UCIワールドカップの最終戦が行われたオーストリア・シュラートミンクで、Team G Cross Hondaのグレッグ・ミナー選手とマッティ・レヒコイネン選手が、そろって表彰台に立つ快挙をなしとげた。その結果、ミナー選手は今シーズンのランキング3位を確定し、レヒコイネン選手はランキング9位から自己最高の同6位へと大きく躍進した。
走行時間が4分におよぶ過酷なコースの練習では、レースに備えて60以上もあるコーナーを覚えることに、全力をかたむけなければならなかった。急勾配の高速コーナーと木の根が浮き出たタイトな低速セクションを組み合わせたシュラートミンクは、ライダーの実力が試されるすばらしいコースといえるだろう。
公式計時走行の結果は、ミナー選手とレヒコイネン選手にとって満足のいくものだった。ミナー選手は4分4秒52のタイムで3番手、レヒコイネン選手もこれに近い4分10秒50で6番手につけ、ともに決勝レースのタイムは4分を大きく切るものと予想していた。ただし、ミナー選手は先週、ラ・ブレッスで開催されたフランスカップ最終戦で負ったケガを抱え、苦しい戦いを強いられている。練習中にコースをふさいでいた遅いライダーと接触し、左足に重度の内出血をおこす傷を負ったミナー選手は、3日間ほど歩くこともできない状態だった。シュラートミンクで治療を受けたミナー選手は、練習走行はできるようになったものの、まだ痛みが残っている。
一方のレヒコイネン選手は、昨年ここで喫した激しい転倒の記憶を克服しなければならなかった。コースを歩いて下見した際、レヒコイネン選手は肩を骨折することになった場所の木と硬い岩をじっくり観察し、練習走行に備えた。
それでもレヒコイネン選手は、準決勝で慎重な走りをしており、上位入賞に必要なリスクを冒していないことは明らかだった。まだこのコースを積極的に攻略する姿勢にはなれていないようだ。10位という結果はレヒコイネン選手の実力に見合ったものではなく、走行後はチーム監督と30分にわたってコースの攻略法を話し合った。一方、ミナー選手は準決勝で完ぺきな結果を残し、2つほど小さなミスがあったにもかかわらず、ほぼ狙いどおりの走りをすることができた。
2人のうち、先に決勝レースのスタート台に立ったレヒコイネン選手は、すばらしい区間タイムを残してトップに立とうとしていた。ゴールに飛びこんだレヒコイネン選手は大きな喝采を浴び、2回目の表彰台をめざして後続の選手の結果を見守ることとなった。次々にスタートした各選手は、レヒコイネン選手のタイムを上回ることができず、初めて中間地点で1.44秒速いタイムを記録したのは、チームメイトのミナー選手だった。ゴールではそのリードが0.81秒と狭まっていたが、それでもこの時点でミナー選手が先頭に立つこととなった。しかし、その後まもなくサム・ヒル選手(Iron
Horse Mad Catz)が、すばらしいライディングを披露し、首位の座を奪うと最後までその位置を守った。
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