さきごろ2005年UCIワールドカップ・シリーズで世界ランキング1位獲得を決めているTeam G Cross Hondaのグレッグ・ミナー選手が、イタリア、リヴィーニョで開催された世界選手権の決勝で3位となり、過去5年間で4個目のメダルを獲得した。ミナー選手のチームメイトのマティー・ライコネン選手は20位、日本から参戦したTeam G Cross Hondaの井手川直樹選手は66位、内嶋亮選手は69位、Honda RN01を駆ってジュニアクラスに参戦した永田隼也選手は35位だった。エリートクラスの決勝を制したのはミナー選手より1時間以上早く、良好なコンディションの中でスタートしたファビアン・バレル選手だった。所要時間4分の過酷な高速コースには、決勝終了50分前から雨が降り始め、突風によりハイスピードのジャンプセクションが通常より危険なものになっていた。
予選にあたる選抜走行は2日前の木曜に始まり、ミナー選手とチームメイトのライコネン選手は、手堅い走りで決勝レースへの進出を決めていた。75パーセントが開けた地形で、残りの25パーセントが森の中というこのコースでは、予選上位のライダーたちがゆったりとしたモトクロス・ウェアとは対照的な、肌に密着するスキンスーツを着用していたことからもわかるとおり、空力特性が重要なファクターとなっていた。いくつかのナショナルチームは、ライダーにこうしたスキンスーツを着用させており、その走りを見たミナー選手とライコネン選手も、同様のスキンスーツまたはよくフィットするニットを着用して空力特性を高める方針を固めた。
土曜に行われた決勝では、トップから15秒遅れという中位のタイムで予選を通過したバレル選手が、ほかの有力ライダーとは異なる良コンディションのもとでスタートして、ミスのない走行を見せた。ライコネン選手がスタートする少し前から弱い雨が降りはじめ、気温が急速に下がって風も強くなってきた。ライコネン選手は気象条件の変化にもかかわらず、確実に走行をこなして4分7秒64というタイムで20位に入っている。
ミナー選手はバレル選手から1.8秒遅れという2番手のタイムで最初の区間を通過したが、中間地点の前に2度ほど小さなミスを犯したため、バレル選手の3分54秒77というタイムを破ることはできなかった。ミナー選手の記録は3分57秒79で、その後これよりも早かったのはサム・ヒル選手だけだった。ミナー選手は、UCIの計測地点で、表彰台に立ったライダーの中ではもっとも速い50.45km/hというスピードをマークしていた。バレル選手は50.00km/h、ヒル選手は49.20km/hだった。
Team G Cross Hondaは9月8日から11日にかけて行われるワールドカップ最終戦に出場するため、スコットランドのフォートウィリアムに向けて移動する。
今年最初の海外遠征となったTeam G Cross Hondaの井手川選手と内嶋選手。木曜日の選抜走行で、井手川選手は、右コーナーでコースアウトし約5秒のタイムロスがあったが、その他はうまくまとめ、およそ80%の走りながら50位につけた。一方の内嶋選手は、途中ラインを外れたところの木の根でスリップし、約3秒のタイムロスがあり73位だった。
決勝では、井手川選手は46.65km/h、内嶋選手は44.30km/hのUCI計測地点でのスピードをマークし、それぞれ66位、69位となった。
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