モン・サンタンヌはワールドカップ・シリーズの中でも歴史と伝統を誇る開催地であり、17年連続で開催されている。大会は終始好天に恵まれ、ライダーたちは最高のコンディションでドラマチックな戦いを展開した。Team G Cross Hondaに所属する3人は大きな問題もなく、理想的な形で練習走行を消化すると、好成績への期待を持って、およそ4分半の厳しいコースが舞台となる準決勝に臨んだ。
シャンペリーのワールドカップ第2戦で見事な復活を印象づけたチームの第3ライダー、ブレンダン・フェアクローは、現在のシリーズランキングが20位を下回っていることから、決勝へ進出するためにはいかなる失敗も許されないという意識を持って準決勝に出走した。結果、手堅く15番手の位置を確保。午後の決勝ではさらにペースを上げることができると考えていた。
5位で準決勝を終えたレヒコイネンは、表彰台を狙うことも十分に可能な位置につけた。この5位という成績によって、レヒコイネンはランキング争いにおいても貴重なポイントを稼いだ。ミナーはコース前半でライバルたちから3秒の遅れをとったが、後半はすばらしいスピードを披露して3番手につけ、接戦を繰り広げたスティーブ・ピート、サム・ヒルを射程内に捉えた。
3人のライダー全員が少しでも多くのポイントを獲得することを目指していたため、今回の戦術はきわめて明快だった。もっとも重要な課題は、最後までエネルギーを温存して4分半のコースを走りきることだが、全員がRN01を無事ゴールさせるだけの体力を備えて決勝に臨んだ。
最初に走ったフェアクローは、準決勝の記録を4.5秒上回るタイムで6番手につけ、最終的に13位という好位置につけた。こうして今季最高の成績を収めたことで、イギリス・サイクリング協会の規定により、今年の世界選手権への出場を認められることが決まった。
続いてスタートしたレヒコイネンは、ネイサン・レニーから首位の座を奪う区間タイムをマーク。後半のセクションでもハイペースを保ち、レニーに1.74秒の差をつけてこの時点でのトップに立った。レヒコイネンは、ミナーが出走するまで、その位置を守った。決勝をスタートしたミナーは、中間地点のタイムでレヒコイネンを1.5秒上回り、後半に入ってまもなく肩が脱きゅうするというアクシデントに見舞われながらも、ゴールではその差をさらにコンマ数秒伸ばした。最終的にミナーは2位となり、この結果、2006年のワールドカップ最終戦以来初めてミナーとレヒコイネンの2人がそろって表彰台に立った。チームランキングでも2位とのリードをさらに広げている。 |