先に行われた予選走行において、ミナーは最速タイムを記録するなど、ここ何年かで大のお気に入りとなったコースを悠々と攻略していた。レヒコイネンとフェアクローは、いずれも予選中に転倒したが、深刻な結果を招くことはなく、決勝での活躍が期待されていた。
大会会期中、フォート・ウィリアム上空はずっと雨雲に覆われており、練習走行の段階からあいにくのコンディションだったが、それでも多くの観客が訪れた。決勝ではイギリス、さらにアイルランド出身の選手が登場するたびに、全コースで歓声が上がった。午後は時間が経つに従って雨と風が強くなり、とりわけ標高の高いスタート地点付近では出走するライダーたちを苦しめた。サム・ヒルは雨が降り始めたあとでの出走だったのにもかかわらず、ドライコンディションで走ることができた幸運なパスカル・カナル・フリックスを抑えてトップに立ち、最後までその座を守った。世界選手権2勝の実績を持つファビアン・バレルは、これに肉薄するタイムをマークしたが届かず。Team G Cross Hondaのミナーとレヒコイネンにも、この時点では十分に優勝の可能性があった。
しかし、結果的に転倒したミナーは4位、レヒコイネンは6位でレースを終え、残念ながらチームはメダルを獲得することができなかった。ミナーは今シーズン、すでに肩を3度脱きゅうしていたが、いずれも以前と同じ部位だった。4回目となる今回は別の部位で、激しい痛みをともなうものだった。ミナーは直ちに病院へ搬送され、外れた肩はレースから3時間を経過してようやく元に戻された。肩甲骨にも骨折箇所が見つかったが、ミナーは月曜に病院を退院する見込みだ。
このあとチームはスロベニアへ向かい、9月16日にマリボールで開催されるワールドカップの最終戦に臨む。 |