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UCIマウンテンバイク世界選手権2004
グレッグ・ミナー、世界選手権で銀メダル獲得

決勝日:9月11日(土) 開催地:フランス レ・ジェ コース距離:2.1km コースコンディション:埃っぽく滑りやすい、テクニカルなハイスピードコース 天候:晴天 気温:スタート地点/18℃ ゴール地点/22℃

 Team G Cross Hondaの南アフリカ共和国出身ライダー、グレッグ・ミナー選手は、フランスアルプスのオートサヴォワ地方で2年連続2度目の世界チャンピオンを狙って世界選手権に挑んだが、残念なことに、0.56秒差で惜しくもタイトル獲得を逃した。非常に短く、埃っぽいコースは、あらゆるトップライダーにとって難関となった。ベストコンディションで臨んだミナーだったが、やや守りに入った走りとちょっとしたテクニカルな問題が銀メダルという結果をもたらした。ミナー選手のチームメイトで、ジュニアクラスに出場していたシリル・クルツ選手は、小さなアクシデントが全体のリズムを崩す起因となり、それが大きなクラッシュを招いた。クルツ選手にケガはなかったものの、彼に落胆の色は隠せなかった。

 決勝前の公式練習は、この時期には珍しく期間中を通して晴天が続いた事もあり、素晴らしくスムーズに展開した。Honda RN01のパフォーマンスにも問題はなく、ライン取りの選択肢が非常に限られているショートコースの解析に時間が費やされた。というのも、この様なコース条件でのレースは、戦略勝負と心理戦に発展するためである。またTeam G Cross Hondaは多くの時間をかけて、2選手だけでなくライバル選手の走行もビデオで撮影した。これが公式練習中のタイムトライアルと組み合わされ、そのすべてが、ミナー選手、そしてクルツ選手の決勝における万全なレース戦略の構築に役立った。

 世界選手権では、通例的に予選は決勝日の2日前の木曜日に開催される。天気予報では、木曜日と土曜日の午後に雨天の可能性があるとの発表がされていた。この天気予報と、日々ラフになっていくコースコンディションを考慮し、チームはミナー選手の出走順を終盤にする事が望ましいと判断。ミナー選手は予選の終盤で10秒ほどコース上で停止する調整を行い、予選順位を落とすことで決勝の出走順を早める作戦に出た。しかし、使用するマキシスタイヤに(2.5幅ではなく2.7を使用したという)ミスがあり、スリップしながらの走行だったものの、彼の中間通過タイムは目を見張るタイムで、3位に匹敵する早さだった。クルツ選手は5位あたりで予選通過を狙っていたが、予想よりも4秒早くゴールし、2位での予選通過を果たした。

 決勝日の午前中は、弱い雨が降っていたが、決勝直前の1時間に及ぶ公式練習中に、コースはすっかり乾き、決勝を開催する頃には待ちわびる3万人のダウンヒルファンで会場は埋め尽くされた。クルツ選手の目標タイムは、2分48秒で、スタート直後は着実ですばやい走行を見せた。しかし、森林セクションで、リアタイヤがコースから外れ、樹木に接触し、2秒のタイムロスを喫してしまった。中間地点では、上位入賞の可能性が高かったが、このタイムロスを挽回しようとしたクルツ選手は、ハイスピードなセクションでクラッシュし、最終的には46位で大会を終えた。昨年3位に入賞し、先日病から立ち直り、世界レベルで戦えるまでにコンディションを整えて来たクルツ選手にとっては、非常に残念な結果となってしまった。今大会が開催される1週間前のスイスカップでは、ジュニアライダー(今大会の3位入賞者、カイル・ストレート選手)よりも12秒も早い実績をもっているだけに、その悔しさもひとしおである。

