MTB-W Honda Racing
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レース情報 決勝レポート フォトギャラリー
2006.07.02 Rd.05 ブラジル
スケジュール
[UCIワールドカップ]
Rd. Date
01 5/7
スペイン
02 5/28
イギリス
03 6/4
ドイツ
04 6/24
カナダ
05 7/2
ブラジル
  8/26
世界選手権(ニュージーランド)
06 9/10
オーストリア
UCIワールドカップ 第5戦 ブラジル
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レヒコイネンがワールドカップ・ブラジル大会で優勝
決勝日:2006年7月2日(日)
開催地:カンボリウ・ビーチ
リザルト&ポイント

 ブラジルのカンボリウ・ビーチで行われた緊迫のレースを制し、Team G Cross Hondaのマッティ・レヒコイネン選手が自身初の、そしてチームにとっても今シーズン初の勝ち星を挙げた。ブラジル南部の海岸に近いジャングルに設けられたコースは、レヒコイネン選手にとって理想的なものだったが、チームメイトのグレッグ・ミナー選手は途中トップに立ちながら、タイヤのパンクに見舞われるという不運な結果に終った。これまで、何度もあと一歩というところでワールドカップの表彰台に立てなかったレヒコイネン選手は、熱狂的なブラジルの観客が見守る中、その中央に立って自らの国歌を口ずさんだ。

UCIワールドカップ 第5戦 ブラジル
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 一方、ミナー選手はワールドカップのタイトル防衛を目指して、今大会も万全の態勢を築いていた。準決勝を3番手で終えたミナー選手は、決勝でも中間地点まで最速のタイムをマークしていたのだ。しかし、コースの後半にタイヤが裂けたために転倒し、23位という不本意な結果でレースを終えることとなった。

 金曜に行われたフリー走行はいくぶんコースが濡れている状況だったが、天候は次第に回復し、決勝レースは完全なドライ・コンディションに恵まれた。フリー走行ではミナー選手、レヒコイネン選手ともに健闘していた。そして、最後の計時走行で、スティーブ・ピート選手(Santa Cruz Syndicate)から10分の1秒差というタイムをマークしていたレヒコイネン選手は、十分に表彰台を狙えるという自信を胸に最終日を迎えた。

 準決勝でミナー選手が狙っていたのは、今回も可能なかぎり多くのポイントを稼ぐことだった。結果、暫定ランキング1位のピート選手よりも10ポイント多い得点を手にしたが、総合のランキングに大きな変動はなかった。一方のレヒコイネン選手は確実な走りを心がけ、それがそのあとの結果に結びついた。準決勝を6番手で終えたレヒコイネン選手には、初めての表彰台に立つ可能性が十分にあった。

 決勝では、レヒコイネン選手が中間地点を1分43秒96という最速タイムで通過し、トップに立った。そのあと、さらに5人のライダーがスタートし、22才のレヒコイネン選手は10分あまり、きわめて緊張した状況に置かれることとなった。最初に出走したジー・アサートン選手(Team Animal Giant)は、2分22秒12と、レヒコイネン選手から3秒近く遅れていた。次に第1戦で優勝したミック・ハナー選手(Cannondale/The Cut)が出走し、中間地点のタイムではレヒコイネン選手に肉薄したが、最終的には1.5秒差がつき、レヒコイネン選手がトップ3入りする可能性が高まった。

 そして、チームメイトのミナー選手がスタートし、レヒコイネン選手をコンマ4秒ほど上回る最速の区間タイムをマークした。観客はミナー選手の姿が大型スクリーンに現れるのを固唾をのんで見守っていたが、その直後にミナー選手が転倒。転倒の原因は後輪のパンクによるものだった。ミナー選手は有力選手のスタートを待つレヒコイネン選手を祝福した。そのうち、ピート選手がわずか100分の9秒差と迫り、レヒコイネン選手は緊張に身を震わせながら結果を待っていた。ワールドカップ初の表彰台が優勝という結果になるかどうかがかかっていたからだ。最後に出走したサム・ヒル選手(Iron Horse Mad Catz)は、中間地点をレヒコイネン選手よりも速い1分42秒74で通過した。しかし、最後のセクションを完ぺきに通過したレヒコイネン選手は、まだあきらめていなかった。観客は、サム・ヒル選手が最後の区間で転倒する場面を目撃し、レヒコイネン選手は、フィンランド人として初めての歴史的な勝利を手にすることとなった。

