昨年までチームメートだった井手川と内嶋は、今シーズンより自らが監督兼ライダーを務めるオウンチ−ムでレースを戦い、頂点を目指す。両ライダーとも、練習日からマイペースの調整を行いながら、決勝日を迎えた。
コースは今年から、攻略ポイントの1つだった長い“つづら折れセクション”の替わりに、無数の木の根が露出するスリッピーな路面のシングルトラックが設けられた。また、その途中には下りの激坂(急勾配の坂)ジャンプや倒木ジャンプのセクションも造られている。練習日には転倒者も少なくなかったが、決勝日を迎えるまでにコースは細部まで改修された。
トップライダーにとっては、予選での獲得ポイントもシリーズランキングに影響をおよぼすため、予選の順位も重要だ。午前に行われた予選でトップタイムを叩き出したのは、RN01モニターライダーとしてG Cross Honda Idegawaに所属する永田隼也だった。永田は朝の練習時に転倒して手を負傷するが、予選では痛みをこらえながら3分28秒083のタイムを出し、負傷が走りに影響ないことをアピール。井手川は一度のミスによる失速もあって、3分29秒356で予選4番手。内嶋は決勝まで疲労を残さない走りに徹し、3分28秒482で予選3番手につけた。ドライの路面コンディションから見て、優勝タイムは予選から大幅にアップすることが予想される中、井手川は3分22秒台を出すことで優勝できると確信して、コース全体のさらなる攻略を組み立てた。
予選を通過した30人で行われた決勝。予選8番手の安達靖(Team Ikuzawa)が、3分25秒770でゴールして暫定トップに立つ。予選トップより約3秒ものタイムアップに場内騒然。ところがこの後、井手川がさらに3秒以上も速い3分22秒443でゴールに飛び込んだ。自身の予選タイムから7秒近いタイムアップという、驚異的かつ完ぺきともいえる勝利だった。
第2戦は6月2日、長野県富士見パノラマリゾートで開催される。開幕戦から好調の波に乗った井手川の快進撃、そして“富士見マイスター”の称号を持つ内嶋の富士見連続優勝記録の更新が期待される。 |