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ROUND
#02
JUNE 10, 2007
リザルト ポイント

レヒコイネンがワールドカップ2勝目をマーク

第2戦 スイス
2007年6月10日(日)・決勝
開催地:シャンペリー

Team G Cross Hondaのマッティ・レヒコイネンは、雨の降る難しいコンディションの中、スイス・アルプスのシャンペリーで開催されたUCIワールドカップ第2戦で通算2勝目を飾った。

第2戦 スイス

この小さなスキーリゾートの町でワールドカップが開催されるのは今回が初めて。しかし主催者は、世界のトップライダーもかつて経験したことがないような、極度に厳しいコースを設定していた。急斜面は徒歩で下見を行うのも危険なほどで、連日午後になるとやってきた雷雨の影響もあり、レースは近年になく困難なものとなった。通り雨は毎日16時前後に訪れていたため、スタート順の前半と後半に選手を抱えていたチームは、決勝レースのコースコンディションの判断が難しく、戦術を見直さなければならなかった。

初日に行われた練習走行では、チームの新鋭、ブレンダン・フェアクローがシャンペリーの絶壁をスムーズなライディングで乗り切ってチーム関係者に感銘を与えた。骨折した手の状態はあいかわらずだが、ビーゴの開幕戦に比べるとかなり回復しており、「ブレンドッグ」の愛称で呼ばれるフェアクローは、予選を心待ちにしていた。一方、グレッグ・ミナーは金曜の練習走行が終了したあと、コースを歩いているときに急坂で転落し、左肩を脱臼するという不運に見舞われた。ミナーは自力で外れた肩を元に戻したが、肩の腫れが引くのを待つため、土曜の練習を見送ることになった。レヒコイネンは2〜3度コースを外れる場面があったものの、無難に練習走行を消化した。ミナーとおなじく、レヒコイネンも狭くツイスティでペダリングの必要がほとんどないこのコースに、“クランク・ブラザース5050”という薄いタイプのペダルで臨む方針を固めた。

準決勝でミナーが目標としていたのは、首位に立ち、50ポイントを獲得することだった。一方、チームの首脳はレヒコイネンにいったんコース上で停止し、タイムを抑えて16時前後の早い時間にスタートできるよう調整するよう指示を与えた。フェアクローが目指したのは、限界を越えることなく安全に走り切り、80位以内に入って決勝に進出することだった。しかし、実際にフェアクローが見せた走りは力強く、チーム内では最高の順位につけた。朝の雨でまだ部分的にウエットだったコースを6番手のタイムで走りきり、チームに加わってから初めてのトップ10入りを果たした。好タイムを狙ったミナーは2度も転倒し、80位までに残ることができなかったが、ランキング20位以内のライダーをシードとするUCIの規定に救われて、決勝に駒を進めることになった。レヒコイネンは予定通り、決勝進出台数の中間の40位で準決勝を終えている。

決勝では、ほかにも何人かの有力選手がドライコンディションのうちにスタートした。その1人であるスティーブ・ピートは早々と最速タイムをマークし、雨が降り出すのを期待していた。しかしピートが首位を守っていたのは20分ほどの間にすぎなかった。レヒコイネンはちょうど雨が降り出すのと同時にコースへ出たため、終盤は路面が滑りやすくなっていたが、それでもピートを破ってトップに立ち、最後までその位置をキープした。まもなく雨足が強まり、レースはサバイバルゲームの様相を呈することとなり、ミナーは滑りやすい路面に足をとられて2度転倒してしまった。そのうち1度はマシンがセーフティフェンスにからむ状態となり、20秒以上の貴重なタイムを失っている。

フェアクローは難しいコンディションの中、見事なライディングを披露し、序盤に転倒しながらも好タイムをマークした。急斜面と雨のため、コースには走破することがほとんど不可能な個所も見られた。最後にスタートしたのは昨年の世界チャンピオンのサム・ヒルだったが、予選で驚異的なタイムをマークしていたとはいえ、極度に悪化した路面状況を考えると、レヒコイネンを逆転することができるとは思えなかった。それでもヒルはトップから1秒63遅れというすばらしい記録を叩き出し、世界チャンピオンの実力を示した。この種のコースにおいて、その走りは見るものを驚嘆させるに十分なものだった。

