鈴鹿8耐 速報レポート

■2時間後レポート

7月29日(日)、鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)の決勝が、11時30分にスタートしました。厚い雲に覆われていた鈴鹿は、開始直前から強い雨が降ってきて、路面はウエットコンディションとなり、ほぼ全車がレインタイヤを選択しました。

伝統のル・マン式でスタートし、2番グリッドの#33 Red Bull Honda with 日本郵便の高橋巧がオープニングラップを制すると、後続を大きく引き離しリードを築きます。雨が上がると急激に路面が乾いていき、高橋巧は18ラップ目にピットインしてスリックタイヤへ変更。ライダーは変わらず高橋巧が続行しました。このピットインで順位を失い、4番手となります。その後、前を走るライダーの転倒もあり3番手に浮上。46ラップ目には中上貴晶にライダーを交代しています。

世界タイトルに挑む#5 F.C.C. TSR Honda Franceは、12番手からフレディ・フォレイがスタート。1時間経過時点で15番手に沈むも、そこから徐々に順位を上げていき、現在、交代で入ったジョシュ・フックが7番手を走行中。そのほかのレース再開後は、トップを争う2チームとのタイム差を3秒台まで縮めながら追い上げます。この時点でトップ3チーム以降は2ラップダウン、大きく差が開きました。雨のスタート時からスリックタイヤをセットしていた#19 KYB MORIWAKI MOTUL RACINGは、一時50番手近くまで順位を落とすも、現在は10番手まで追い上げています。#634 MuSASHi RT HARC-PRO. Hondaは、スタートライダーのランディ・ドゥ・プニエが転倒。マシン修復後、追い上げのレースに挑んでいます。

■4時間後レポート

13時55分、#88 CLUB NEXT & MOTO BUMがヘアピンで転倒。マシンから火が上がってしまい、トップが65ラップ目に入ったところで、セーフティカーが導入されます。3番手を走行中だった、#33 Red Bull Honda with 日本郵便の中上は、首位と同一グループに入り、バックマーカーをはさみ約8秒の差でトップ争いを追いかけます。レース再開後、トップ争いの後ろで、3秒差までタイムを縮めて上位を狙います。上位3チーム以降、2ラップダウン。大きく差が開きます。

76ラップ目、#33 Red Bull Honda with 日本郵便の中上がピットイン。素早いピットワークで、2度目のスティントとなる高橋巧を送りだします。ポジションは変わらず3番手。トップグループが86ラップ目に入った時点で、#090 au・テルル MotoUP RTが4番手に浮上、#5 F.C.C. TSR Honda Franceは6番手に後退、#22 Honda Asia-Dream Racingが7番手、#25 Honda Suzuka Racing Teamが8番手、#19 KYB MORIWAKI MOTUL RACINGが9番手とトップ10以内につけます。#634 MuSASHi RT HARC-PRO. Hondaは、怒涛の追い上げで20番手までポジションを戻しました。

99ラップ目、2番手につけるヤマハ、トップのカワサキの順にそれぞれ4回目のピットインを実施。カワサキはピットインの直前でスローダウン。これでタイムを失います。3番手の#33 Red Bull Honda with 日本郵便はピットインのタイミングを3周遅らせて、高橋巧から2度目の走行となる中上に交代。ポジションは2番手に浮上しました。

レースは、半分の4時間が経過した段階でトップの周回数が105ラップに突入。#33 Red Bull Honda with 日本郵便は、トップと約16秒差で2番手につけています。

■6時間後レポート

16時ごろになると、上空は再び厚い雲に覆われました。126ラップ目、トップのヤマハが5回目のピットストップを行った直後に、鈴鹿には再び雨が降り出しました。#33 Red Bull Honda with 日本郵便は、この雨の中でピットインのタイミングを伺いながら走行を続けます。雨脚が強くなった129ラップ目、デグナーカーブで#634 MuSASHi RT HARC-PRO. Hondaの水野涼が転倒。再スタートが切れず、本日2度目のセーフティカーが入りました。

