2020年のイデミツ・アジア・タレント・カップがロサイル・インターナショナル・サーキットで開幕。レース1は優勝した濱田寛太と2位のルーキー古里太陽が100分の3秒差でフィニッシュするイデミツ・アジア・タレント・カップらしい接戦となりました。経験で勝る濱田はスリップストリームを上手く使ってペースを上げました。マレーシアのシャリフディン・アズマンは3位表彰台を獲得しました。

スタートでは、ポールポジションの古里が飛び出し、濱田とアズマンは追撃を開始。2番グリッドからスタートしたオーストラリアのハリソン・ヴォイトは転倒を喫しますが、そこから挽回を図ります。リードする古里に濱田が並びかけその後ろにアズマンが付けますが、アズマンは古里と濱田のペースに及びません。そのままトップグループは2台態勢が続き、レース残り3分の1まで互角の走りが続きます。残り5周になるとスパートが切られ、濱田はスリップストリームを使いリードを狙います。濱田は最終ラップのターン1で外に膨らんでしまいますが、古里も外に膨らみ接戦が続きます。

濱田は古里の後ろに付けてスリップストリームを使うと、フィニッシュライン直前で前に出て0.032秒差で勝利を掴みました。古里はシリーズデビュー戦で2位という成績を残しました。3位表彰台を獲得したのはアズマン。4位、5位も接戦となり、彌栄群が五十嵐翔希を0.009秒差でかわしました。6位から11位までも1秒以内に入る接戦で、6位にシャルル・シャリル、7位に本郷雅也、8位に若松怜、9位にカーター・トンプソン、10位にマックス・ギボンズ、11位にミカイル・サリフとなりました。序盤でクラッシュを喫したヴォイトは12位で終わりました。

レース2ではアズマンが申し分のない走りで今シーズン初勝利、シリーズ2勝目を飾りました。レース1で優勝した濱田は0.049秒差で2位に入りポイントランキング首位に。ヴォイトが3位表彰台を獲得しました。

スタートでは、古里がポールポジションからホールショットを奪いますが、濱田、アズマン、彌栄、ヴォイトが後ろに付け、5台でトップグループを形成しました。そして、そのトップグループの中で頻繁に攻守が入れ替わる白熱した展開に。

最終ラップの最終コーナーで古里が引き離しにかかりますが、上手くいきませんでした。アズマンが背後からペースを上げて横に並ぶと、トップでフィニッシュ。濱田も古里を抜くと、アズマンから約0.05秒差の2位に。さらにヴォイトが3位に入り、古里は4位でレースを終えました。彌栄はさらに約0.2秒差で5位に。6位争いを制したのはオーストラリアのギボンズで、五十嵐は7位でした。続いて8位に若松、9位にサリフ、10位にシャリル、11位にトンプソン、12位に本郷と続きました。