西村硝が逆転でチャンピオンを獲得
3勝を挙げた松山拓磨がランキング2位
イデミツ・アジア・タレント・カップ(IATC)は、FIMロードレース世界選手権(MotoGP)、FIMスーパーバイク世界選手権などのアジアラウンドと併催され、全6大会(11レース)が開催された。アジアの若手ライダーが世界を目指して参戦するカテゴリーで、歴代チャンピオンの多くはMotoGPのMoto2クラス・Moto3クラスに活躍の舞台を移している。2019年シーズンは最終戦までチャンピオン争いが展開され、4勝した西村硝が悲願のタイトルを獲得。年間ランキング2位は、シーズン中盤に3連勝を飾った松山拓磨となった。
開幕戦は、3月のカタール大会。レース1は西村が優勝、松山が2位でフィニッシュした。翌日のレース2も両者が最終ラップまでトップ争いを繰り広げ、ほぼ同時にフィニッシュラインを通過。写真判定の結果、西村が松山に0.020秒差をつけて連勝を飾った。翌週にタイで行われた第2戦のレース1では、アフリザ・ムナンダルが勝利、西村は2位。クラッシュが続き赤旗中断となったレース2でも西村は2位となり、ランキングトップを堅持した。
6月に開催されたマレーシアでの第3戦は荒れた展開となり、レース1は多重クラッシュのため、残り5周の時点で赤旗が出されて終了。西村がシーズン3勝目を挙げ、松山は3位表彰台。レース2は西村、松山ともにノーポイントに終わった。
10月の第4戦は再びタイで行われ、松山が2レースとも優勝した一方、西村は12位・6位に終わり、ポイントランキングのトップに松山が浮上した。第5戦は日本のツインリンクもてぎが舞台。レース1は松山が、レース2は西村が制し、優勝を分け合うかたちとなった。
ランキングトップの松山、12ポイント差で2位の西村、3位のムナンダルにタイトル獲得の可能性が絞られ、最終戦マレーシア大会を迎えた。大会中のアクシデントにより、ムナンダルが亡くなる。シャリフディン・アズマンがレースを制し、2位に入った西村が逆転でタイトルを獲得。インドネシア人ライダーのアデナンタ・プトラが3位となり、同郷のムナンダルに捧げる表彰台となった。