スコットランドの高地、フォートウィリアム近郊の伝統あるコースで、2005年UCIマウンテンバイク・ワールドカップの最終戦が開催された。これまで、年間最優秀コースに3度も選ばれたことのあるフォートウィリアムには、毎年多くの熱心な観客が集まり、すばらしいレースが繰り広げられる。今週末は、Team G Cross Hondaのグレッグ・ミナー選手が2位表彰台に立ち、マティー・ライコネン選手もあと1秒足らずでワールドカップ初表彰台という活躍で、自身最高の6位という成績を収めた。
ライダーにとって最も難しかったのは、非常に特徴的な3つのセクションに合わせて、いかにマシンをセッティングするかということだった。最初は高速の開けたセクション、続いてテクニカルな森の中のセクションを通り、最後は比較的平坦な地形でジャンプが連続する。ライコネン選手は公式練習で4分23秒台のタイムをマークして6番手につけた。一方、同じ4分23秒台を難なく出していたミナー選手は、計時走行のとき、コースを塞がれたため、思うような記録を残すことができなかった。
準決勝では、今シーズン負傷の影響を受けていたライコネン選手が、積極的にポイント獲得を目指した。これまでのランキングが13位というライコネン選手は11位でゴールし、10ポイントを手にした。
一方のミナー選手は、ワールドカップのタイトル獲得を記念して作られたチャンピオンウェアと、パーツを特別にカラーコーディネートされたHonda RN01で登場した。コース前半からすばらしい走りを見せたミナー選手は、ポイントではなく、最終戦の勝利を目標としていたため、後半ややペースを落としている。
決勝レースのライコネン選手は、それまでの自己ベストを上回るスピードでコースを駆け降り、4分17秒41をマークして暫定トップとなった。これは十分に表彰台を狙えるタイムだ。その後、ライコネン選手は20分間にわたって、世界トップクラスのライダー10人の走りを見守っていた。このうち最初にライコネン選手のタイムを上回ったのは、2002年にフォートウィリアムで優勝しているクリス・コバリク選手だった。その直後、ミナー選手は中間タイムでコバリク選手の記録を上回り、最終的に2秒の差をつけてゴールした。観客はスティーブ・ピート選手の地元での勝利に期待して、山肌に熱い視線を注いだ。中間地点ではミナー選手に0.4秒の遅れを取っていたピート選手だが、最後に持ち前のパワーを発揮し、2秒差で勝利を手中に収めて、集まったファンを沸かせた。
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