2018鈴鹿8耐 計時予選

Red Bull Honda with 日本郵便が2番グリッドを獲得。MuSASHi RT HARC-PRO.Hondaは4番グリッドから明日の決勝に挑む

7月28日(土)、真夏の祭典「鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)」の決勝レースに向け、上位10台のグリッドを決めるトップ10トライアルが15時30分から16時10分までの40分間で行われる予定でしたが、台風12号の影響を考慮し、27日(木)の予選でトップ10に進出したチームのみで計時予選が行われることになりました。出走バイクは各チーム1台で、時間内であれば、どのライダーが走ってもいいというルールで実施。各チームからは基本的に2名のライダーがアタックを行い、ライダー交代のタイミング、タイヤのチョイスはそれぞれチームごとに考慮して、ライダーをコース上へと送り出しました。

Red Bull Honda with 日本郵便は高橋巧と中上貴晶、MuSASHi RT HARC-PRO.Hondaはドミニク・エガーターとランディ・ドゥ・プニエと水野涼、au・テルルMotoUP RTは長島哲太とイサック・ビニャーレス、KYB MORIWAKI MOTUL RACINGからは清成龍一と高橋裕紀。そしてTeam Sup Dream Hondaからは作本輝介、岩戸亮介の2名が走行を担当しました。

Red Bull Honda with 日本郵便

Red Bull Honda with 日本郵便

 計時予選では、まず高橋巧が2分06秒798でトップタイムを記録します。しかしその直後にブラットリー・レイ(ヨシムラ スズキ MOTUL)が2分06秒642を記録すると、マイケル・ファン・デルマーク(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が2分6秒471を出し、トップタイムが次々と塗り替えられていく怒涛の展開に。その後、レオン・ハスラム(Kawasaki Team GREEN)が2分05秒984でトップにたちます。セッション中盤には、シケインで津田拓也(ヨシムラ スズキ MOTUL)が転倒を喫するも、自力でピットに戻ります。作本(Team Sup Dream Honda)もシケインで転倒しますが、自力で再スタートを切りました。中上がアタックし、区間ベストを記録しながらシケインに差し掛かりますが、他チームのマシンに引っかかってタイムをロスしてしまいます。しかしそれでも2分06秒127を記録し、2番手に浮上します。ジョナサン・レイ(Kawasaki Team GREEN)は2分05秒722で首位に立ちました。アレックス・ローズ(Kawasaki Team GREEN)が2分6秒170、ランディ・ドゥ・プニエ(MuSASHi RT HARC-PRO.Honda)が2分06秒177と、多くのチームが6秒台のタイムを連発する中、レイは2分05秒403と、自らのラップタイムをさらに詰めることに成功しました。

MuSASHi RT HARC-PRO. Honda

Team SuP Dream Honda

最終的に、ポールポジションを獲得したのはKawasaki Team GREEN。2番手にRed Bull Honda with 日本郵便、3番手にYAMAHA FACTORY RACING TEAMがつけました。そのほかのHonda勢は4番手にMuSASHi RT HARC-PRO.Honda、au・テルルMotoUP RTが7番手。9番手にKYB MORIWAKI MOTUL RACING、10番手にTeam Sup Dream Hondaという結果となりました。

au・テルル MotoUP RT

KYB MORIWAKI MOTUL RACING

高橋巧|#33 Red Bull Honda with 日本郵便(2番手)
「今年は自分もソフトタイヤを履いてアタックをしたいと思っていましたが、あまり好みに合っていないのかうまく使うことができず、1回目のアタックはレース用タイヤで出て2分06秒7。これでは厳しいと思い、調子のいい中上選手に託しました。そこでしっかりとタイムを出してくれたので、よかったです。明日に集中しようと思います」