16時40分、雨は横殴りになり、路面をどんどん濡らしていきます。この状況をみて、#33 Red Bull Honda with 日本郵便はセーフティカーラン中にピットイン。レインタイヤに履き替え、初スティントとなるパトリック・ジェイコブセンがCBR1000RRWにまたがりました。

セーフティカーラン中のスロー走行でも転倒するマシンが相次ぎ、スリックでの走行がほぼ不可能になると、次々にピットインが始まりました。トップを走行していたヤマハもピットインし、これにより先に入っていた#33 Red Bull Honda with 日本郵便がトップに躍り出ました。

しかしレースが再開されると、2番手のヤマハがすぐに差を詰めてきて、ジェイコブセンをとらえます。その直後、コース上のオイル処理のため、3度目のセーフティカーが導入されました。

そのほかHonda勢は、#090 au・テルル MotoUP RTが波乱の展開となったこの時間帯をうまく切り抜け4番手をキープ。#5 F.C.C. TSR Honda Franceも6番手を守り抜き、タイトル獲得に向け残り2時間を戦います。

■8時間後レポート

コース上のオイルが処理が終わりセーフティカーが解除されたのは17時41分。雨は上がりましたが、路面はハーフウエット状態のまま、ラスト2時間の戦いが始まりました。#33 Red Bull Honda with 日本郵便のジェイコブセンは、バックマーカーをかわしながら、逃げるヤマハを追いかけます。再開後1周目を終えた段階で、その差は3秒859。しかし徐々に差は広がっていきました。

17時50分、4番手を走行していた#090 au・テルル MotoUP RTの秋吉耕佑が逆バンクで転倒。マシンはピットに運ばれスタッフによる修復作業が行われますが、大きく順位を落とすことになりました。

レースが残り1時間半になるころ、路面は徐々に乾いていき、レコードラインはウエットからドライに変わっていきます。チームによっては、ピットインのタイミングでスリックタイヤに履き替え、ライダーを送り出します。トップのヤマハもスリックタイヤに履き替えました。#33 Red Bull Honda with 日本郵便は、ジェイコブセンのスティントを引っ張りますが、タイムが大幅に落ちてきたこともありピットインを指示。中上がスリックタイヤでコースに向かいました。

残り1時間になると、#5 F.C.C. TSR Honda Franceがタイトルを争っているライバルチームと一騎打ちを展開し、会場を盛り上げます。しかし、世界耐久選手権でのポイントランキングで10ポイントのリードを築いていることもあり、#5 F.C.C. TSR Honda Franceは無理をせず落ち着いて対応します。この頃サーキットの陽は落ち、鈴鹿8耐おなじみのライトオンボードも提示されます。

残り30分、#33 Red Bull Honda with 日本郵便がトップから1分13秒遅れで2番手。以下、#5 F.C.C. TSR Honda Franceが5番手、#22 Honda Asia-Dream Racingが7番手、#19 KYB MORIWAKI MOTUL RACINGが8番手、#111 HONDA ENDURANCE RACINGが9番手と続きます。8番手を走行していた、#25 Honda Suzuka Racing Teamは、マシンから白煙が上がりストップ。ライダーを担当していた安田毅史がコースサイドでガクッとうなだれ、悔しいリタイアとなりました。

#33 Red Bull Honda with 日本郵便はピットストップの回数を減らし、中上選手が最後まで走りきりましたがトップには届かず。10年ぶりの挑戦は2位表彰台獲得という結果となりました。タイトルをかけて鈴鹿8耐に挑んだ#5 F.C.C. TSR Honda Franceは、最後まで確実に走りきって5位でフィニッシュ。見事、日本のチームで初めて世界耐久タイトルを獲得しました。以下、トップ10には、#22 Honda Asia-Dream Racingが7位、#19 KYB MORIWAKI MOTUL RACINGが8位、#111 HONDA ENDURANCE RACINGが9位に入りました。

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