ（アンドレッティ･グリーン･レーシング） 多くのマシンといっしょに走ることができた点は非常によかったと思う。トニー・カナーンととても接近した状態で走って集団走行をした際にマシンがどのような反応を示すのかを確認することができた。チームメイト全員といっしょに走り、情報を交換し合えたことも大きな収穫だった。今回のテストは、チーム全体としていかにして働くかがチェック項目になっていて、非常に大きな成果を上げることができた。

●ダン・ウェルドン（アンドレッティ･グリーン･レーシング） 2003年型のダラーラ･ホンダに乗るのは初めてだったが、去年乗っていたインディカーと性格が非常に似ているとわかった。トラブルもあって長い時間走ることはできなかったけれども、チームメイトが多くいるので、データはたくさん集めることができた。そこから学ぶことができる点は大きなアドバンテージになる。

●ケニー･ブラック（チーム･レイホール） 多くのことを今日は試すことができた。朝のセッションで速いタイムを出し、そこから様々なセッティング変更を施していった。期待していたスピードには到達できなかったけれど、我々は今日のテストの前には２回しかテストをしていない。ここまではとても順調に来ていると思う。

●ロジャー安川（スーパーアグリ･フェルナンデス･レーシング） 多くの項目がやるべきこととしてリスト･アップされていましたが、そのほぼ全てをこなすことができました。小さなトラブルがあったので少し課題を残しましたが、多くの周回を重ね、秋にここでレースをする時のセッティングの方向性は確認することができましたので、全体的には満足できるテストだったと思います。次のフェニックスでのテストが楽しみです。

●ロバート･クラーク（HPDジェネラル･マネジャー） 今日のテスト結果には満足している。シーズン開幕を目前に控えて、十分に競争力のある位置につけていることがわかったからだ。今後は細かい部分を改善して行く。エンジンには耐久性もあり、素性が良いことも確認できたので、これからはドライバー用のチューニングである、ドライバビリティや燃費、“ソフト・レブ・リミッター”、“ピット･レーン･スピード･リミッター”を集中的にテスト、改良していく。