 ミナー選手の出場したクラスのレースで、早い出走がベターであるという戦略をとろうとしたチームはTeam G Cross Hondaだけではなかった。サム・ヒル選手は非常に遅いタイムで予選を通過し、決勝では、早い段階でスタート。順当にトップの座を獲得した。次に会場の声援を大きく受け、人気の高さを見せた選手はグレッグ・ミナー選手。彼はヒル選手のタイムを塗り替え、トップの座を奪取したが、7分後には、今大会で最も地元の観客に人気の高いファビアン・バレル選手がミナー選手のタイムを更新した。この3名の選手はその後1時間ほどトップ3の座を保持し、最終的にメダリストとなった。しかし、それも順風満帆というわけではなかった。イギリス・シェフィールド出身の、29歳、スティーブ・ピート選手が最終走者となったが、途中素晴らしい走りを展開した。中間地点では、首位に1秒もの差をつけて駆け下りてきたピート選手が優勝を手にするかと思われたが、最後の30秒ほどでクラッシュし、世界チャンピオンに手が届かずに大会を終えた。最後の最後でこのラフなコースを制したのは、早期出走を戦略として立てた3名の選手。ミナー選手は、2001年の銅メダル、2003年の金メダルに続き、今大会銀メダルを獲得したことによって3色すべてのメダルを手中に収めた。

 Team G Cross Hondaの次なる目標は、イタリアのリヴィーニョにて開催されるワールドカップ最終戦。当イベントが開催される会場は2005年のUCIマウンテンバイク世界選手権の開催地でもある。つまり、今大会に参加することにより、1年後の世界戦でどのようなコースが待ち受けているのか、下見を兼ねることができる。ちなみに来週のこのイベントが今シーズン最後のメジャーイベントとなり、オフシーズン期間中、チームはテスト走行を入念に行う予定だ。

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#1 グレッグ・ミナー (2位入賞)
「今日のリザルトは自分にとって良い結果だったと思っています。もちろん常に優勝を意識していたし、初めて参戦するHondaのためにも世界選手権でタイトルを獲得したいとも強く思っていました。しかし、夢は叶いませんでした。今日の走りはやや守りに入っていました。流れるように滑らかでしたが、緊張していたからか、ちょっとエッジが不足していたかもしれません。しかし、私個人としては、結果的に良いリザルトだったと思います。早めに出走するというチームの戦略に間違いありませんでした。このコースで遅いスタートはもっとハードなチャレンジになっていたでしょう。短いコースで、更にあまりラインの選択肢がないコースは得意としないので、本当に銀メダルが獲得できて嬉しく思っています。過去12ヶ月、世界チャンピオンの座につけたことは大変名誉に思っています。そしてまた、いずれ返り咲きたいと強く思っています」

#5 シリル・クルツ (46位)
「愕然としています。どうしてこんなことになったのか、未だに想像できません。先週から本当に万全の態勢でここまで来ました。今回の予選も心持楽に通過できました。そしてHonda RN01というベストのバイクも準備万端でした。未だにこの結果に納得できていません。今できる事と言えば、ただ来週リヴィーニョで行われるワールドカップ最終戦でこの失態を挽回し、今回のリザルトが突飛だったことを証明するだけです。今回全力でサポートしてくれたTeam G Cross Hondaのチームメイトにはただただ申し訳なく思っています。彼らのために唯一できることは、来週まで前向きに、そして自分の本来の実力を発揮できるよう心掛けることだけです」

マーティン・ホワイトリー:チームディレクター
「今回の世界選手権を振り返ると、とても複雑な心境です。もちろん、Team G Cross Hondaは初年にして表彰台に上る事ができ、そして銀メダルを獲得できたのは着実な走りを披露してくれたミナー選手のお陰です。それは、大変喜ばしく思っています。しかしその一方で、クルツ選手は非常にアンラッキーでした。今回は多くの事を学ぶ事ができました。またこれを生かして、2005年にイタリアで開催される世界選手権では、Hondaに世界チャンピオンの栄光を持って帰りたいと思っています」

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