Team G Cross Hondaのグレッグ・ミナー選手は、ニュージーランドのロトルアで開催されたUCI世界選手権において、銀メダルを獲得した。金メダルを手にしたのはサム・ヒル選手。ミナー選手のチームメイト、マッティ・レヒコイネン選手も8位となり、世界選手権で初めてのトップ10入りを果たした。
決勝レースがドライになるかウエットになるか、予測できない不安定な天気が続き、参加選手たちの成績に影響を及ぼした。上空は雲に覆われ、タイヤの選択がきわめて重要なファクターとなっている。練習走行の間に、レヒコイネン選手とミナー選手は最善のタイヤを選んでいた。そして曇り空ながら雨が降らなかった決勝レース。装着したマキシス・ウエット・スクリームは、開けた区間と黒い地面が露出した森の中のセクション、双方で完ぺきに路面を捕らえた。
決勝の2日前、木曜に行われた予選ではコースはかなり乾いており、ほとんどのライダーが土曜の決戦に向けてその力を示そうとした。トップ3は、体力と脚力でコースを一気に駆け下りた、長身のライダーによって占められた。ニュージーランドとオーストラリアから訪れた観客は、地元のヒーローの活躍に期待して盛んに声援を送っている。予選でトップに立ったのは、'03年のワールドカップ・チャンピオンという肩書を持つオーストラリアのネイサン・レニー選手だ。ミナー選手も、決勝で最後にスタートするというプレッシャーを避けられる、3位という結果に満足していた。レヒコイネン選手の8番手も、狙っていたとおりの成績だ。
迎えた決勝日、前夜に降った雨が路面コンディションを大きく変えることはなかったが、正午ごろには強風によって上空が雲に覆われ、いつまた雨が降り出してもおかしくない状況となっていた。ミナー選手とレヒコイネン選手は、いずれも早朝に行われた練習走行の内容に満足していて、決勝レースに臨む態勢は整っていた。決勝では、まずクリス・コバリク選手が最速タイムをマークし、30分以上にわたって首位の座を守っていた。ここでサム・ヒル選手が高度なテクニックを要するこのコースに挑む。ヒル選手のスピードはあきらかにそれまでのライダーを上回っており、全コースを通じて限界ぎりぎりの走りを披露した。ゴールに飛びこんだヒル選手のタイムはコバリク選手より7秒も早く、残る5人のライダーにとって、これが目標になることは間違いなかった。
レヒコイネン選手はスムーズな走りで狙ったラインをきれいに捕らえ、大きな問題もなかった。しかし、パワーを必要とするコース設定だったため、表彰台には手が届かなかったものの、世界選手権で初めてのトップ10入りを果たした。巨大なスクリーンに映し出されたミナー選手のライディングはすばらしいものだったが、コースの3分の2を消化したところで、ヒル選手から2.2秒の遅れをとっており、最後の1分でこれを逆転することはできなかった。この結果、ミナー選手は過去6年間の世界選手権で5回目の表彰台に立ち('02年は鎖骨を骨折して欠場)、大会史上もっとも安定して結果を残している。
チームは来週、ラ・ブレッスで開催されるフランス選手権の最終戦に出場するため、フランスへ向かう。その翌週にはオーストリア、シュラートミンクで開催されるワールドカップ最終戦というビッグイベントが控えている。男子の決勝は、9月10日に開催される。
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