オーストリアのシュラートミンクで開催されたUCIマウンテンバイク・ワールドカップ第3戦で、グレッグ・ミナー選手(Team G Cross Honda)が4位。序盤転倒を喫しながらも、タイトル争いでリードをキープし、2週間後にカナダで開催される第4戦に臨むこととなった。
シュラートミンクでワールドカップが開催されるのは2年目。4分を要するそのコースは、早くも「歴史に残る舞台」との評価を得ている。見応えある森のセクションや開けた高速コーナーを含むコースは急勾配の地形に設けられ、きわめて難易度が高くライダーにとって非常に厳しいと言われている。
マティー・ライコネン選手(Team G Cross Honda)は準決勝、決勝ともに転倒を喫し、身をもってそれを思い知らされた。とくに決勝での転倒は激しく、ライコネン選手は病院へ運ばれた。鎖骨の骨折が疑われたが、幸い最終的な検査の結果は、左肩の関節の捻挫で全治10日間の診断。土曜の計時走行では2位と4位の好タイムをマークしていたライコネン選手にとって、悔いの残る結果となった。
準決勝を前に、ミナー選手とライコネン選手は貴重なポイントを獲得して総合成績を有利に導くことを狙っていた。ミナー選手はオーストラリア出身のサム・ヒル選手に次ぐ2位となったが、ライコネン選手はヘルメットの前部を強打する転倒で20秒を失い、55位という結果に終わった。
天候は終日めまぐるしく変化し、日が差したかと思うと通り雨が降る状況がくり返された。しかもコースは半分が樹木に覆われ、残る半分が開けた地形となっているため、前戦に続き決勝レースではタイヤの選択が非常に重要となった。
早くスタートしたライダーのうち、ウエットタイヤを選択した選手が健闘したことから、ミナー選手とライコネン選手はそろってウエットを選んだ。ライコネン選手はミナー選手より1時間ほど早くスタート。コース序盤では、レース優勝者をも上回る最速区間タイムをマークしていたが、森のセクションに入ったところで木の根に前輪を取られ、ハンドルバーを飛び越えて肩から激しく地面に叩きつけられた。自力でペダルからシューズを外せなかったライコネン選手は、コース・マーシャルの助けを借りて、ようやく立ち上がり、そのままコースを走り下りた。しかし最初の大きなジャンプで左肩に鋭い痛みを感じ、負傷していることに気づいため、その後は片手でゆっくりと斜面を下り、病院に運ばれた。
ミナー選手はスタートから150mの地点で小さなミスを犯す滑り出し。集中力を失ったためか、タイトな折り返しのコーナーで軽く転倒、すぐに態勢を立て直したものの、すでに遅れをとっていた。ミナー選手の4分14秒95は、3人のオーストラリア人に次ぐ4番手。見事な走りで優勝し、最高得点を獲得したのはヒル選手だった。
チームはアメリカ合衆国ユタ州のディア・バレーへ移動し、6月18日、19日に開催されるNORBAナショナル・マウンテンバイク・シリーズの第1戦に出場する。
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