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KYB MORIWAKI MOTUL RACING

Vol.01「2年目の挑戦、成果をみせるとき」

清成龍一

昨年、9年ぶりに鈴鹿8耐復活を果たしたモリワキ。予選7番手からスタートした決勝レースでは、2時間20分ほど経過した61周目に転倒。それで下位に沈んだが、チーム、高橋裕紀と清成龍一の両ライダーは決して下を向かず、全力を出して8時間のゴールまで駆け抜け、25台以上を追い越し27位でゴールした。

モリワキエンジニアリングの創業者であり、代表取締役の森脇護監督は、最後まで走りきったライダーを称えながら「やっぱり8耐はすごい。こんな難しいレースはなかなかないですよ。だから楽しみなんですけどね。なにがあっても走りきる。最後まで諦めないこと。それがモリワキに受け継がれてきた精神です」とレース後に語った。そして「レースをやっている最中から次のことを考えていましたね。来年もやりますよ。このままじゃ悔しくておさまらんですよ!」と、挑戦を続けることを約束していた。

高橋裕紀

一年間の経験で培ってきたチーム力

公言通り、モリワキは今年も鈴鹿8耐にやってきた。

定番であるゼッケン19番はそのまま、新たにKYBとスポンサー契約を締結し『KYB MORIWAKI MOTUL RACING』チームになった。ライダーは昨年と同じ、高橋、清成、ダン・リンフット。高橋、清成は、今シーズンの全日本ロードレース選手権JSB1000クラスにも参戦中で、両ライダーとも表彰台に登る結果を出してきた。7月5日(木)の4メーカー合同テスト、6日(金)のタイヤメーカーテストには、その日本人コンビが参加した。

清成龍一、高橋裕紀、森脇護

同じライダーが継続的に走り、昨年より理解度と熟成が進んだ彼らのCBR1000RR SP2の走りに大きな期待が高まるところ。8耐創成期からトップ争いをして、その歴史に名を刻んできたモリワキだからこそ、昔から多くの根強いファンがいる。1984年から本格的にHondaとタッグを組んで今年で35年目にもなる。

テスト初日、森脇護監督はピットで静かにチームの作業とモニターに映し出されたライダーの走りを見守り、今年の決勝レースに向けて意気込んでいた。

森脇護

森脇護:「去年は久しぶりの参戦で、8耐までにいろいろ段取りをするので精一杯やった。今年は去年を経験し、そこからいろんなところに手を入れて、煮詰めてきたから確実に仕上がっていて戦闘力は高いですよ。ただレースはなにが起こるか分からないので全力を尽くしてやるだけ。ミスをしないようにして、悔いが残らないようなレースをやらないと。それができたら結構いいところに入るんじゃないかな。チームの雰囲気もいいですし、手応えはありますね」

2017年の夏に悔しい転倒をしてしまった清成は「全日本のレースは走る距離が短いですが、鈴鹿8耐はレース中の気温も高く走る距離も長いです。ライダーの体力も必要で、全日本のものがまったく通用しないんです」と、全日本での結果と進化はあるけれど8耐は別物と、これまで多くのドラマを生んできたこのレースを戦うことの難しさを慎重に話した。

清成龍一

雨のテストでつかんだ、確かな手応え

テスト初日は、雨が強く降ったり、時には小降りで止みそうになったりと、基本はウエット路面。しかしフルウエット、ハーフウエットと路面コンディションは変化した。モリワキチームは、焦らず一つひとつ丁寧に確認するように2台のマシンを精力的に走らせ、3回の走行枠をこなした。

高橋裕紀

鉛色の空とは反対に、走行を終えた2人のライダーの顔に曇りはなかった。「ほぼイチからの8耐用マシン作りではなく、ベースができているところからのスタートなので、タイムはすぐに上げられました」と高橋は自信をのぞかせた。清成は「まだ手探り」と前置きをしながらも「タイムの上がり方、2人ともリズムが同じで、求めているものも同じだったので、なにをしないといけないか分かりました」と前進したことを言葉で表現した。

清成龍一

翌日のテスト2日目は昨日より雨が強まり、各マシンが跳ね上げる水しぶきは確実に大きくなった。転倒者も増える中、この日もモリワキは2台のマシンを走らせ、2回目の走行で、清成がトップタイムを記録。10年ぶりに登場してきたHondaワークスだけではなく、ほかにも強力なチームがあるけれど、トップ争いをして表彰台の真ん中に立つという目標への意気込みが、カラ元気ではないことを裏付ける走りだった。

清成龍一

モリワキCBRの特徴は、Honda有力チームの中で唯一ピレリタイヤを使うことだ。全日本ロードレース選手権でもずっとピレリ製タイヤを使ってきた。ほかとは違うということはハンデにもなるが、マシンの仕上げや戦い方次第で逆に有利にも働く。会社誕生のころから、オリジナルの工夫とアイデアで勝負してきたモリワキらしい選択である。そうした、あえて違う道を行き、挑戦する姿勢がファンの心をつかんできた。

清成龍一

高橋は「雨の中でいいリズムで走れ、調子は上向きだと思います」と、まだ作業は多く残っているけれどマシンに高いポテンシャルがあることが分かったとポジティブな発言をした。速さをみせた清成は「雨は得意ではないんです。転ぶことが多い。ドライでも転ぶんですが(笑)。 だからライディングをもっとマシンに合わせるための練習のつもりで走りました」と冗談を交えながら、ピレリのレインタイヤに前向きなものが見つかったこと、それとともに車体のセッティングも進んだと雨の2日間テストを総括した。

高橋裕紀

高橋:「強力で速いライバルを相手にモリワキのチーム力で立ち向かい、8時間後に結果を残せるようもっとがんばっていきたい」

清成:「走るからには低い目標で走るつもりはないです。やはり狙うのは優勝。それに向けて可能な限りの力を注ぎ込むだけです」

表彰台に登る道のりは簡単ではないけれど、不可能ではない。森脇護監督曰く「いつも眼の前に見えてはいるんだけど、手が届きそうでなかなか届かないだけ」

高橋裕紀

モリワキのコーポレートスローガンとして“モノ作りにこれでいいと言う終わりはない。レースに勝っても、最高のパワーが出ても必ずそれ以上がある。歩みは遅い、100分の1秒ずつ、0.1ミリずつかもしれない。だからこそ、未来が楽しい”とある。海と空の青、大地と精神の黄という代名詞的なモリワキカラーのマシンと実力のあるライダーが、8耐の大舞台で躍動するために着実な歩みをスタートさせた。

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