モータースポーツ > Honda Racing Gallery > その他 > IDEMITSU MOTION MUGEN CIVIC

テンロク200馬力オーバーの驚速シビック

1990/IDEMITSU MOTION MUGEN CIVIC (出光MOTION無限シビック[4輪/レーサー])

VTEC搭載のB16Aエンジンを武器にJTCで高人気を誇ったEF9型シビック

Text/Racing on  Photos/HidenobuTanaka, i-dea

1990/IDEMITSU MOTION MUGEN CIVIC (出光MOTION無限シビック[4輪/レーサー])

1990年全日本ツーリングカー選手権出場車 No.100 中子修/岡田秀樹

90年から投入されたDOHC VTECのB16Aエンジン。前型のZC型も最終期には195馬力まで性能向上を果たしていたが、B16Aでは当初より205馬力を発生していた。このエンジンは後継モデルのEG6型にも搭載され、最終的には230馬力までパワーアップした。

90年から投入されたDOHC VTECのB16Aエンジン。前型のZC型も最終期には195馬力まで性能向上を果たしていたが、B16Aでは当初より205馬力を発生していた。このエンジンは後継モデルのEG6型にも搭載され、最終的には230馬力までパワーアップした。

もっともエンジンパワーの上昇はそれ以外の各部に想像以上の負荷を与えることとなり、レースでは致命的になるようなトラブルも多発した。それはレーシングシビックの持病とも言える課題で、車高を下げたためにドライブシャフトに上半角がついてしまい、ギヤボックス側の等速ジョイントやジョイントブーツに負荷がかかって走行不能に陥るというトラブルが多発したのだ。無限はブーツの山を減らして形状を鋭角にしたり、ステンレスのブーツバンドで締めているところにガス抜きを設けて中の圧力が上がらないようにしたりするなどの対応を施し、徐々に信頼性は確保されていった。

無限が開発した車両は、ユーザーチームにも供給されてシビックの戦線は拡大した。カーナンバー100をつけた出光MOTIONシビックはシビックユーザーの中核でありエース的存在であり、先行開発車でありチャンピオン候補筆頭であった。彼らは初戦の西日本こそクラス5位に終わったものの翌戦SUGOで2位に入ると第3戦鈴鹿で優勝、第5戦西仙台ハイランドでも勝ちドライバーズランキングではシリーズ3位となった。メーカータイトルの方はトヨタを6ポイント差で退け、見事4年連続で獲得している。中子と岡田のコンビネーションは次代のEG6に乗り換えても続き、91、92年と連覇を達成している。

BACK

| 1 | 2 |

 

IDEMITSU MOTION MUGEN CIVIC

1990/出光MOTION無限シビック[4輪/レーサー]

IDEMITSU MOTION MUGEN CIVIC[4輪/レーサー]

SPEC

シャシー

全長×全幅×全高 3995×1680×1300mm
ホイールベース 2500mm
トレッド(前/後) 1440/1445mm
サスペンション
(前後とも)
ダブルウイッシュボーン
トランスミッション 5速MT
車体重量 800kg以上
ステアリング ラック&ピニオン
ブレーキ(前後とも) 油圧式ベンチレーテッドディスク

エンジン

型式 B16A
形式 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
総排気量 1595cc
ボア×ストローク(mm) 81.0×77.4mm
最大出力 205ps以上/7800rpm
最大トルク 18.5kg-m/7500rpm

その他

NEXT JACCS CIVIC