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最終戦を終え、高橋はシリーズランキング3位に輝いた |
2003年JCFマウンテンバイクジャパンシリーズ・ダウンヒル最終戦が8月23日(土)、青森県モヤヒルズで開催され、ダウンヒルマシンHonda『RN01』を駆る『Team G Cross Honda』の#5井手川直樹選手が2位に入賞した。また、ジャパンシリーズ(J1)終了とともに2003年シリーズランキングも決定、シリーズ表彰が行われ、『Team G Cross Honda』の#14高橋唯之選手が獲得ポイントで今季シリーズ3位の表彰台へ上がった。
青森市内と津軽湾が眼下に広がるモヤヒルズでのジャパンシリーズ・ダウンヒルは、昨年より新コースとなって開催されている。ゲレンデの急な斜面を駆け下りるコースは、シリーズ戦の中では短めの距離だが、ロックセクションや登り返し、逆バンクも多く全体にテクニカルなのが特徴。練習日初日、両ライダーは練習走行のあと、マシンを降りて頂上からコースを丹念に歩きながら、難所セクションの攻略について研究した。
前日までの晴天から一変して、決勝日の会場は朝から強い雨と風で大荒れの天候となり、路面はまたたく間にウェットに滑りやすく変化した。予選では、井手川選手、高橋選手ともに数箇所で転倒やミスがあったものの、予選トップの竹本将史選手(#3 ブリヂストンアンカー)のタイム2分59秒52に続いて、井手川選手が3分09秒52で予選2番手に、続いて高橋選手が3分11秒36で予選3番手につける。
決勝は、降り続く雨の影響で予選時よりも滑りやすい路面となり、さらに後方スタートのライダーほど荒れたコンディションでの走行を余儀なくされる、厳しい状況の中で行われた。昨年のモヤヒルズ大会で優勝し、今年も優勝候補ナンバーワンと期待された井手川選手は、最大の難所とされたロックセクションで激しい前転クラッシュを喫してしまう。素早くマシンを立て直し、加速するものの、数秒のタイムロスとなる。結果はタイム3分09秒08で2位、優勝した竹本将史選手にわずか0秒25差及ばず、その僅差が惜しまれた。高橋選手はセクション出口などでライン取りにミスを重ねてしまい、5位となった。
ジャパンシリーズ全5戦中、高順位獲得4大会のポイント合計で、シリーズチャンピオンは合計ポイントを獲得した竹本将史選手(#3 ブリヂストンアンカー)に決定した。高橋選手は全5戦中2位を1回、3位2回、そして今大会5位で合計619ポイントを獲得してシリーズ3位となり、表彰を受けた。優勝1回、2位1回を記録した井手川選手はシリーズ5位となった。
次週8月31日(日)、『Team G Cross Honda』は新潟県苗場で行われるJCF/J2ダウンヒルに参戦する。今季最後のチーム参戦レースとなる予定で、J2大会での獲得ポイントは2003年ナショナルランキングへと反映される。ハイスピードセクションの多いダイナミックな苗場のコースで、両ライダーの活躍が期待される。
●2位 #5 井手川直樹選手 「トップと0秒25の差は、本当に悔しくて仕方がない。もしもロックセクションでの転倒がなかったら、もしもゴール付近でのわずかな失速がなかったら、と考えてもきりがないですが、これらを今後の反省点に、レース全体の組み立てを研究していきたい。来週こそは苗場で最高の力を発揮したいです」
●5位 #14 高橋唯之選手 「予選後、シリーズランキングを上げるために優勝しなくてはならないと自分に言い聞かせていたのですが、ダメでした。決勝のときは、転倒はしなかったのですがライン取りを上手くまとめることができずに、最後までペースを掴めないままゴールしてしまった。これから、もっと練習して頑張ります」
●伊田井佐夫監督 「井手川選手は練習日から調子が良く、本人も充分に気合が入り、第4戦に続いて今回も優勝の可能性は高いと見ていたので、それだけにロックセクションでの転倒は悔やまれます。大きなタイムロスをしながらのコンマ差での2位入賞は、考え方次第では悪くはないかも知れないが、スリッピーでテクニカルという悪条件の中でも優勝できることこそが真の実力です。両ライダーには、体力、テクニック、そしてメンタル面と総合的な強さを身につけるよう、チーム一体となって今後も頑張ります」
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