2005年のUCIマウンテンバイク・ダウンヒル・ワールドカップがスペインの大西洋岸、ビーゴ市郊外で延べ約2万5000人の観客を集めて開幕した。日曜のダウンヒル・レースでは、Team
G Cross Hondaのグレッグ・ミナー選手が2位に入賞し、表彰台に立った。そして新しくチームに加わったマティー・ライコネン選手もコンマ3秒で表彰台に届く好タイムをマークして7位という成績を収めた。
ビーゴがワールドカップのカレンダーに加わったのは今回が初めてだが、およそ2分半で下るコースはトップ・ライダーたちの間でも好評で、コースのレイアウトは高速区間とテクニカルなセクションをたくみに組み合わせた迫力あるものとなっている。この時期は天候が不順なことで知られ、競技前の1週間は雨が降り続いていたが、初日の練習走行は完璧なコンディションの下で行われた。土曜の公式練習ではミナー選手が3番手、ライコネン選手が4番手につけ、日曜に行われる準決勝への体制が整った。
日曜の朝には再び雨が降り、コースの状況が変わっている。滑りやすいコンディションとなったため、主催者によって広い岩場のセクションを使わない決定が下された。このセクションを迂回することになったため、タイムは数秒遅くなったが、午後には太陽が顔を出し、その点を除くとコースは理想的な状態となった。
体力、精神力、そして技術と、さまざまな面で自分がどのような位置にあるのかがわからない開幕戦は、ライダーにとって難しいものとなる。ドイツで開催される第2戦までに1カ月の間隔があるため、ミナー選手とライコネン選手は確実にポイントを獲得し、ワールドカップのタイトル争いを順調に滑り出すことを目標としていた。
50ポイントがかかった準決勝で、ふたりのライダーはいずれも堅実な走りを見せた。ミナー選手は2分36秒303というタイムで3位に入り、ライコネン選手も2分36秒304、ミナー選手からわずか1000分の1秒遅れという健闘を見せた。これによってふたりは揃ってポイントを獲得し、決勝へ向けて有利な足がかりをつくった。
ライコネン選手は準決勝でセミマッド・タイヤを選んだが、決勝レースでは路面がさらに乾いていたため、ふたりともドライ・タイヤを選択することとなった。ライコネン選手は午前中にマークした自らのタイムを3秒近く短縮する2分33秒492という好タイムを記録した。続いてスタートしたミナー選手は2分28秒668で下りきって、2004年のワールドカップでランキング2位となったサム・ヒル選手(Iron
Horse Mad Catz)に替わり、この時点でのトップに立った。続いて走ったミック・ハナー選手(Haro
Bikes)はこれを破ることができなかったが、2004年のワールドカップ・チャンピオン、スティーブ・ピート選手(Team
Orange)は2分25秒791という驚異的なタイムを叩き出し、またしても開幕からその強さを見せつけた。この結果、ミナー選手は決勝2位、準決勝3位という成績を残し、ここまでの暫定ランキング2位につけることとなった。準決勝で4位だったライコネン選手は決勝でも7位となり、暫定ランキングは6位となっている。
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