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RN01を駆って2位を獲得した高橋のライディング |
2003年シーズン・MTBジャパンシリーズのダウンヒル競技開幕戦となる富士見パノラマ大会が5月31日(土)に長野県の富士見パノラマリゾートで開催され、今シーズンよりダウンヒルマシン『RN01』を駆ってシリーズフル参戦する『Team G Cross Honda』の井手川直樹選手(#5)と高橋唯之選手(#14)がダウンヒル競技最高峰クラスのエリートクラスに出場。Hondaは初参戦ながらも高橋選手が2位を獲得する活躍をみせた。
ダウンヒルのメッカ・富士見パノラマリゾートは、距離が長くテクニカルセクションの多いコースで、ここ数年、ダウンヒル開幕戦の会場として定着し、一般ライダーにも広く親しまれている。
今年2月に『RN01』でのレース参戦を発表して以来、注目を集めていた『Team G Cross Honda』のピットブースには、多くの観客が話題の『RN01』を見ようと詰めかけた。
最高峰クラスであるエリート男子クラスのエントリーは94台。台風4号の影響で朝から雨の降り続く中、トレーニングセッション(公式練習)と他クラスの決勝ののち、12時15分から決勝進出者30台を決定するための予選が行なわれた。
予選はゼッケン順に、30秒間隔スタートでのタイムアタック方式。井手川選手は、好調なスタートを切ったものの、1.5kmほどの地点でフロントタイヤが岩にヒットしてパンク、ゴールまでスローダウン走行を余儀なくされ、予選74位で惜しくも初戦の決勝進出はならなかった。高橋選手は、危なげない走りで7分00秒14のタイムを記録し、予選6位につける。予選1位は、丸山弘起選手(#4 MTB magazine racing team)でタイムは6分50秒30。予選トップと約10秒の差に、高橋選手はセクションごとのイメージトレーニングで決勝への作戦を練る。
午後には雨足も多少弱まったものの、土が掘れてぬかるみ、コンディションはさらに悪化。選手たちはスリップ路面でのコントロールに苦戦し、全体にタイムダウン。エリート男子クラスの決勝は、3時35分からリバース方式で予選順位の30位から順に1分間隔のスタートで行なわれた。チームの期待を一身に担う形となった高橋選手は、19歳ながらも長年の豊富なレース経験を生かし、プレッシャーをはねのけ、7分4秒49のタイムで2位に入る健闘を見せた。優勝は内嶋亮選手(#1 A&F SANTA CRUZ)で、昨年の富士見大会に続き2年連続でテクニカルコースでの強さを見せつけた。
第2戦は6月14日(土)、島根県・三瓶山(さんべさん)で開催される。大会ごとに『RN01』もさらに進化し、最強のマシン作りへ向けた開発が行なわれてゆく。
●決勝2位 #14 高橋唯之選手 決勝のスタートではものすごく緊張しましたが、走り出したら意外とすぐに落ち着いて走ることができました。1回だけ、スピードが出たあまりに崖から落ちそうになったけれど耐えました。マディにもかかわらず、タイヤが滑らなくて走りやすかった。実は走りながら、この感じだとたぶん5位くらいかなあと思っていたのですが、2位を獲ることができてとても嬉しいです。第2戦の島根大会では、井手川選手と一緒にワン・ツーを狙えるように頑張ります。
●予選74位 #5 井手川直樹選手 練習日から自分もマシンも好調だっただけに、パンクは本当に悔しいです。予選では自分の想像以上にいい調子でスピードが上がったのですが、時間の経過と雨で路面状況が変化して、現れていた岩を瞬時に見つけることができず、タイヤをヒットしてしまいました。でも高橋選手が2位に入って、チームとしては良かったです。とにかく、第2戦に向けて頑張るだけです。
●伊田井佐夫監督
井手川選手のパンクは大変残念でしたが、そのぶん高橋選手が期待に応える形でよく頑張ってくれました。パンクはコース状況やライン取り、タイヤの空気圧などいろいろな要因で起こりうるアクシデントなので、今後はできる限りパンクを防ぐための作戦にも力を入れていきます。高橋選手はHondaがダウンヒルレース初参戦ということでプレッシャーも大きかったと思いますが、特に決勝では落ち着いた走りをしていました。マシンについては、事前テストを繰り返し行ない、レース時にはかなり良い状態まで仕上がってきました。ライダーたちもこのマシンに慣れてきて、とても気に入っていますから、今後のレースではぜひワン・ツーを目標にしていきたいですね。 |