中上貴晶|#33 Red Bull Honda with 日本郵便(2番手)
「ソフトタイヤを投入して、タイムを狙いました。2分05秒台には届かなかったので、その悔しさはありますが、2番手獲得という結果で最低限の仕事はできたかと思います。チームとして、予選はそこまで重要視しておらず、決勝でどうすれば勝てるかということだけに重点を置いて、テストからレースウイークまでを進めています。明日は3人で力を合わせて、とにかく優勝だけ目指してがんばります」

パトリック・ジェイコブセン|#33 Red Bull Honda with 日本郵便(2番手)
「HRCファクトリーチームに参加できて、本当にうれしく思っています。チームメートにも恵まれて、すばらしい走りでいいラップタイムを出してくれました。中上選手の言うように、予選よりもレースペースを重視して取り組んできました。明日は安定したペースで走りきりたいと思います。天候は気になりますが、どんな環境でもベストを尽くして、チームへ呼んでもらった期待に応えられるようにしたいと思います」

ランディ・ドゥ・プニエ|#634 MuSASHi RT HARC-PRO. Honda(4番手)
「最後のアタックでは全力でプッシュした結果、4番グリッドを獲得できました。正直言ってソフトタイヤで2分6秒台を出せるとは思っていなかったので、この結果には驚きましたね。コンマ数秒を縮められれば、全体で2番手にも入れていました。今日で僕らのチームに速さがあることが分かったので、とてもうれしいです。予選を終えてレースへの自信はさらに増しましたが、明日はレースです。予選のことは一回頭から追いやって、8時間を戦い抜くための戦略をこれからチームと考えていかなければなりません。自信はあるので、明日は表彰台を目指しますよ」

ドミニク・エガーター|#634 MuSASHi RT HARC-PRO. Honda(4番手)
「チームメートのランディ(ドゥ・プニエ)がすごくいいタイムを出してくれて、4番手に入ることができました。僕個人としてはもっと速く走れると思っていたのですが、うまくペースをつかむことができませんでした。昨年の鈴鹿8耐で出したタイムの方が速かったので、その点は残念です。ただ重要なのは決勝日に8時間をしっかり戦い抜けるようなペースをつかむことですし、僕らのチームが正しい方向性に向かっていることも間違いないので、決勝に向けての準備はできています。明日のレースで4番グリッドからスタートできるのはポジティブなことです。楽しみにしています」

水野涼|#634 MuSASHi RT HARC-PRO. Honda(4番手)
「個人的には、今日はあまりいいタイムが出せなかったですね。ただ、ランディがいいタイムを記録してくれて、チームの雰囲気がさらによくなったと思います。おかげでいい雰囲気のままレースに挑めるので、表彰台を目指してがんばります。今日は速いタイムを記録しているチームが多かったですが、予選はあくまで一発タイムで、レースではアベレージタイムが重要です。そこに関してもどんどん上がってきていると思うので、プレッシャーはありません」

秋吉耕佑|au・テルル MotoUP RT(7番手)
「今日の計時予選では、長島哲太選手が2分07秒246というタイムを最後に出してくれて7番手となりました。最後に僕のタイムを抜かれてしまいましたね。本当は6秒台も出したかったんですが、もう一歩、届かなかったですね。ただうちのチームはライダー全員のアベレージが高いので、明日はドライであれば9秒〜8秒台で安定して走っていこうと思います。今は明日に備えて身体のケアを行っているところです。ライダーもみんな、明日に向けて集中できていると思います。チームみんなでレースのためにやってきていますから、明日は少しでも多く上の順位を目指します」

長島哲太|au・テルル MotoUP RT(7番手)
「予選では、自分にとっては初のトップ10進出となりました。今日は天候の影響により計時予選となったんですが、ラップを重ねるごとにタイムが上がっていて、40分間のセッションの中でチームのベストラップとなるタイムが記録できたのですごく満足しています。チームが毎日がんばってくれていることがなにより嬉しいですし、明日の決勝レースに向けて、ライダー3人とも仕上がってきています。明日は天候がどうなるかまだ分かりませんが、もし荒れた天気になっても秋吉さんがいれば全く問題ないと思います。経験豊富なライダーですし、むしろそれがアドバンテージになると思います。表彰台は難しいかもしれませんが、やっぱり目指すところはそこだと思うので、全力でがんばります。応援よろしくお願いします」

