決勝日:8月1日(日) 開催地:アメリカ アイダホ州・シュヴァイツァーマウンテン コース距離:2.6km コース コンディション:非常に起伏が激しく、岩の多い、埃っぽいコース 天候:乾燥した猛暑 気温:32℃
Team G Cross Hondaの筆頭ライダー、世界チャンピオンのグレッグ・ミナー選手が3大会連続優勝を決め、3週間のレースブレイクを終えても勢いの止まらないところを見せつけた。NORBAダウンヒルシリーズ第4戦の開催地となったアイダホ州シュヴァイツァーマウンテンは、埃っぽく、起伏の多い2.6kmのコースとして知られている。ミナー選手は過去、このコースをあまり得意としていなかった。しかし、今レースでは、Honda RN01を優勝に導き、3大会連続優勝のみならず、総合ポイントランキングでも50ポイント近くの差をつけて、シリーズ優勝を目指しさらに大きくリードを広げた。
公式練習中は気候が安定しておりHonda RN01の大がかりな調整は必要なく、公式練習はスムーズに行われた。しかし、このコースの最大の特徴は、過酷な腕の伸縮運動をライダーに要求する、世界でも有数のタフなコースであること。つまり、練習走行の数をいかに設定するかが重要な鍵となった。コースを十分知るための走行数と、オーバートレーニングで身体的に決勝日に影響しない走行数とのバランスを取ることが最大のポイントとなった。
レース当日は、午後に行われる決勝を見据えて腕に余力を残すため、予選では、やや保守的に走行したミナー選手。通常、1ライダーにつき予選と決勝のスタートタイム間隔は2〜3時間の余裕があり、予選から決勝にかけてリカバーするには十分な時間である。しかし、ここは、平均以上に過酷なコース。守りに入っての走行はつまり、ラフセクションでの全体的なスピードダウンを意味し、実際ミナー選手は走行中何度もコース上の穴やわだちにタイヤを取られ、更にタイムをロスしてしまった。予選では安定したスムーズな走行を目指していたミナー選手だったが、1位で予選を通過した2003年ワールドカップチャンピオンで今シーズン、シリーズ初出場のネイサン・レニー選手に7秒の大差をつけられてしまった。
レニー選手とのタイム差を確認した後、ミナー選手は決勝の戦略を立てた。つまるところ、どれだけコーナーの立ち上がりでスピードを維持できるかにかかっていた。これにより、山肌のコーナーをつなぐ穴やわだちに沈み込まず、上を浮くように通過できる。しかしこれを達成するためには、ミナー選手の身体能力がHonda RN01のしなりに調和しなければならない。ミナー選手はスタート前までの時間を調整してウオームアップバイクで十分に準備運動をした。そして、いよいよ決勝の出走。彼は大きな事故もなく、ほぼパーフェクトな走行を披露し、4分30秒を切った唯一のライダーとなった。予選1位のレニー選手はわずか1.2秒差で2位と健闘した。
チームメイトのシリル・クルツ選手は、来月開催される世界選手権の出場権を獲得するために、彼が登録している連盟の規定に従いヨーロッパのレースに参戦している。7月18日(日)には、フランス選手権に出場し、スタート直後に「やや保守的に走りすぎ」ながらも、ジュニアカテゴリーで2位に入賞した。そして、昨日8月1日(日)行われたヨーロッパ選手権ではもっとアグレッシブに走ることを決断し、表彰台を狙える走行をしていたものの、樹木をクリップした後のちょっとしたスピードの判断ミスで、コースアウトしてしまい、再びスピードに乗るまでに貴重なタイムをロスした。最終的にクルツは5位(優勝者から4.8秒差)で大会を終えた。
両ライダーとも、次週はコロラド州アスペンで開催されるNORBA第5戦(残り2大会)に出場する。その後、彼らはコロラドで高山トレーニングを2週間行う予定となっている
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