10月5日(土)に行われたイデミツ・アジア・タレント・カップ第4戦、タイ大会のレース1で、松山拓磨が集団から抜け出し、独走態勢を築いて、シーズン初勝利を飾りました。2位にはハージュン・アトナ・フィルダウス、3位にはシャリフディン・アズマンが入り、ともに初の表彰台登壇を果たしました。

平穏なスタートが切られましたが、ポイントリーダーの西村硝が転倒し、さらに後続も巻き込まれるかたちに。これを切り抜けた松山が独走態勢を築きます。
一方、2番手集団の戦いが激しさを増します。フィルダウス、アズマン、タットチャコーン・ブーシュリ、アフリザ・ムナンダル、五十嵐翔希、アデナンタ・プトラ、ムハマド・イディル・フィトリと、計7人が2番手を争う展開に。しかし、プトラはジャンプスタートのペナルティーを受け、グループから脱落してしまいます。
2番手集団の中で、ブーシュリとムナンダルは快調にラップを刻んでいるかに見えましたが、実際にはそうではありませんでした。最終コーナーに集団が突入する中、五十嵐が無理にオーバーテイクを仕掛け、フロントのグリップを失って転倒。ブーシュリとムナンダルも行き場をなくし、同時に転倒してしまいます。この一件で、五十嵐にはレース2のグリッド降格処分が下されました。
結果として、フィルダウスとアズマンが抜け出すかたちになり、そのまま表彰台を勝ち取りました。4番手でチェッカーを受けたフィトリもタイムペナルティーを科されて8位に後退。4位にはピヤワット・パテゥミヨウ、5位にはワイルドカードで参戦したブアパ・トゥラキットが入りました。
このほか、6位にはジェイコブ・ジョン・ロールストン、7位には坂東遼翼、9位にプトラ。ワリット・ソングノパクンは10位でチェッカーを受けました。

翌6日(日)に行われたレース2でも、ファイナルラップの最終コーナーまで続いた攻防を制し、松山が連勝を果たしました。アズマンが2位、ムナンダルが3位で、それぞれ表彰台に上りました。
レース2、好スタートを切ったのは、ブーシュリでした。レース1の悔しさを晴らすかのようにホールショットを奪い、ムナンダルらを置き去りにします。松山が2番手から追いかけますが、だれかが大幅なリードを奪うことなく、数珠つなぎでレースは進行。一方で、西村が徐々に引き離され、トップ集団から脱落してしまいます。
さらに、松山の勢いは止まらず、残り8周というところでついにトップへ。そのままギャップをどんどんと広げていきます。
しかし、残り4周というところでアズマンが猛追を開始。集団から抜け出すと、松山との差を縮めにかかります。最終ラップ、最終コーナーまでもつれた争いを制したのは、松山でした。松山は最終コーナーまで気を緩めず、トップチェッカーを受け、アズマン、ムナンダル、ブーシュリが続きました。
ロールストンは西村やプトラとの接近戦に競り勝って5位。ソングノパクン、パテゥミヨウの後に続いたのは、グリッド降格ペナルティーを受けた五十嵐。逆境を跳ね返し、トップ10入りを果たしました。

シリーズは終盤に突入。第5戦は日本のツインリンクもてぎで行われます。