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Red Bull Honda with 日本郵便

Vol.01「8耐ファンを魅了した最強チームの復活へ」

全日本ロードレースは、第4戦の菅生大会でシリーズ前半戦が終了。これでチームは、鈴鹿8耐へと向かうことになった。Hondaワークスチームが鈴鹿8耐に挑むのは実に10年ぶり。監督の宇川徹が言う、何年にもわたって鈴鹿8耐の栄光に輝いてきた「憎たらしいくらい強いチーム」の復活に向け、鈴鹿8耐の勝利奪還を至上命令に新生「Team HRC」が本格的に始動した。

そして、今年初めての合同テストを迎える。7月5日(木)に4メーカ合同テスト、7月6日(金)にタイヤメーカーテストが行われ、初日は高橋巧、2日目には日本人唯一のMotoGPライダーとなる中上貴晶が合流し、テストを消化した。

高橋巧

雨に見舞われたテスト。しかし、やるべき項目は多い

シリーズ前半戦を終えて、全日本ロードレースが一段落。Team HRCは、鈴鹿8耐へ向けて新たなスポンサーを迎え入れ「Red Bull Honda with 日本郵便」として活動をスタート。7月6日(木)の4メーカー合同テストでは、CBR1000RRWの鈴鹿8耐用マシンも公開された。

Red Bull Honda with 日本郵便

高橋巧(以下、高橋): 「カッコいいですよね。全日本のTeam HRCが『Red Bull Honda with 日本郵便』って名前になるだけで、Hondaのバイクレースのトップチームという感じですし、いろんな人の想いが上乗せされるというか、そんな感じがします。とはいえ、自分のやることが変わるわけじゃないし、必要以上に力を入れるわけじゃないのですが、身が引き締まる思いがします」

高橋巧

鈴鹿8耐本番を1カ月後に控え、いよいよ事前テストにも本格的に熱が入るタイミング。しかし、この2日間のテストは、両日とも雨に見舞われてしまった。本来ならば、鈴鹿8耐の本番を想定して、テストのときもなるべく本番の気象コンディションに近い、つまり気温は40℃を越え、路面温度は60℃に達する、そんな条件の中で1本のタイヤで1時間/25周以上も周回する――それが理想のテストなのだ。

宇川徹

宇川徹(以下、宇川): 「もちろん晴天で走れるに越したことはないですが、雨でもやることはたくさんあります。レース本番だって、雨が降ることはありますからね。天候や路面状況がどうであれ、すべて本番を想定して動く、それが本番を見据えたテストですから」

テスト初日は、高橋のみの参加だった。朝から降り始めた雨で、路面状態はウエット。ここで高橋は、Red Bull HondaカラーのCBR1000RRWを初乗り。鈴鹿8耐用のマシンは、新しいカラーになっただけではなく、もちろん世界耐久選手権のレギュレーションに合わせた仕様が施されている。

高橋巧

宇川: 「8耐用マシンは、普段の全日本用にはない耐久用ヘッドライトやバッテリー類、タイヤ交換前提の補器類などがあるから、どうしても重くなります。さらに最低重量が全日本とは違いますから、そこをレギュレーションに合わせて対応しています。ほかにもガソリンが違うこともあって、燃料噴射のセッティングも専用のものにします。その重くてパワーフィーリングの違うマシンで、いかに速く走れるようになるかが、本番までのテストのテーマです」

高橋巧

CBR1000RRWは、レギュレーションに合わせて全日本選手権JSB1000クラス用に165kg、鈴鹿8耐用には172kgの重量で仕上げられる。1kg(1000g)の差さえ敏感に感じ取るレーシングライダーにとって、この7kgは大きな違いだ。しかし、高橋はこのマシンをスムーズに乗り込むことができていた。もともと雨を苦手としない高橋にとって、ほかのライバルたちが苦しむであろうウエットコンディションは、アドバンテージを広げる武器になると自覚している。

高橋巧

8耐用テストのウエット走行は、ドライ用のセッティングで走り込む

8耐テストでのウエット走行は特別なもの。「すべて本番を想定して動く」との宇川監督の話どおり、テストでは「ドライ路面で走行していて、急に雨が降って来たとき」用のテストをするのだ。つまり、レイン用のマシンセッティングではなく、ドライ用のマシンセッティングにレインタイヤという組み合わせ。8耐本番ではそういう局面が数えきれないほどあるし、必ずしも路面とマッチしたセッティングで走れるとは限らない。事実2014年の8耐で優勝した高橋(当時HARC-PRO.)は、最後の走行タイミングで雨が降り始め、最後の30分ほど雨のナイトセッションをスリックタイヤで走破し、ライバルチームを突き放したこともあった。

