HONDA The Power of Dreams

F1参戦5年目を迎えたLucky Strike B・A・R Hondaは1月14日、スペイン・バルセロナで新車発表会を行なった。根底からエンジニアリング基準が見直されたニューマシンB・A・R Honda 005は、より高い戦闘力が期待出来る仕上がりになっている。このマシンは昨年から技術部門の指揮を取るテクニカル・ディレクター、ジェフ・ウィリスの下で開発が行なわれた。前年の004と比べ、いっそうの小型、軽量化に成功。重心も低くなり、空力性能も向上している。

ニューマシンB・A・R Honda 005の開発に当たっては、デザイン哲学と製作工程が大きく見直された。FIA(国際自動車連盟)の定めたクラッシュ・テストの基準は当然クリアされた上で、各部のバルクヘッドは軽量化されている。Xトラック社のパーツが組み込まれたアルミ合金ケーシングのギアボックスは、精密鋳造法で作られたまったくの新型。大幅に改善されたサスペンションは、トーション・スプリング形式となり、全体的な軽量コンパクト化に大きく貢献している。燃料供給および冷却系も見直され、これまでより使用パーツが10％少なくなり、より軽量な素材を採用するなど洗練された。

2003年シーズンはまた、Hondaのエンジン供給がB・A・Rのみに絞られ、両者の協力関係はいっそう緊密度を増す年となる。新しいRA003Eエンジンは、より軽量コンパクトと低重心を実現しながら、パワー、トルク性能の向上に成功している。HondaとB・A・Rの共同作業は、車体開発においても更に緊密に行なわれる。またHondaは今年からチームの公式スポンサーとなった。

ブリヂストンはチームのオフィシャル・タイヤ・サプライヤーとして5年目となった。この冬に定められた新しいテクニカル・レギュレーションにより、各チームはそれぞれのマシンに適したタイヤを使えるようになった。シーズン前のテストでは、B・A・Rとブリヂストンは緊密に作業を行ない、開幕に向けて完璧なパッケージの開発を行なう。

今日の新車発表会でステアリングを握ったのは、新しくB・A・Rドライバーとなったジェンソン・バトン。元世界チャンピオンのジャック・ビルヌーブとコンビを組み、現在のF1界で最も注目すべきドライバー・ラインアップの一つとなった。若干22歳、F1歴4年目のジェンソン・バトンは、B・A・Rが将来的にタイトルを獲得する為のマシンを提供してくれると確信している。

チームは、新車発表と共に新たなコーポレート・アイデンティティを発表した。名称は「B・A・R」とシンプルになり、新しいデザインはチーム内の新たな態勢とチーム独自の価値、文化の象徴となっている。2003年のカラーリングは、Lucky Strikeのロゴをイメージした、白と赤の配列となっている。今回の変更で、スポンサーは今後、より明確なアイデンティティとパーソナリティを持ち合わせたF1チームと契約を結ぶことになり、この巨大スポーツイベントにおいて大きな利益を享受することになろう。

B・A・R Honda 005は、現地時間15日に、バルセロナのカタルニア・サーキットでジェンソン・バトンがステアリングを握り、初テストを行なう。

Lucky Strike B・A・R Hondaチーム代表　デビッド・リチャーズのコメント
「2003年はB・A・Rにとって、チャレンジングな1年になるだろう。我々はこの冬の間に、充分な進化を遂げることが出来た。パートナーであるLucky Strike、Honda、そしてブリヂストンと協力して行くことで、世界選手権を制するという将来的な目標達成に向け、大きく進歩することが出来ると確信している。とは言え、ライバルチームも昨年までのポジションに甘んじるはずはなく、我々としてはシーズンを通して目標を達成する為に努力して行かなければならない。 戦闘力を大きく増したマシンを得て、ジャック・ビルヌーブはそのたぐい稀な才能を発揮することが出来るだろう。F1歴4年目のジェンソン・バトンも、トップドライバー達に挑戦するだけの準備が出来ている。Lucky Strike B・A・R Hondaの第3ドライバーには佐藤琢磨も加わり、どのチームと比べても遜色のないドライバーラインアップが出来たと自負している。」

Honda F1・プロジェクトリーダー　木内健雄のコメント
「B・A・Rへの更なる協力、チームへのHondaとしてのスポンサーシップ、そしてニューエンジンの投入は、F1最高レベルでの我々の戦いの決意の象徴となるものです。今年、Lucky Strike B・A・R Hondaチームは、ファンの方々にエキサイティングなレースを提供出来ると確信しています。」