清成龍一|#19 KYB MORIWAKI MOTUL RACING(9番手)
「天気が少し変わりましたので、昨日とまた走りのフィーリングが違いました。それは想定内でした。今日の練習走行ではメインカー、Tカーのチェック、あとレース用のタイヤをチェックして終わったという感じですね。マシンはこれまでと大きくは変わらないです。基本レースウイークに入ってからイジっていません。テストで煮詰めてからは、本当に小さいアジャストくらいですよ。トップ10トライアル(計時予選)でいいタイムが出ませんでした。トライはしてみたのですが、マシンは一発アタック用に作っていませんので、そこは仕方がないです。それを分かって踏まえた上での予選でしたので、悔しい気持ちは強いですが、その気持を明日にぶつけようと意気込んでいます」

高橋裕紀|#19 KYB MORIWAKI MOTUL RACING(9番手)
「正直言って、ライダーという立場からするともう少し速く走りたかったという気持ちがあります。やっぱり悔しいです。でも、これが現実です。別に走りでミスがあったとか、マシンに問題があったというわけではありません。やることをやった結果がこれですから、それを受け止めないといけません。これで無理をしてがんばっても転倒などトラブルにつながりますから、今の自分たちの力を把握して落ち着くのも大事だと思います。でも、だからと言って、諦めてレベルを引き下げる走りはしません。ギリギリのところで勝負をしないといけないのですが、じゃあギリギリまで攻めなかったという感覚はありません。明日もこのまま継続して、周りに惑わさされず自分たちのベストをつくすだけです」

岩戸亮介|#79 Team SuP Dream Honda(10番手)
「昨日失敗した柔らかいタイヤをやめて、別の新品タイヤを履きました。トップ10トライアルを走ってみたかったのですが、計時予選になったことで速いライダーと一緒に走ることができて、走り方についてとても勉強になりました。昨日は出せなかったのですが、ベストラップを更新できたので、それを素直に喜びたいところなのですが、2分7秒台まであとコンマ2秒だったと思うとかなり悔しいです。予選はもう終わりましたから気持ちを切り替えて決勝に向けて集中したいと思います」

作本輝介|#79 Team SuP Dream Honda(10番手)
「計時予選では転倒してしまい……。思うようにタイムを伸ばすことができなくて個人的にはがっかりしています。ブレーキングの時に失敗し、リアが暴れてしまいまして、それでしっかり減速することができませんでした。チームスタッフに申し訳ない気持ちでいっぱいです。チームがトップ10に進めたことはうれしいのですが、個人としてはタイムを詰めきれていないですし、乗っていてしっくりきていない部分もありますから、明日の決勝はできるだけそこを改善していけるようにやりたいと思います。天候がよめないんですが、完走して可能なかぎり上の順位でチェッカーフラッグ受けられるようにがんばります」

順位 No. チーム名 マシン ベストタイム/差
111Kawasaki Team GREENカワサキ2'05.403
233Red Bull Honda with 日本郵便Honda +0.724
321YAMAHA FACTORY RACING TEAMヤマハ +0.767
4634MuSASHi RT HARC-PRO. HondaHonda +0.774
512ヨシムラ スズキ MOTULスズキ +1.239
695S-PULSE DREAM RACING・IAIスズキ +1.353
7090au・テルル MotoUP RTHonda +1.843
87YART-YAMAHAヤマハ +1.984
919KYB MORIWAKI MOTUL RACINGHonda +2.725
1079Team SuP Dream HondaHonda +2.797
モータースポーツ >  2018 鈴鹿8耐  >  計時予選

News