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モータースポーツ > MTBダウンヒル/ジャパンシリーズ > 第7戦 石川 決勝レポート
レース
石川 第7戦 10月8日
石川
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レース情報
ラウンド 開催日
01 4/23 滋賀
02 6/4 長野
03 7/9 秋田
 7/17 全日本戦(長野)
04 8/7 岐阜
05 9/10 青森
06 9/17 青森
07 10/8 石川
第7戦 石川
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MTBジャパンシリーズ最終戦で井手川直樹が優勝、今季ジャパンシリーズチャンピオンに輝く
決勝日:10月8日(土)
会場:瀬女高原スキー場 天候:雨 気温:スタート地点/13℃ ゴール地点/18℃ コース長:3650m 標高:スタート地点/1010mゴール地点/344m 標高差666m

 JCF MTBジャパンシリーズ・ダウンヒル最終戦となる第7戦が、石川県白山市の瀬女高原スキー場で行われ、Team G Cross Hondaの井手川直樹選手が完璧な走りを見せて優勝。2005年ジャパンシリーズチャンピオンとなった。最終戦まで井手川選手とジャパンシリーズのチャンピオン争いをしていたチームメイトの内嶋亮選手は、この大会で3位となり、シリーズランキング2位を獲得した。この結果、ナショナルポイントランキングにおいても井手川選手が1位に浮上。内嶋選手が2位となり、今季のTeam G Cross Hondaは、ジャパンシリーズランキングとナショナルポイントランキングの両方でワン・ツーを達成した。

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 瀬女名物と呼ばれるスーパーテクニカルセクション・通称『ブナ林』は、文字通り周囲をブナに覆われ、キャンバー状の急斜面が小刻みに曲がりくねり、晴天のときでも常に滑りやすい路面という難所。その他にも、木の根がむき出しになった連続するシングルトラックや、フラットだがガレ場のS字コーナーなど、わずかな油断がクラッシュを招く全体的にテクニカルなコース。木曜日と金曜日の練習では、ライダーたちは雨の場合の攻略法を考え、難しいポイントを確認するように走っていた。そして土曜日予選前の練習が始まると、雨は次第に本格的に降り始めたのだった。

 雨は予選の際に、ひときわ強く降り出した。マディな路面がタイヤのグリップを奪い、濃い霧がライダーたちの視界を妨げる。そんなコンディションの中、井手川選手が5分21秒78という2位に7秒以上の差をつけるトップタイムで、前回の青森大会からの好調をアピール。内嶋選手は2度の転倒があり、5分32秒432のタイムで予選4位につけた。前大会終了の時点でシリーズポイントランキングのトップにいた井手川選手は、今回の予選1位の獲得ポイントにより、予選終了時点でジャパンシリーズチャンピオンを獲得した。

 あちこちに水溜りができ、泥水の流れる路面状況となった決勝、今季のナショナルポイントランキングを賭けた井手川選手と内嶋選手の一騎打ちが始まった。予選4位の内嶋選手が決勝でどれほどタイムを詰めてくるのかが注目されたが、スタート後まもなくフロントタイヤのパンクにみまわれ、必死にそれをかばいながら走りきったためにタイムは5分25秒311。そして最終ライダーの井手川選手が自己予選タイムをさらに大きく短縮する5分9秒763をマークして、第6戦に続く連続優勝を決めたのだった。この瞬間、ナショナルポイントランキングにおいても、井手川選手の1位が決定した。今季のナショナルチャンピオンである内嶋選手は、ジャパンシリーズランキング、ナショナルポイントランキングともに2位となった。

 さらに今回の石川大会では、UCIマウンテンバイク・ワールドカップの今季チャンピオンであるグレッグ・ミナー選手(Team G Cross Honda)が来日し、昨年に続いてデモンストレーション・ライドを披露した。「雨で滑るけれど、とても楽しいコース」とミナー選手はマディな路面をものともしない軽快なライドを見せた。ゴール手前のジャンプではダイナミックなツイストジャンプを見せ、非公式ながら4分58秒09というタイムだった。世界の走りを目の前にしたコース脇のギャラリーからは、大きな歓声が上がった。