Team G Cross Hondaは6月24日、モン・サンタンヌで開催されるUCIワールドカップ第3戦に備えるため、カナダへ移動する。

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COMMENT

コメント

Matti Lehikoinen マッティ・レヒコイネン(優勝)
「今日は勝つことができ、チームのためにもこれほどうれしいことはない。コースはものすごいレイアウトだし、天気を読むのも難しかったが、作戦は成功した。ドライの状態で下ることができれば、いいタイムが出ると信じていた。決勝タイムはレースウイークを通しても2番手という満足のいく記録だ。サムの走りは驚異的で、最後のコーナーまで私を上回っていたと思う。大好きなモン・サンタンヌのレースを前にして、暫定ランキング3位にいる気分は最高だ」
Brendan Fairclough ブレンダン・フェアクロー(40位)
「実をいうと、ちょっとがっかりしている。このコースは本当に気持ちよく走れたし、自分に合っているので表彰台も狙えたと思う。それが雨で台無しになってしまった。それでも、また実戦で走れてよかった。しばらく休んでいたので、特に体の状態はいい感じだった。新しいマシンも最高で、自信を持って走れた。これからの2戦は特にいい状態で戦えると思うので、今度こそ途中から雨が降り出すようなことがないコンディションでレースがしたい」
Greg Minnaar グレッグ・ミナー(74位)
「全くいいところのない大会だった。コースを歩いていて肩を痛めるなんて考えられないことだし、準決勝での転倒もいただけない。決勝のときは、雨が降っていても、マシンの感触はよく、きれいにコーナーを抜けていくことができた。ところがそのあと、サム(ヒル)も転倒した個所でクラッシュしてしまった。自分の手はそうでもなかったけれど、ハンドルが泥だらけになっていて、滑ってまともに走れなかった。あのあとは、マシンをまともにコントロールできる状態ではなかった。ともかく、マッティが勝ててよかった。チームの作戦が見事に的中した結果だ」
Martin Whiteley マーチン・ホワイトリー
Team G Cross Honda 監督
「今日、マッティが勝ったことで、チームは最高に勢いづくだろう。作戦どおり、見事な走りをしてくれた。彼に勝つ力があることは明らかだが、今回はとくに頭脳的なライディングが光った。ブレンダンも私たちがチームに迎えた理由をわからせるような走りをみせてくれた。天気に影響されることなく、一日も早く実力を証明してもらいたい。グレッグのことは、本当に残念だ。このレースのために努力を重ねてきたのに、歩いていてケガをするという事故に見舞われ、そのあとさらに悪天候の影響もあった。全く信じられない。それでもまだランキング7位につけ、上位に手が届く位置にいる。残りの3レースで、まだチャンスはあるだろう。もちろん、チームランキングのトップに立っているのはうれしいことだ」
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RESULT × POINT

決勝リザルト

準決勝
ROUND
#02
JUNE 10, 2007
順位 No. ライダー チーム タイム
1 3 S.ヒル Iron Horse/Monster Energy 4:01.89
2 5 M.パスカル Q By SAAB Salomon 4:16.45
3 14 B.ガルディア MSC Bikes 4:16.86
4 59 F.ペデマノー   4:18.00
5 155 N.ブイヨズ TEAM LAPIERRE INTERNATIONAL 4:18.91
6 37 ブレンダン・フェアクロー Team G Cross Honda 4:20.96
40 6 マッティ・レヒコイネン Team G Cross Honda 4:42.46
133 27 グレッグ・ミナー Team G Cross Honda 5:54.58
決勝
 
順位 No. ライダー チーム タイム
1 6 マッティ・レヒコイネン Team G Cross Honda 4:10.21
2 2 S.ピート Santa Cruz Syndicate 4:11.81
3 3 S.ヒル Iron Horse/Monster Energy 4:11.84
4 25 F.バレル KONA LES GETS 4:14.91
5 7 M.ハナー Cannondale/The Cut 4:21.52
6 38 A.ブライトン MTB-DIRECT.CO.UK 4:22.15
40 37 ブレンダン・フェアクロー Team G Cross Honda 4:45.60
74 27 グレッグ・ミナー Team G Cross Honda 6:06.27
 

ポイントランキング

 
順位 ライダー チーム 総合ポイント
1 S.ピート Santa Cruz Syndicate 335
2 S.ヒル Iron Horse/Monster Energy 317
3 マッティ・レヒコイネン Team G Cross Honda 271
4 M.ハナー Cannondale/The Cut 225
5 M.ボーモン Team MBUK Santa Cruz 210
6 D.ヴァスケス MSC Bikes 200
7 グレッグ・ミナー Team G Cross Honda 170
38 ブレンダン・フェアクロー Team G Cross Honda 42
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