決勝日:5月23日(日) 会場:アメリカ カリフォルニア州ビッグベア湖 コース距離:1.5 マイル (約2.4キロ) コースコンディション:ドライ 天候:快晴 気温(決勝時):スタート地点/19℃ ゴール地点/22℃
アメリカ国内戦であるNORBAシリーズが5月23日(日)、カリフォルニアのビッグベア湖畔近くにある標高の高いスノーサミットリゾートで開幕した。Team G Cross Hondaのグレッグ・ミナー選手(南アフリカ共和国)は、予選1位、決勝9位。シリル・クルツ選手(フランス)は、予選22位、決勝14位でスタートを切った。
本大会はこれまでにない4人制ダウンヒル通称「ダウンヒルマニア」として開催された。選手が予選ではタイムを競い、決勝では4名1グループの16シードに分けられる。各ヒートで、上位2名が次のラウンドに駒を進め、3位と4位の選手が脱落するというトーナメント形式のレース。大会のオーガナイザーにより、ダウンヒルマニアの予選と決勝のリザルトそれぞれに、ポイントを50%ずつ分けて与えられることとなった。
このレースの公式練習が2日間に渡って行われ、Team G Cross Hondaのグレッグ・ミナーとシリル・クルツの両選手のプラクティスは、順風満帆。新しい2004年モデルHonda RN01にも大きな問題はなかった。しかし、シリルにとっては、彼が慣れているヨーロッパのアルプス地域とはコンディションが大きく違い、埃っぽく、かなりドライなコンディションに慣れることが最大の課題であった。大会に備えて両ライダーとも2週間前から現地入りしたことは大きなメリットであった。
本大会がシリルにとって初のアメリカでのレース出場となったわけだが、グレッグにとってはビッグベア湖の当開催地にもずいぶんと慣れており(1999年にはここで開催されたワールドカップでジュニア選手であるにも関わらず、10位に入賞した)、2003年NORBAシリーズチャンピオンとしてのタイトル防衛初戦でもあった。
予選は午前11:30にスタートし、選手はセミプロ男子、プロ女子、そしてプロ男子と出走。グレッグ・ミナーは、昨年のシリーズチャンピオンということで1番のバイクプレート(ゼッケン番号)をつけ、最後からの出走者となった。グレッグの出走30分前に、シリルが出走し、2分28秒99でゴールラインを通過、暫定で4位につけた。しかしグレッグがコースを下ってくる頃には、2002年ワールドカップチャンピオンのスティーブ・ピート(英)が2分22秒31をたたき出すなど、着実に予選通過タイムが速くなっていた。そこへグレッグがゴールラインを割ると、ピートを0.5秒超える圧倒的なタイムで、予選通過1位が確定した。出走した全78名のうち、シリルは22位と大躍進を収め、出場したジュニアクラスの最速選手となった。
決勝の第1ヒートでは、グレッグは大きく他の選手を引き離し、ゴール前にいたファンの前で派手なジャンプをする余裕まで見せ第2ラウンドへ駒を進めた。シリルは第1ラウンド中、4コーナーが残る所で3位となり、どこかで追い越しを図らなければならなかった。それをハイスピードなコーナーで見事やり遂げ、観客の大声援の中、第2ラウンドへ駒を進めた。第2ラウンドでもグレッグは新しいHonda RN01で見事にスピードに乗り、またも快勝し、予選のタイムはまぐれではないことを見せつけた。一方シリルは、自分より経験豊富なジャレッド・ランド(オーストラリア)や決勝で優勝したエリック・カーター(アメリカ)相手に多少苦労を強いられた。スタート後は3名の選手を追う形で4位につけていたが、コース中盤で3位に、そして再び大声援を送るファンの目の前で2位に上がった。これで、グレッグもシリルもファイナリスト16名に名を連ねた。しかし、両選手とも、次のラウンドで敗退となった。
ブリン・アトキンソン(オーストラリア)と前NORBAチャンピオンのジョン・カーカルディ(ニュージーランド)にスタートゲートではじき出されたグレッグは、コース上部で3位。アトキンソンを必死で追うものの、タイヤ半分の距離で惜しくも準決勝に駒を進めることができなかった。シリルは自分よりも強く、経験も豊富なライダーとの対戦となり、このヒートは4位で終了となった。
決勝戦の優勝者はベテランの34歳、エリック・カーター(アメリカ)。2位はデビッド・クラーセンバノールショット(アメリカ)で3位にはスティーブ・ピート。シリルは初のヨーロッパ外参戦で14位の快挙を成し遂げた。グレッグは9位で大会を終了したものの、ランキングとしてはトップ5以内で3週間後の第2戦ウェストバージニア大会を迎えるだろう。
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