決勝日:6月26日(土) 開催地:カナダ ケベック州・モンサンタンヌ コース距離:1.5km スタート地点標高:400m ゴール地点標高:160m 標高差:240m コースコンディション:非常にテクニカルな森林セクション、ハイスピードな前半、ドライ&ロッキー 天候:晴れ・風 気温:スタート地点/19℃ ゴール地点/19℃
グレッグ・ミナー選手の連勝は今大会でストップした。決勝のコース前半で2回のクラッシュに見舞われ、これによりHonda RN01のフロントブレーキ・レバーが破損。しかしそのような状態でも見事完走を果たした。チームメイトのシリル・クルツ選手は、決勝20位。Team G Cross Hondaに加入後、初めてのワールドカップ・トップ20位入りを達成した。
今大会は非常に困難なコンディションであった。いくつかのセクションは選手たちの実力が高く要求され、特に森林セクションでは剥き出しの岩や根、滑りやすい泥が、選手たちの行く手を阻んだ。木曜日の公式練習終了後、夜になるとモンサンタンヌの山に豪雨が降った。金曜日、大量の水を含んだコースでの公式練習は、レースオフィシャルの判断により、少しでもドライになるのを待ちながらの、2時間遅れで始まった。金曜日の時点で、ミナー選手はトップ3に入る走りを見せ、クルツ選手も非常に調子の良い状態で公式練習を終了した。
予選前の公式練習時間は1時間15分と非常に短かったため、2回走行するのが限界であった。クルツ選手は2回の走行を終え、納得した様子で早めに切り上げた。一方ミナー選手は1回目、不運に見舞われた。ハイスピードでコースを攻め、2回も前を走行するライダーに追いついてしまい、コース途中で止まっているライダーへのクラッシュを余儀なくされた。オフィシャルによるイエローフラッグの表示など、事前通知が全くなかったため、コース上に止まってしまったライダーが居ることを認識することができなかった。その後、Team G Cross Hondaのメカニックにも大きな負担がかかった。公式練習時間内にHonda RN01を再整備し、破損したフェンダーを付け替え、ミナー選手に2本目を走ってもらわなければならない。何とか2回走行することのできたミナー選手は、最終的なライン取りに満足し、予選へと向かった。
予選では、第1走者のスティーブ・ピート選手(イギリス)が2分54.53秒という最速タイムを記録した。そして、第2走者のサム・ヒル選手(オーストラリア)も2位につけ、予選を通過。ミナー選手は第9走者であったが、3位での予選通過タイムを叩き出した。クルツ選手も調子よく出走し、13位で予選を通過した。Team G Cross Hondaの両選手が上位20位以内で予選を通過し、決勝では更にタイムを縮める手ごたえを感じる中、チーム全体の期待が大きく膨らんだ。
決勝では、クルツ選手が先に出走。ゴールした時点では10位につけていたが、まだ多くの選手が出走していなかった。クルツ選手の最終的なリザルトは20位。走行中にクラッシュはなかったものの、少々守りに入りすぎた決勝での走行であった。
そして、ミナー選手にとっては、非常にドラマチックな走行となった。コース上部では小さな転倒ではあったものの、RN01から落ちてしまう。すぐに立ち直り、走行を再開したが、リズムが崩れてしまい、次のコーナーでは前転しクラッシュを喫した。何とか復帰したが、このクラッシュでフロントブレーキのレバーが破損したことが判明。ダウンヒルレースにおいて、フロントブレーキが効かないということは、無謀なスピードで走行を続けることを意味する。そして、泥で滑りやすくなってしまった路面では、ゴールまでバイクをコントロールするのでさえも困難を極める。しかし、そのような状況下でも何とか29位で完走したミナー選手は、貴重なワールドカップ・ポイントを22ポイント獲得した。
Team G Cross Hondaは次のUCIワールドカップ第5戦の開催地である、カナダのアルバータ州・カルガリーに移動する。UCIマウンテンバイク・ワールドカップは6大会から形成されており、どの大会で獲得したポイントも総合ランキングに反映される。
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