 Team G Cross Hondaは、このあとNORBAナショナル選手権シリーズが開催されるユタ州ディア・バレーへ移動する。決勝レースは、7月9日に開催される。

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コメント

#11 マッティ・レヒコイネン選手(優勝)
「ほんとうに信じられない。夢のようだ。走りは完ぺきだったし、スピードも上げられたので、表彰台には立てると思っていた。でも、まさか優勝できるとは、考えてもいなかった。今回でワールドカップに出場するのは31戦目になり、ずっと全力を尽くしてきた。自信はあったし、いつかこんな日が来るとは思っていたが、今日はすべてがうまくいった。最高の気分だし、チームやメカニックのマークをはじめ、Honda Racingのスタッフ全員に感謝している。みんながとても暖かく支えてくれたブラジルでの勝利は、地元で勝つことの次に素晴らしいものだった。表彰台にブラジル国旗を持っていったのは、感謝の気持ちを表したかったからだ」

#1 グレッグ・ミナー選手(23位)
「とてもがっかりしたし、残念な結果だった。これまで、決勝でタイヤがパンクしたことは一度もないのに、ポイント争いの上で重要な今日のレースで、こんな信じられないことが起こってしまった。タイトルを獲得するために、ずっと最善を尽くしてきたが、あり得ないことでチャンスを失ってしまった。これもレースだから、仕方がないのだが、残念なことに違いはない。もちろんマッティが勝ったことは嬉しい。彼はずっとがんばっていたし、今日チームに勝利をもたらしてくれたのは素晴らしいことだ」

マーチン・ホワイトリー チーム監督
「たいへん感情的になることが多い1日だった。マッティとは、彼がはじめてワールドカップに出場した2001年からいっしょに戦ってきて、結果がでないときも、ずっとその実力を信じていた。今日は、彼がチャンピオンになる力量のある選手だということが証明された。一方、グレッグの結果はとても残念だった。ビーゴで転倒したあと、グレッグはそれを乗り越えてこのところ勢いを取り戻していた。すべての課題を完ぺきにこなしてきたのだ。まだランキング2位につけているので、最後まで全力で戦ってくれるとは思うが、状況は厳しくなった。来月、世界選手権があるので、2006年の次の目標は、それに勝つことだ」

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リザルト&ポイントランキング
【準決勝】
順位 No. ライダー チーム タイム
1 2 S.ヒル Iron Horse Mad Catz 2:19.85
2 12 S.ピート Santa Cruz Syndicate 2:19.97
3 1 G.ミナー Team G Cross Honda 2:20.84
4 17 M.ハナー Cannondale/The Cut 2:21.70
5 5 G.アサートン Team Animal/Giant 2:21.84
6 11 M.レヒコイネン Team G Cross Honda 2:22.30
【決勝】
順位 No. ライダー チーム タイム
1 11 M.レヒコイネン Team G Cross Honda 2:19.31
2 12 S.ピート Santa Cruz Syndicate 2:19.40
3 17 M.ハナー Cannondale/The Cut 2:20.69
4 5 G.アサートン Team Animal/Giant 2:22.12
5 9 M.ボーモン Team MBUK Santa Cruz 2:22.14
6 85 M.バーチトールド Maxxis-MSC 2:22.27
23 1 G.ミナー Team G Cross Honda 2:25.92
【ライダー】
順位 No. ライダー チーム 総合ポイント
1 12 S.ピート Santa Cruz Syndicate 898
2 1 G.ミナー Team G Cross Honda 720
3 2 S.ヒル Iron Horse Mad Catz 696
4 5 G.アサートン Team Animal/Giant 653
5 17 M.ハナー Cannondale/The Cut 603
6 3 N.レニー Santa Cruz Syndicate 599
9 11 M.レヒコイネン Team G Cross Honda 559
90 110 井手川直樹 Team G Cross Honda 8
ポイント一覧
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