午前中の走行セッション、高橋は2番手以下を1秒4も引き離してのトップタイムをマーク。午後の走行は、雨が止み、さらに路面もウエットからドライコンディションへと乾いていくタイミングだったため、走行は取り止め。終盤に、ピット練習のために何度かコースインしただけだった。

中上貴晶

宇川: 「午後は、中途半端なコンディションだったから、走行は取り止めました。もう少しウエットのままか、もう少し乾いてくれたら、それ用のセッティングやデータ取りもできたんですけどね。巧も、特にこの2018年仕様になってからのマシンでの雨に絶対の自信を持っているので、大丈夫です」

明けて2日目には、中上がテストに合流。中上は、7月1日(日)に決勝レースを終えたオランダGPを終え、そのままチェコ・ブルノサーキットでMotoGPマシンテスト。そのテストを早めに切り上げての来日で、そのまま鈴鹿入りした。

中上貴晶(以下、中上): 「チェコを出発して、日本に着いたのが5日16時ごろ。そのまま新幹線に乗り、鈴鹿入りできたのが21時ごろでしたから、疲れがちょっとありましたが、テストにはまったく問題ありません」

その中上も、新しいCBR1000RRWの新しいカラーリングに「カッコいい!」とひと言。このときばかりは、多忙なスケジュールの合間を縫って日本にやってきたMotoGPライダーというより、一人のバイク好きの青年の顔に戻っていた。

Red Bull Honda with 日本郵便

しかし、中上が走行する6日も無情の雨。マシンに乗る時間が限られているからこそ「ドライで思いきり走らせてあげたい」というチームの願いはむなしく、初日より強まった雨脚に、レインスーツを着てのコースインだった。

中上: 「今日は僕が雨に慣れるための完熟走行の意味合いが大きかったですね。ドライ路面で走りたいですけど、8耐で雨が降ることだってあるしもともと雨はそんなに好きじゃないんですよ(笑)。なので、少しでもテストで走り込んでおきたいですからね。最近、MotoGPでもあんまり雨はないし、マシンも新型、それもワークスマシンということもあって、マシンにも雨にも慣れるため、巧君の走行時間も全部もらって走りました」

中上貴晶

ニューマシン、久しぶりの雨となった午前の走行で、中上は3番手のタイムをマーク。そしてウエット路面では、少しずつペースを上げるやり方で、いつの間にかトップタイムをマークした。最終的にはタイムは更新されてしまったが、初乗りでの3番手タイムは上々。宇川監督も、中上の適応能力の高さに驚いていた。

この日、1時間半の走行枠を2本走りきった中上。午後には雨が強まり、ヘビーウエットでの最終的なタイムは5番手となったが、限られた時間をいっぱいに使って、中上は再びMotoGPの舞台へ舞い戻ることになる。テストを終えた4日後にはもうドイツへ飛び、MotoGPドイツグランプリに出場するのだ。

中上貴晶

中上: 「たしかにきついスケジュールですが、そんなこと言ってられません。この鈴鹿にはリベンジしに来たんですから」

中上は昨年、高橋、ジャック・ミラーとチームを結成しての鈴鹿8耐で、自らの転倒で大きく順位を落とし、その後もタイヤトラブルで後退。表彰台にも上がれず、4位に終わってしまった苦い記憶がある。

中上: 「タイヤのスローパンクチャーってトラブルもありましたが、去年は僕のミスが敗因でした。あれからもう、どれだけ悔しさを味わったか……。リベンジの機会まで一年まるまる待たなければならないんで、この8耐はめちゃめちゃ気合が入ってるんです。今年は、メンバーに選ばれるかどうかも分からないうちから、自分の中では楽しみにいていたし、準備をしていました。だから、今年の8耐にかける思いはだれにも負けないくらい強い。あのままじゃ終われないし、一年も待ったんですからね。僕個人はもちろん、巧君にも迷惑かけたし、Hondaのワークスチームとしても負けられないですからね!」

中上貴晶

中上にとって、初出場した2010年から3度目の出場となる今大会。初年度はチームが優勝したものの中上の出走はなく(高橋巧/清成龍一が出走)、2度目の出場となった17年に悔しい思いを味わっているだけに、まさに3度目の正直となるのが今大会なのだ。

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