 2005年のJCF MTBジャパンシリーズは終了し、ライダーたちはシーズンオフに入る。再び新たなレースシーズンに向けてトレーニングに励みながら、さらなるレベルアップを目指してゆく。

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コメント

井手川直樹選手(優勝)
「今日は本当に嬉しい。人生最良の日です。思えば1996年に全日本チャンピオンをとって以来のチャンピンですから、9年振りになります。今回のレースでは、特にサスペンションの動きがいい感じで、練習のときから攻めながら気持ちよく走れていた。練習のときにはグレッグ(ミナー選手)と一緒に走りながら、ラインを研究できたことも勝因に結びついた。グレッグは難しいセクションでも決してそこを避けることなく、積極的に自分のラインを“作り出して”いく。そういうところも勉強になった。応援してくれて支えになってくれた皆さん、本当にありがとうございました」

内嶋亮選手(3位)
「予選では、思ったよりもグリップするところと逆に滑るところとがあり、2回転倒してしまったことと、リアタイヤのスローパンクもあったんです。決勝は思いきっていったのですが、フロントタイヤがパンクしてしまった。感覚的に“いける”と思って、ちょっと攻め過ぎになるんですね。結果はこうなって悔しいけれど、自分自身が“乗れている”という感覚がとても強い。これは、これまでになかった部分の実感なので、来年の自分がまた楽しみですね。応援してくれたファンの皆さん、ありがとうございました」

市川哲也監督
「シリーズポイントラインキング、ナショナルポイントランキングともにチームでワン・ツーを達成できたことは、大変嬉しいです。とはいえ今季は、決して余裕のあるリードではなかったことも事実です。レースごとに転倒やミスがあり、常に新たな課題も生まれた。それでも昨シーズンの敗因を分析し、そのために何をするべきなのかライダーとスタッフが全力で取り組み、その成果が出たのではないかと思います。MTBダウンヒルは、モータースポーツに負けない面白さに満ちていますから、今後もより多くの方々に広く興味を持っていただければと考えています」

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決勝リザルト&ポイントランキング
順位 No. ライダー チーム タイム
1 4 井手川直樹 Team G Cross Honda 5:09.763
2 3 丸山弘起 MAXXIS/cannondale 5:16.340
3 2 内嶋亮 Team G Cross Honda 5:25.311
4 35 永田隼也 AYEL KAMIKAZE MARSH 5:31.235
5 14 丸山由紀夫 Mom&Pop's 5:31.291
6 12 柴田幸治 A&F SANTACRUZ 5:31.917
ナショナル・ランキング
順位 No. ライダー チーム 総合ポイント
1 4 井手川直樹 Team G Cross Honda 887
2 2 内嶋亮 Team G Cross Honda 871
3 1 安達靖 Team Ikuzawa 762
4 3 丸山弘起 MAXXIS/cannondale 760
5 35 永田隼也 AYEL KAMIKAZE MARSH 633
6 5 竹本将史 ブリヂストンアンカー 609
※JCFの国内公認大会のうち、高得点獲得大会5つの合計ポイントによるランキング
ジャパンシリーズ・ランキング
順位 No. ライダー チーム 総合ポイント
1 4 井手川直樹 Team G Cross Honda 794
2 2 内嶋亮 Team G Cross Honda 728
3 3 丸山弘起 MAXXIS/cannondale 701
4 1 安達靖 Team Ikuzawa 667
5 35 永田隼也 AYEL KAMIKAZE MARSH 633
6 14 丸山由紀夫 Mom&Pop's 614
※ジャパンシリーズ(J1)のうち、高得点獲得大会5つの合計ポイントによるランキング
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